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敬愛なる ベートーヴェン 来日監督インタビュー

踊りを禁じられた国に生まれた姫の悲しい恋を描いた『オーロラ』。主演女優のマルゴ・シャトリエと監督のニルス・タヴェルニエが来日し、作品への思いを語りました。
敬愛なる ベートーヴェンメインイメージ

≪ニルス・タヴェルニエへのインタビュー≫
Q: 王が踊りを禁じたことによってこの物語はできあがっていますが、それは社会に対する何らかのメッセージなのでしょうか?

監督:
確かに、この映画は個人の自由、自由裁量に対するテーマを扱っています。
少し穿った見方をすれば、ある登場人物の死は、自分がいちばん大事だった情熱を諦めてしまうからとも解釈できます。
それと同時に、社会における女性の地位にも考察を促している作品でもあります。子どもたちが自分で決める将来についても、両親が望んだ道を結局は進まない。同時に、王を通して、人間が持つジレンマのような愛情と分別、権力、そういうものに引き裂かれる人間というものを描いているんです。


Q: 王が他人を支配しようとすることによって生まれた悲しみや、ファンタジーというジャンルを超えたメッセージ性を含んだ素晴らしい作品だと思いました。

監督:
王自身はとても不幸なわけです。
国民を救うために娘を売らなければならない。でも自分のもとに本当は娘を置いておきたい。そういうジレンマのなかで葛藤して苦しんでいる人間の姿なんです。とっても人間的な人です。
本当は妻がダンスをするのを見たくてたまらないのですが、あまりにも妻が美しいので、ダンスをさせることによって彼女が自分のもとから離れていくのがあまりにも怖い。

だから、所有欲から彼女の情熱も閉じ込めてしまう。男性にありがちな傾向ですよね。人間を無理に閉じ込めようとすると必ず破綻がきますね。子どもにしても女性にしても、閉じ込めようとすると必ず無理がきます。


Q: 姫の恋人役、ニコラ・ル・リッシュの撮影時のエピソードがあったらお教えください。

監督:
だいたい、映画の撮影スタッフの男の子たちはマッチョな子たちが多いのです。ダンスも全然知らないような。
その子たちは「バレエってのはゲイの男の子たちが好きなものだ」と思ってるのに、ニコラが目の前で素晴らしい踊りを見せてくれたときに、そういう先入観を全部忘れ去って感動して見ていたんです。涙を流しながら。それを見ている僕自身、とても感動したんです。
男の人の肉体が動いているその美しさに見とれている技術スタッフたちがいて、それって素晴らしいことだな、と思ったんです。




少しの言葉で過敏に反応してしまう、とても繊細な感覚の持ち主でした。
そんな感受性の強い監督だからこそ、バレエで物語を表現するという、新ジャンルとも言えるスタイルを切り開くことができたのでしょう。





 ・監督:ニルス・タヴェルニエ
 ・出演:マルゴ・シャトリエ、ニコラ・ル・リッシュ、キャロル・ブーケ、
     フランソワ・ベルレアン、竹井豊
 ・公開:12月16日(土)、Bunkamuraル・シネマ、シャンテシネ
     他全国順次ロードショー
 ・公式サイト:http://www.aurore.jp
 ・ジャンル:洋画

 >>映画記事はこちら

(c)La Cinefacture/France 2 cinema-2006

記:林田久美子2006/12/12

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