はいコチラ、酔っぱライ部

改変で大変

2013 / 03 / 12

先日、とある落語会にかける演目について、高座に上がる噺家さんから相談事を持ちかけられた。出演するのは3人で、当初決まっていたのが「竹の水仙」、「酢豆腐」、「青菜」。それぞれがやりたい演目を持ち寄った結果なのだがこれではマズイという。というのも「酢豆腐」と「青菜」が両方とも「食べ物」の噺でそれが「ぶつかる」というのである。それは避けなければいけないことなのだ、と。

たとえば「穴泥」と「転宅」(両方とも「泥棒」の噺)、「明烏」と「湯屋番」(どちらも「若旦那」の噺)などの組み合わせなどがそれにあたるそうで、ひとつの落語会(あるいは寄席の高座でも同じ)で演目の「主題」が「かぶる」ことを俗に「噺がつく」といって、避ける習慣があるらしい。ようするに「短い時間の中に同じような出てくることでお客さんが飽きてしまってはイケナイ」という主催者および出演者側の配慮なのだろう。

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今回は「のし烏賊の醤油バター炒め」をどうぞ。
のし烏賊ってのがポイント。レシピは下をどうぞ

けっきょく「青菜」を出した噺家さんが「蜘蛛駕籠」を演ることになって一件は落着。その落語会のチラシをデザインしている関係でそういう事態に遭遇したわけだが、そういった習慣があることは話としては知っていても、一般のごく普通の落語ファンとしてはあまり経験できない場面で、なかなかおもしろかった。

そういえば僕も「酔っぱライ部」を書いているうち、知らず知らず「落語ネタ」、「歌舞伎(芝居)ネタ」、「本(読書)ネタ」、「音楽ネタ」、「時事ネタ」などという風に話題をカテゴリー別にわけていて、なるべく同じ話題が2回続かないようにしているけれど、これもこの落語会で行われている習慣と同じことなのかもしれない。

いずれにせよ一般的に言って「コンテンツを提供する側」は読者(あるいは視聴者や観客)をなるべく飽きさせないようにする努力が必要と考えられていて、たとえばテレビやラジオの「番組改編」が定期的に行なわれるのも同じ目的だろう。

そんなわけで毎年この時期、ラジオ・テレビの番組が終わったり始まったりして、なかなか賑やかだが、こういったメディアのコンテンツに限って言えば「始まりは終わりの始まり」という側面もあることで、いつものこと、と受け手の側に惜別の思いはあっても受け入れるのが通例だ。

だが、そういうわけにはいかない「改変」もある。交通機関のシステム改変である。
 

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この連載をどれくらいの人が読んでくれているのか、あるいはどこに住んでいる方々に読んでいただいているのか、まったく知る術もないけれど、今回書こうとしているのは東京に暮らす僕が、日常生活でひんぱんに利用する東急東横線が東京メトロ副都心線の「相互乗り入れ開始」による変化についてである。

だからぜんぜん違う土地に住んで読んでくだすっている方にはちょっとチンプンカンプンなことだったり「特に興味のないこと」だったりするかもしれませんがカンベンね。だってホントにスゴイ大改変なんだもの。移動のルートがまったく変わってしまうほど大きな変化なんですよ。ビックリだ。

変わるところはいくつかあって、ダイヤが改正されるのはもちろんのこと、これまでの8両編成が10両編成になったり(特急・急行のみ。各駅停車は従来通り)といろいろと細かく変わるのだが、もっとも大きいのはやはりなんと言っても「東急東横線渋谷駅の地下化」だ。

これまでグランドレベルから1フロア上がった高架上にあった渋谷駅は現在副都心線が発着している地下5階(!)に移り、東横線はそこで副都心線と接続する。したがって副都心線が向かう新宿・池袋方面への移動が非常にスムーズになるわけで、そこが今回の改変の眼目である。

しかし一方、これまで渋谷駅に到着して階段をワンフロア分上下すれば乗り換えることのできたJRと東京メトロ銀座線へのアクセスが今とは段違いに悪くなる。

この変化は以前、東横線横浜駅が地下化されたときに起きた変化と同様の現象で、今も東横線横浜駅からJR・京急の横浜駅への乗り換えはたいへん手間がかかる。アレと同じ類の変化になると思われる。

銀座線へは東横(副都心)渋谷駅からワンフロア上がって半蔵門線を利用し、ひと駅乗れば表参道で乗り換えることができるのだが、渋谷から乗り換えて代々木・新宿経由でしか行けない中央線・総武線へのアクセスはどうしても4フロア上がって明治通りを渡り、JRの改札を抜けてさらにもうワンフロア上がって山手線を利用することになる。

そのまま副都心線で新宿(ていうか三丁目)や池袋(というより西池袋)まで行ったとしても、それらの駅からJRへのアクセスはお世辞にもいいとは言えず、JRを利用することの多い僕にとって、この点では今のところ利便性は悪化するとしか思えない。じっさい開通して体験してみないと何とも言えないけれど、場合によっては別のルートを取ることを考えざるを得ない印象で、今からちょっと気が重い。

とは言っても、こうなってしまうとテレビ・ラジオの番組改編と同じで、もう「いかようにもがけどもせんなかるまいに」的な状況、どう文句を言ったところで東横線渋谷駅が現状のまま運行されることはあり得ないのだから、変化を受け入れるしかない。

まぁ人の流れが変わればまた別のもっと面白いことだってあるかもしれない、新しくできた空間がオモシロイ場所になるかも知れない、と変化を受容した上で面白がってしまった方が勝ち(いや、勝ち負けでないとは思いますが)。とりあえずお手並み拝見と行きましょう。

昨今では「お別れ」になることが決定している東横渋谷駅をカメラに納めようとする人も多く見られて「いよいよだなぁ」と思うこともしばしば。こうなればこの「駅の消滅」もひとつの「ライブ」として楽しみましょう。でも当日はものすごい人だろうな。ちょっと近づけそうもないかしらん。

とりあえず先日、東横線渋谷駅の脇にある居酒屋や、東急東横店の中にある文具店「伊東屋」、さらにその近くの「立ち食いそば」の店舗へ行って「営業続行」の言質は取ってきた。

文房具買ったり立ち食い蕎麦を食べるためだけでも渋谷で乗り換えること、がんばってみようと思う次第。以上をもって「東横線渋谷駅地下化」へ向けての生活順応の所信表明とさせていただきます。

そういえば中学生のころ、大好きだった人形劇「ひょっこりひょうたん島」が終了すると聞いて署名集めたことがあったなぁ。けっきょくあまり集まらず嘆願書を送ることもなかったけど、オレってそういう「惜別の心」が昔からあったんだろうか。でも今嘆願書作るとしたら環状八号線をカバーする電車「通称・エイトライナー」の実現だな。もっとももし実現しても完成まで生きていられるかどうかわからないけど。

d20130312_pic1.jpgというわけで今回のかんたんレシピはそんな改変の夜にふさわしくチョイと変わった「のし烏賊の醤油バター炒め」。「カイヘン」じゃなくて「烏賊変」とかいう洒落ではありません。こちらをつつきながらテレビで中継されるかも知れない駅の終焉でも見物しながら日本酒を。生の烏賊を使ったものとはまた別の味わいで、あんがい旨い。ぜひお試しを。

【Panjaめも】
渋谷駅構内図(PDF)

東急からのリリース

渋谷駅のレール売るんだって

●ところで冒頭の落語会。一応こちらがチラシになっております。
市馬師匠の高座も聴けてお得♪ ご興味ありましたらぜひ足をお運びくださいませ

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