シネマピア

127時間

20110615picm.jpgスラムドッグ$ミリオネア 』でアカデミー賞を受賞したダニー・ボイルが、またやってくれた。127時間もの間、断崖に右腕を挟まれ動けないでいた青年の、実体験に基づく物語。絶望が希望へと変わるその瞬間を、大いなる感動の嵐が包みこむ。

2003年、いつものように一人でユタ州のブルー・ジョン・キャニオンへと向かうアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)。まるで自分の庭のように慣れ親しんだこの遊び場で、週末のクライミングを楽しむのだ。女子たちが迷っていれば自ら進んでガイドを申し出るなど、いつものように余裕をカマしていた彼だったが、落石とともに谷底に落ちてしまい……。

20110615pic1.jpg登場人物はほぼ一人だ。しかも、その場から動くことができない。どう考えても単調に映りそうなこの構図。だが、回顧と妄想と希望と幻覚が入り乱れた映像とメリハリのある音楽によって、見事にそれを回避している。また、南米系と北欧系の映像を撮る二人の撮影監督による映像を効果的に編集していることも、躍動的な映像に仕上がった大きな要因だろう。蛇口からポタポタと落ちる水滴なども、アーロンのテキトーな性格を表しており、見事。スパイダーマンの親友役を演じた経歴も持つ、ジェームズ・フランコによる鬼気迫る演技も圧巻だ。

結末はひとつしかないはずなのに、その結末を迎えるまでの時間が恐ろしくもあり、また、逆にそれを前倒しにできないものかと焦ってもしまう。アーロンがそれを成した瞬間……それはおぞましいことであるが、同時にアーロンの「生」を確約する瞬間だ。人間関係が込み入ったドラマでも結末を推理し続けるミステリーでもなく、ただただ真っ直ぐに伸びるストーリーが終焉を迎えようとするとき、えもいわれぬ感動が押し寄せる。それは、動物的な「生」への本能が呼び寄せる、混じりけのない純粋な願いからくるものなのだろう。

思えば、「執着を断つ」という命題は古今東西の偉人が教えてきた根源的な問いだ。「人々の共感を呼んだのは、みんな、それぞれの“岩”から抜け出したいからなんだ」と、インタビューでアーロンは答える。自分にとっての“岩”とは何か? 何を捨てて何を取るべきか? シンプルな、だが劇的なストーリーは、かくも深い問いを我々の心に投げかけてくれる。


監督:ダニー・ボイル
脚本:ダニー・ボイル&サイモン・ビューフォイ
出演:ジェームズ・フランコ
配給:20世紀フォックス映画×ギャガ(宣伝)
公開:6月18日(土)、TOHOシネマズ シャンテ/シネクイント他 全国ロードショー
公式HP:http://127movie.gaga.ne.jp/

© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX















エンタメ シネマピア   記:  2011 / 06 / 16

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