シネマピア

猿の惑星:新世紀(ライジング)

20140915cpicm.jpgついに猿と人類の決戦の火蓋が切られた…!前作『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』から3年。あれから更に進化した猿たち、そしてすでに地球の支配者ではなくなってしまった人類。たったひとつのボタンのかけ違いから起こる複雑なドラマ性が高く評価され、全米興行成績は2週連続でトップとなったほか、評論家によるレビューサイト「ロッテントマト」でも91%の高評価。猿と人類、それぞれの善と悪が拮抗し、向かう先の未来とは……。

高度な知能を得た猿のシーザー(アンディ・サーキス)が、仲間を率いて森で暮らすようになってから10年。火を使い、馬に乗り、コミューンを形成して文明的にも目覚ましい進化を遂げながらも、平穏に暮らしていた彼ら。だが一方、人類は絶滅の危機に瀕し、生き残りへの道を模索していた。猿も人類も互いの末路を知らず、それぞれが遠く離れた場所で暮らしていたある日、その均衡が突如として破られる……。

20140915cpic_a.jpg実は、公式サイトでも触れられている本作のあらすじ自体に、前作のネタバレが含まれている。私はネタバレ撲滅主義者なので、先ほど書いたあらすじはネタバレ部分にまったく触れていない。前作を知っていないと感動が半減するシーンも含まれているので、せひ、前作を観てからの鑑賞をお薦めする。

前作がシーザーの誕生と猿たちの独立までを描いた「始まりの書」なのに対し、本作では人類が脇役で猿が主役である。スクリーン上で猿が占める割合も、ドラマに当てられた焦点も、今回は圧倒的に猿の物語が主軸なのであり、皆から尊敬を受ける主人公も猿、悪役も猿だ。その猿であるが、言語を話し、武器を使い、派閥争いをし、欲を深め…と極めて人間くさい。否、人間そのものだ。そして、知性を持つとは結局こういうことということをその猿が体現する。過去に受けてきた愛や攻撃、その他様々な出来事がその後の自分自身の性格を形成し、経験こそがすべての判断基準となる。今回悪役に扮する猿も、前作で人間に虐げられたからこそ人類に恨みを抱いているのだ。主人公のシーザーも、もし前作で愛情を注がれずに育ったのなら、本作では間違いなく悪役側に回っていただろう。

脇役の人間側にも猿を嫌う理由とドラマがあり、逆に猿に共存の希望を見出す理由もある。複雑なドラマが絡まりあうにも関わらず、それらがすべて自然に流れていき、どこかでスクリーンの外に引き戻されることもない秀逸な脚本だ。強いていえば、原発の説明がまるで冷蔵庫が壊れたぐらいの軽さでサラッと言われたことぐらいか。演出面でも、今回は資金も時間も潤沢にあったのだろう。同監督の『モールス』で見られたCGのカクカクさはないので安心だ。

本作が優れているのは、恐らくすべての戦争がこのようにして生まれてしまうのだという、その要因を垣間見せてくれることだ。それぞれに正当性があり、それぞれに言い分がある。そして皆、自分たちに危害を加えた者への憎しみを、その者個人ではなく、その者が所属する集団へと向ける。事実、現在この地球のどこかで行われている国同士のいがみ合いもそうだ。我々の先祖はかの国に危害を与えたのだろうが、私もこれを読んでいるあなたも、かの国の誰かに直接危害を与えたことはないはずだ。某国で日常茶飯事に行われている著作権侵害にしたところで、同じ某国民のなかにそれを恥じる良識人もいる。だが、憎悪は個人ではなく集団に向けられてしまう。十把一絡げに、「あの国は嫌い、憎い」とレッテルを貼る。そうした人間の心理を、集団での争いへと走る悪しき性というものを、本作は如実に示しているのである。


監督:マット・リーヴス
脚本:マーク・ボンバック
出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン、ケリー・ッセル
配給:20世紀フォックス映画
公開:9月19日(金)、TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-r/ 

©2014 Twentieth Century Fox
 















エンタメ シネマピア   記:  2014 / 09 / 18

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