「書評」なんぞというたいそうなものじゃありません。「批評・評判」もどちらかと言うと苦手。
ま、無理矢理「おすすめの一冊」ってとこですか。

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■ サウスバウンド

記事年月日 2007/09/19
作者名 奥田英朗 
ジャンル 小説 
出版 角川文庫 

サウスバウンド 上巻(文庫)
サウスバウンド 下巻(文庫)
まあ、面白いから読んでみて!

あっという間に上下巻を読み通してしまう。
2006年度の本屋大賞第2位ランキングだけのことはある。
いうなれば世間の常識を逸脱した「いっぷう変わった」両親を持つ少年の成長記仕立て。少年少女向けの冒険小説のような魅力に引き込まれる。

小学6年生にしては結構、賢い少年から見た大人像が面白い。見つめられれば、かえって恐縮してしまうような、すくまずにものを見る少年の真っすぐな目だ。
豪放磊落、天衣無縫というか天下のヤンチャクチャともいうべき父はハチャメチャではあるが、真っすぐな少年の視線の前で何一つやましい心なく胸を張る。
母も心底、父の信念を我がものとしてすくっと立つ。声高に主義主張するのではなく、大地を吹き渡る風のような「一途」が少年の瞳に映る。

帯・上巻の「父は元過激派だ」、下巻の「母も元過激派だ」の「元過激派」に注目して読み始めたとして、途中まで「これでいいのか?」感を抱いたとしても、読み終えるころには様々な「モヤモヤ」は胸のすく爽快感に置き換わっているだろう。

「元過激派」世代のひと世代後の作者だからこそ、ごくシンプルに素材を素材として存分に使いこなし、人間味あふれる痛快パロディーが生まれたのだと、まさしく当該世代の読者を納得させるに違いない。

いろんな感慨はちょっと横へ置いといて、頭を単純にして、ストーリー展開を楽しめばいいではないか。

時は確実に流れるのだ。
流れ流れて、時代の正しさと誤謬も沈んで川底に消失したり、浮いて瀬に乗り大海へたどり着いたりするのかもしれないと、つくづく…



記: 2007-09-21