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おもいでリスト」にエントリー確実、公開前の話題の映画。懐かしいシーンの掘り起こし。「独断と偏見」「愛と思い込み」をこめてお届け
『ブタがいた教室』TIFFでW受賞舞台挨拶!

平均年齢80歳のおじいちゃん&おばあちゃんのロック・コーラス隊のドキュメンタリー『ヤング@ハート』。2007年ロサンゼルス映画祭では国際映画部門の観客賞受賞、2008年アトランタ映画祭では観客賞受賞となるほか、「“老いること”に勇気を与えてくれる、かけがえのない作品(ニューヨーク・タイムズ紙)」、「どんな人も元気になる逸品! (ニューズウィーク誌)」、「今年、最も楽しませてくれる1本! (ニューヨーク・デーリーニューズ誌)」と各紙からも絶賛を浴びる本作。劇中でナレーションも務めるスティーヴン・ウォーカー監督が、作品への思いを語りました。



アメリカでは当初プリント数4本ではじまったところ、評判が評判を呼び212本まで増えたロングラン大ヒット作となったそうですが、そうなるとは予想されていらっしゃいましたか?
監督 いいや(笑)、思っていなかったよ。少ない上映数のときにも、観客がエキサイティングな反応をしてくれて、満員だったんだ。こうした映画を満員で観られるというのはとても楽しいことだよ。
劇中に音楽もあるしね。観客賞もたくさん頂いたし。アメリカ公開映画の中で、興行収入がトップ20に入るんじゃないか? とも言われているよ。ただ、僕はお金を貰っていないからわからないけどね(笑)。契約書のところでその部分は逃がしてしまったから、僕には入ってこないんだ(笑)。


ある登場人物が撮影中に亡くなりましたが、どう思われましたか?
監督 彼の訃報をメンバーたちが聞いたとき、僕は「彼らは次のステージで歌わないんじゃないか?」と思ったんだ。もうその時点で、この映画は終わったのかな、と。
けれど、彼らは歌うことを望んだ。そのとき僕は撮影にも関わっていて、コンサートの観客の顔をリアルに見ることができたんだけど、それはまるで、老人が子どもたちに子守唄を歌っているように思えた。観客の表情が如実に現れていたんだ。この表情はドキュメンタリーの特権で、通常の俳優には出せない表現だと思うんだ。


音楽がテーマでありながら、コアな音楽ファンではなく幅広い層から支持を受けているその理由はなんだとお考えですか?
監督 まず、それぞれの観客が、違う理由で反応してくれているよね。例えば音楽や個々の楽曲という側面だったり、それぞれのキャラクターの力強さだったり、ストーリーそのものだったり。普通の映画として観てもらえるような感動的な面もあるから入り込みやすいだろうし。観客自身の祖父母など、身近な人とのつながりを新たに見いだす役割も果たしているよね。近親者を亡くした痛手を和らげる力を、この映画は持っているかもしれない。
メンバーたちが劇中で語る“死”についてのことはとっても力強いし、死に対して不安や恐怖を持っていない。前に進むことだけを考えている。ある女性メンバーが「私が死んだら、虹に腰かけてあなたたちを見ている」というけれど、それはとてもパワフルだよね。ユーモアやメッセージ性の強さというものが、この映画にはあるんだ。


初めてこのコーラスグループに出会ったとき、どう思われましたか? 彼らとの出会いで、監督ご自身が変わられた部分はありますか?
監督 最初はヒドイ(笑)ものを想像していて行く気がなかったんだけど、実際に聞いてみたらとんでもなく素晴らしかった。
カバーソングでありながらアレンジもしっかりしていて、僕が知っている曲もより素敵に聞こえたよ。メンバーのエネルギーもスゴかったし、観客の反応もとてもよかった。いろんな年代の人たちがそのコンサートを楽しんでいたしね。このステージで世界中を回っている彼らというのは、どういう人たちだろう? とガゼン興味が湧いてきてね。そして公演のあとで彼らと話をして、それぞれのパーソナリティというものがハッキリわかったんだ。とても素敵な人たちだった。それがこの企画の始まりだったんだよ。

年を取ることについて語る、というのがこの映画のテーマだけど、それは実際には多くの人が忌み嫌うものだよね。病気や死について語ることだから。アメリカやイギリスでは、老人についてあまりいい描かれ方をしていないと思う。若者世代に対しては集中的に描かれているんだけどね。だからこの映画を作りたかった。そして「生きることの大切さ」を僕は彼らから学んだよ。死ぬまで好きなことをやる、最後まで歌い続けること。両手で人生をつかんで、離さずに生きること。僕は敢えて意図的にメッセージを込めようとはしなかった。自ずと、そのメッセージはスクリーンからクッキリとにじみ出るものだからね。
僕がこの映画から学んだことは、もしかしたらもっとあとになってから初めてわかるのかもしれない。僕が年を取って、彼らと同じ年齢になったころにね。映画作家としてよりも、人間として初めてそのときに反応できるのかもね。




 ・監督:スティーヴン・ウォーカー
 ・出演:アイリーン・ホール(93歳)、スタン・ゴールドマン(75歳)、
     フレッド・ニトル(80歳)、ドラ・モロー(83歳)、
     ボブ・シルマン(53歳、指揮者)
 ・公開:11月8日(土)、シネカノン有楽町2丁目、
     渋谷シネ・アミューズ他にて全国公開
 ・公式サイト:http://youngatheart.jp/
 ・配給:日活
 ・ジャンル:洋画


(C) 2008 Walker George Films (Young at Heart) Limited.
記:林田久美子2008/11/07

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