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映画『オフサイド・ガールズ』監督来日インタビュー


林田: 劇中での「どうして女性は入っちゃいけないの?」という問いに、誰も答えられなかったですよね。

監督: 理由は誰もわかっていないから、誰も答えられないんですよね。27年間もこの法律が続いているのに。社会にはいろいろな法律がありますよね。例えば、赤信号では渡っちゃいけない。それは、渡ると危険だからという理由があることを皆知っていますよね。でも、理由がわからない、誰にも理解できない法律もある。それは本当は法律を変えなくちゃいけないんですよね。


林田: 本国では上映されないんですよね。こんなにいい作品なのに。

監督: 自分は皆に見て欲しかったんです、配給会社も決まっていましたし。でも海賊版が出回って(笑)、もうすでに多くの国民が見ているんです。


林田: 本当ですか(笑)。その感想は監督まで伝わってきていますか?

監督: ある日、家に男性から電話がかかってきたことがあります。「僕は医者ですが、あなたの映画をどうしても見たくて、申し訳ないが海賊版を買ってしまった。とにかくすごく感動したので、あなたに代金を支払いたい。振込口座を教えてくれないか」という内容だったんです。私は「困ります」と言ったのですが、「いやいや、どうしても受け取ってくれないと困る」と。なので"白いスカーフ"という人権擁護団体の口座番号を教えたんです。そしたら、そのお医者さんが振り込んでくれた額は、通常の映画チケットの500倍の額でした。ビックリしました(笑)。


林田: 監督自身は、この法律をどう思われますか?

監督: 正しいと思ってたら作ってなかった映画ですね。ただ、できるだけ判断を観客に任せて、状況だけを説明しようと思って作りました。そうじゃないとリアリティがなくなっちゃうから。海外も含め、この状況を知らなかったという人が多かったですし。


林田: 私も本作で初めて知りました。同じ人間なのに、女性だというだけでスタジアムに入れないなんて。

監督: 性の差別ですよね。


林田: 国の上層部の方が観て何かを思ってくれるといいですね。

監督: 観たとしても、変わらないでしょうね。地位や権力を手放したくはないでしょうから。


林田: 人間としてのあるべき方向に向かいますよう、祈っています。

監督: ありがとう。


監督の"人間を描く力"は半端じゃないです。ぜひ劇場でその力量に圧倒されてください!



 ・製作、編集、監督:ジャファル・パナヒ
 ・脚本:ジャファル・パナヒ、ジャドメヘル・ラスティン
 ・シマ・モバラク・シャヒ、サファル・サマンダール、シャイヤステ・イラニ、
  M.キェラバディ、イダ・サデギ、ゴルナズ・ファルマニ、マフナズ・ザビヒ、
  ナザニン・セディクジャザデ
 ・公開表記:9月1日(土)より、日比谷シャンテ シネほか全国順次ロードショー
 ・公式サイト:http://www.espace-sarou.co.jp/offside/
 ・ジャンル:洋画

記:林田久美子2007/07/02

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