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009 RE:CYBORG

20121025cpicm.jpg故・石ノ森章太郎によるSFサイボーグ漫画の原点『サイボーグ009 』。今なお多くのファンを魅了してやまない未完の大傑作を、『攻殻機動隊 S.A.C. 』『東のエデン 』の神山健治監督が完全オリジナルストーリーで映画化。各キャラ外見は神山風スタイリッシュに刷新され、新技術の3D映像は原作を知らない若い世代でも充分に楽しめる仕上がりとなっている。

20121025cpic1.jpg2013年。世界各地の大都市の高層ビルが、爆破によって次々と崩壊していく。これらの無差別テロは、犯人は見つかるものの首謀者は不明で、世界中が不安とパニックに陥っていた。六本木のマンションで高校生として暮らす島村ジョーこと009は、過去の記憶を消して高校生活を送っていたが……。

「驚異のセルルック3D技術」との謳い文句のとおり、3D映像は素晴らしい。鑑賞後の目の痛みや疲れといったものをまったく感じなかった。今まで鑑賞した3D作品の中ではいちばん自然で、飛び出す絵本のような違和感も皆無だ。キャラたちが世界中を文字通り「飛び」回るスケール感の大きさを、存分に表現しきっている。また、その3Dで表現されるアクションシーンやキャラの超能力シーンは、メチャメチャかっこいい。これはこれだけでも一見の価値がある。劇場でしか味わえない迫力の臨場感なので、DVDが出てから自宅で……ではなく、大画面の3Dスクリーンでの鑑賞をお薦めする次第だ。

ストーリーはといえば、全編が壮大なる詩編のようだ。世界観は高尚で、映像もスタイリッシュでクール。シーンのひとつひとつが目を見張るほど美しい。だが、それはまさに詩のようで、行と行の間には大きな開きがあり、一度観ただけで理解できる人はほんの少数だろう。否、理解することが必要なのではなく、ただ世界観を感じることができればそれが監督の意図するところなのかもしれない。

ジョーは普通と違う高校生だったという設定なのに高校生活の描写は皆無で人間関係の苦悩もなく、サイボーグ覚醒後と高校生時分の心境の乖離で苦しむこともなく、伏線はほとんど回収されておらず、あそこで銃を向けるのはなんだか唐突だし、すんごいものが発射されるのに国際問題にもならず、肝心のラストは「?」マークだけが脳内を支配する。
エンドロール後に現れるあるものも、それらの疑問を解決してくれるものではない。原作を知っていればわかる代物なのか……と思いきや、本作はオリジナルの脚本だからそういうわけでもないらしい。知りたい欲求は肥大するばかりで、鑑賞後もストーリーを思い出してはパズルをつなぎ合わせようとするのだが、どうにもこうにも上手くハマってくれない。だからずっとずっと何日も、「もしかしてあれってアセンションのこと?」等々、気が付けば本作のことを考えてしまう。……どうやら私は監督の術中にまんまとハマったのかもしれない。


原作:石ノ森章太郎
監督・脚本:神山健治
声の出演:宮野真守/斎藤千和/小野大輔/玉川砂記子/大川透/丹沢晃之/増岡太郎/吉野裕行/杉山紀彰
配給:Production I.G/ティ・ジョイ
公開:10月27日(土)、全国公開
公式HP:http://009.ph9.jp/
 

©2012「009 RE:CYBORG」製作委員会















エンタメ シネマピア   記:  2012 / 10 / 25

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