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ハンティング・パーティー

社会派作品というものは多々ある。が、大概の場合それらは、シリアスなテイストで描き出されるものが大半だ。扱っているテーマがテーマなのだから、当然といえば当然であろう。だが本作は、そういった一般的な傾向とは全く趣を異にする。適宜なユーモア…否、ある種一線を超えてしまったかのユーモアを随所に散りばめ、ボスニア紛争などの社会的背景があまりピンと来ない世代にも充分に楽しめるエンターテイメント大作となっている。しかも見終わったあとには、その世界的問題を否が応でも知りたくなってしまうというのだから、娯楽作品としての完成度に加え、観衆に問題を喚起するという社会派映画としての目的も充分に達しうる、パーフェクトな傑作なのだ。

時は2000年、サラエボ。かつては花形戦場リポーターとして活躍していながら、ある出来事をきっかけに各局から干されてしまったサイモン(リチャード・ギア)。当時、彼のパートナーとして共に戦火を潜り抜けていたが、大出世の結果、現在は現場からは離れてホワイトカラーと化している元戦場カメラマンのダック(テレンス・ハワード)。そして、なんとか自分も先輩たちの仲間入りを果たし、イッパシのオトナになりたい一心の新米TVプロデューサーのベン(ジェシー・アイゼンバーグ)。この3人の目的は、戦争犯罪人ラドヴァン・カラジッチ(通称・フォックス)を生け捕ることだった…。

今回はキャスティングもまた素晴らしい。恋愛映画の名手として名高いリチャード・ギアが、本作では“ちょいワル”どころか“もろワル”オヤジとなって、泥だらけの戦場を駆け巡る。その相棒のカメラマンを演じるのはテレンス・ハワード。『ハッスル&フロウ』では主演男優賞部門でアカデミー賞など各賞へのノミネートを果たし、自身が歌った同名タイトルでは放送映画批評家協会賞の歌曲賞を獲得するほか、俳優業以外にもピアノとギターを弾きこなし、作曲家として楽曲提供も行うなど音楽的にも才能あふれる彼が、本作では弾き語りシーンをさりげなく披露している。

本作を観終わったあと、各人の心の中に「なぜ? どうして?」という疑念が沸々とわいてくるだろう。先にも述べたが、それこそが本作の狙いでもあり、映画という媒体を借りた壮大な“報道”そのものでもあるのだ。ポリティカル・ストーリーとしての真骨頂を、ぜひ劇場で体感していただきたい。

ハンティング・パーティ -CIAの陰謀-(DVD)
原作:リチャード・シェパード
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア /テレンス・ハワード /ジェシー・アイゼンバーグ
ジャンル:洋画
公式サイト:http://www.huntingparty.jp/index.html

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エンタメ シネマピア   記:  2008 / 05 / 02

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