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映画『サンシャイン 2057』主演、キリアン・マーフィー来日インタビュー

『28日後...』『麦の穂をゆらす風』『パニック・フライト』など、しっかりとした重みと質感のある作品に出演し続けているアイルランド出身俳優、キリアン・マーフィ。今回の『サンシャイン 2057』では宇宙船に乗り込んだ物理学者の主役を演じる彼に、作品について聞いてみた。

主演 キリアン・マーフィー

Q: 今までに様々な個性的な役を演じていますが、どういった基準で出演作を選ぶのでしょうか。

キリアン:
キリアン・マーフィー1僕は、選択に関してはとても慎重なんだ。まず、シナリオ。何がなんでも映画はシナリオだから。それと、自分の演じるキャラクターが今まで演じた役とかぶらないこと。リピートはしたくない。いかに新しい分野にチャレンジできるかということがポイントだね。それから、監督……と、そういう順番で決めているんです。


Q: 今回の役どころは、ご自身に似ていらっしゃいますか?

キリアン:
あんまりそういう比較はしないんだけど、自分と離れていればいるほど役者としては面白いです。僕がやったキャパという役は、僕自身と比べるととっても寡黙。それからあの勇気……とても僕にはないと思うよ(笑)。そういう意味では、僕自身とは違うキャラクターだね。


Q: 撮影中にいちばんエキサイトしたのはどんな部分でしたか?

キリアン:
映画『サンシャイン 2057』のワンシーン撮影中に息子(初めての子ども)が生まれたんだ! これがイチバンかな。人生で最大にエキサイティングなことだね。それから、無重力状態を経験したり、飛行機の操縦のシミュレーションをやったりとか、それは楽しかったよ。


Q: そもそも、なぜ役者になられたのでしょうか?

キリアン:
これはアクシデントといえばアクシデントなんだけど…。実は、最初はミュージシャンになろうと思っていたんだ。その傍ら法律を勉強したんだけど、法律はぜんぜん好きじゃなくて(笑)。そんな時期に、たまたま俳優に好奇心がわいて、役者としての勉強をしだしたんだ。それがとっても面白くなっちゃって、情熱を注ぎ始めてね。それからお芝居命! みたいになっちゃって、現在に至るんだ。


Q: 本作への出演は、役者人生としてどのような位置づけなのでしょうか。

キリアン:
その映画が自分のキャリアにどう影響を与えるかということは、ほとんど考えないよ。俳優としていかにチャレンジできるかということで作品を決めているから、未来に対する影響というのはあまり考えないね。


Q: 記者会見では『惑星ソラリス』がお好きとのことで、本作はその流れを汲む作品と言及されていましたが、本作をご覧になった感想をお聞かせください。

キリアン:
とても知的な映画だと思ったよ。『惑星ソラリス』のようなクラシックなSF作品は、知に訴える映画。観客を見下して説明するようなところはなくて、知的にチャレンジするような映画で、とてもいいと思ったよ。それから、太陽に行くって設定は今まであまりなかったけど、太陽があたかもひとりのキャラクターのように描かれているのがとても面白い発想だと思った。それに、今やCGI(computer graphics interface)使用は氾濫していて、グリーンスクリーンで撮るのが常でしょ? でもその境界をさらに超えて、ビジュアル的に新しい境地を開いたことはすごいと思うよ。そして、俳優のパフォーマンスも素晴らしかったしね。


Q: ≪ここからネタバレ≫太陽に近づくことによって、性善説であるとか性悪説であるとか、そうした人間の本性が浮き彫りになってくるような作品でしたよね。同じ使命を持って出発したにも関わらず、登場人物によっては対極の選択をしますよね。

キリアン:
映画『サンシャイン 2057』のワンシーン僕の解釈では、ある登場人物はファナティシズム(狂信)というか、ファンダメンタリスト(根本主義者、原理主義者)というか、極端なものを象徴している。そうした考え方は、宗教とか神とか、人間の信念に反する極限にあるものだよね。僕が演じたキャパはその2つの対極のなかにありつつ、太陽(星)のなかに新しい太陽(星)を作るというロジック、そして人間の進歩という、そういう立場をとっていて…そういう図式がこの映画で表されていると思うんだ。


Q: 仏教に中道という言葉がありますが、そんな感じでしょうか?

キリアン:
キリアン・マーフィー 2ある登場人物は、「太陽は神である」と言う。太陽は死ぬべき運命にあるんだから、死なせなきゃいけない。それとともに地球は死んでもいい。そういう定めなんだ、「我々はすべて星屑だから、星屑に戻らなきゃいけないんだ」というのが、その登場人物の考え方。でもキャパは、ありとあらゆるもの、すべてが星屑だという考え方なんだ。自分も何もかもが星屑で、すべてがまとまってひとつの宇宙というものを作るんだという……「太陽も究極的には星屑、人間も星屑。それらは絶えず回転し続けて、永遠に生き続ける」という考え方。その考え方はとてもスピリチュアルで、その登場人物の考え方との対比があるんじゃないかな。難しいけど(笑)。深遠なる話です。つまり、科学というもの……これは現に世界にある論争のひとつだけど、科学の領域というのはどこに線を引くかという問題があるよね。その先は科学じゃない(科学では解明できない)っていうところがあるじゃない?





 ・監督 ダニー・ボイル
 ・出演 キリアン・マーフィ、クリス・エヴァンス、ロース・バーン、
     ミシェル・ヨー、真田広之ほか
 ・公開 4月14日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショー
 ・公式サイト http://www.sunshine2057.jp
 ・ジャンル 洋画

(c)2007 Twentieth Century Fox.
記:林田久美子2007/03/29

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