「書評」なんぞというたいそうなものじゃありません。「批評・評判」もどちらかと言うと苦手。
ま、無理矢理「おすすめの一冊」ってとこですか。

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■ 孤高の人 上下

記事年月日 2007/04/05
作者名 新田次郎 
ジャンル 山岳小説 
出版 新潮文庫 

孤高の人(上巻)
孤高の人(下巻)
「解説」を読むまでもなく、実在の人物がモデルであろうことは、作品を読み出せばすぐに察せられる。昭和初期に登山家として名を馳せた加藤文太郎が実名で登場する。

無口で人付き合いが苦手、並外れて山足の速い男を人は「地下足袋の文太郎」と呼んだ。「山をやる」などという意識もなく、ろくな装備も持たず山の道に分け入り、そのまま山行のプロセスで自ら育ちあがっていった男の山行実録が生かされきって真に迫る。
加藤の目を通して語られる山々の厳酷であるが故の美しさは、新田作品に触れる最大の楽しみに違いない。山への賞賛と敬意に満ち満ちた描写は当該ページをドッグイヤーしていくと、読み終えたころには文庫本の厚さが変わるほどだ。
「孤高の人」「栄光の岩壁」「銀嶺の人」を作者自らが「人はなぜ山に登るか」を自他に問う3部作として位置づけている。3作をひも解けば、大正期からの日本の山岳行史が読み取れる。時代は移り変わり、人も変わった。山行関連の科学も格段に進歩し、目覚しい装備の改善にともなって、登攀技術も向上した。しかしながらどんなに登攀技術や支える装備機能がレベルアップしても、人はさらなる高みを目指し、がゆえに「命がけ」の危険は回避できようもない。
そして改めて自問する。

人はなぜ、山に登るのか?!

記: 2007-04-06