はいコチラ、酔っぱライ部

かわいいシラタキ

2012 / 12 / 04

先日の帰宅途中。
到着した電車に乗り込んで進行方向右側、閉まっているドアに向かって立ち、外に見える反対側のホームを行き交う人の流れをぼんやり眺めながら発車を待っていた。

右側には手編みと思しきザックリとした白い毛糸のマフラーを襟元に巻いて身長160cmくらいの女子高生(以下「白」)が、やはりドアのガラス窓の先で電車を待つ人々を見つめながら立っている。
発車のベルが鳴り終わる間際、駆け込み乗車で乗ってきた女子高生(以下「駆」)、有無を言わさず件の右側に立つ女子高生に後ろから体でアタック、ドン!

白:(驚く様子もなく振り向きざま)あー久しぶりー
駆:久しぶりー
白:3月以来だっけー

つまり二人は高校一年生、中学校同級生が卒業以来初めて会ったらしい、ということがこの三言で判明する。「言葉ってスゴイ」と思いの外、さらにおどろいたのはこれに続く会話だった。

駆:なにそのマフラー、後ろから見たら「シラタキ」かと思ったー
白:ひどーい

「シラタキ」。人のマフラーを唐突に「シラタキ」呼ばわり。
それを怒る風でもなくニコニコと進む会話。なんだこれは。

d20121204_pic2.jpg
シラタキが入っても美味しい「豚豆腐」。
レシピは毎度の後半で
思うに「駆」は「すき焼きにはきちんとシラタキを入れる」ような年配者のいる家族の間で育ったのであろう。
思うに「白」も中学生時代は「駆」のそういった言を「当然」と受け入れるようなそんな二人の間柄だったのであろう。
この場合、けしてJKなどといった今様の単語は使いたくない、微笑ましくもなにやら女子高生同士の深遠にしてカワイイ人間模様を見た気がした瞬間である。
寒さの続くとある冬の日の夕まぐれ、なにか少し心和むような気分になったオッサンでした。

話変わって落語。いつも足を運ぶ落語会で聴いた三遊亭小遊三師匠の「六尺棒」がとてもよかったという話題。やっぱり江戸弁っていいもんですね。

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僕は「江戸弁」のいい口調で高座を務める噺家さんが本当に好きで、小遊三師匠もそのひとり。巻き舌で繰り出される気っ風の良さがたまらない。

そんな江戸弁が耳に心地いい高座、これまでにもたくさん聴きました。
思いつくままあげると、正朝師匠「祇園祭」、一朝師匠「大工調べ」の胸の空くようないい啖呵、また逆に小満ん師匠「二階ぞめき」や扇橋師匠「弥次郎」のゆったりとした江戸弁、どれも客席に座ったままいつまでも聴いていたい、そんな風に思わせる高座です。

先代の柳朝師匠の江戸弁も見事。
【五代目春風亭柳朝「宿屋の仇討」】
(若干音声が悪いですが、江戸弁の気持ちの良さはよくわかります)




啖呵に胸の空く志ん朝師匠「大工調べ」の言い立て。
【古今亭志ん朝「大工調べ」↓埋め込めないのでこちらをクリック!】
https://www.youtube.com/watch?v=0OIRlB39Jic

その日は昨年亡くなられた談志師匠の命日近くということで師匠から稽古をつけてもらったという「六尺棒」をかけた小遊三師匠。生前の談志師匠にまつわる思い出と、この噺の稽古をつけてもらうまでの経緯(いきさつ)を枕に、クルクルとよく舌が回ってざっかけのない「耳が嬉しくなる」江戸弁を聴かせてくれました。

そういえば今年87、昭和初年生まれの母も美容院のことを「髪結いさん」(カミイサン)なんて呼んでました。子供のころからそれを聞いていた影響か、僕も未だに「カミイサン」とたまに言って「これも江戸弁だったか」と知るのはあとの話。「べらんめぇ」には話せないけれど、単語としての「江戸弁」はその影響を受けているわけで。

ここ東京でも無闇に「関西弁(のようなもの)」が使われるようになっている昨今、落語の中だけでもそんな文化が残ればいいなぁと思うのは自分が東京生まれのせいでしょう。
聞けばこの東京で使われている「関西弁もどき」もあちらの方が聞くとずいぶん気持ちの悪いものらしい由。つい自分でも使ってしまう「アホか」や「ちゃうちゃう」の代わりに「すっとこどっこい」や「べらぼうめ!」を使いたいと思った、そんな夜でした。

ところでこういうツールがあるのをご存じか。
文書変換ツール「江戸っ子」

江戸弁に変換してくれる。いくつか試しにやってみたけれど、あまり上手く行かなかった。元の文章を選ぶのにコツがあるみたいですね。暇つぶしにはいいかもしれません。ものすごく暇なとき、あるいは大掃除や年賀状書きに疲れたときにお試しを(笑)。

d20121204_pic1.jpgてなわけで今回もここまで。
寒い日の続く、そんな夜には「ちきしょうベラボウめ」といいながら熱々の「豚豆腐」で熱燗をGO。シラタキを入れてもグー(笑)。

【Panjaめも】
●こちら小遊三師匠が教わったという談志師匠の「六尺棒

●「江戸っ子」のホームへ行くと
若旦那変換ツール「すんちゃん
花魁変換ツール「浦里
なんてのもあります。「すんちゃん」、けっこうおもしろいです(笑)

●私、あの「まぐまぐ」でメールマガジンを始めました
モリモト・パンジャのおいしい遊び
こちらでサンプル版もご覧になれます。
登録申込当月分の1カ月は無料でお読みいただけますので、どうぞよろしゅう
morimoto_mailmaga.jpg
 

 











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