ikkieの音楽総研

第189回 俺らの音楽編 ―― 耳コピのすすめ

2017 / 08 / 01

前回お知らせさせてもらった通り、8/11(金)に出口雅之 さんのバンドでギターを弾くことになりました。出口さんと一緒にやるのは13年ぶりかなあ。皆さんぜひぜひ観に来てくださいね! 今回のライヴではカバーソングを演奏する予定なんだけど、なかなか手強い曲もあってコピーが大変でした。でも、難しいフレーズの解析が出来たときは嬉しいんだよねー。さて、今日はいつもの音楽総研とは少し毛色の違うおはなしを。題して「耳コピのすすめ」! 最近はYouTubeなんかで気軽に奏法解説が見られるけど、ギターの上達のためには、今も昔も耳コピが必要なんじゃないかな、と個人的には思っています。

耳コピとはなんぞや? という方もいらっしゃるかと思うので、念のために解説をしておくと、自分以外の人が書いた曲を再現することを「コピー」といいまして、楽譜を見ずにコピーすることを「耳コピ」といいます。耳で聴いてコピーする、ってことね。クラシックで言うところの「聴音」ですな。そして、アマチュアバンドなんかで自分達で作曲をせず、既存の曲だけを演奏するバンドをコピーバンドと呼んだりもします。最近はトリビュートバンド、なんていう呼び方もありますが、コピーバンドはもうちょっとカジュアルな感じかな。高校生が文化祭でONE OK ROCK のコピーバンドをやる、みたいな。ただ、自分達では曲を書かず、作曲家が書いた曲を演奏するプロのアーティストのことをコピーバンドとは呼ばないので、その辺はお間違いのないように。カバーとコピーの違いは明確にはないけど、コピーは原曲そのままで、アレンジを加えたものがカバー・・・・・・で、間違いないと思います。

で、なぜ耳コピが必要かというと、やっぱり耳が鍛えられるからです。ギターを演奏するには音感が良くないとね。ギターの上手い下手を判断する時に、難しいフレーズが弾ける、指が速く動く、なんてことがよく判断基準になるけど、そんなことよりもピッチ(音程)のほうがよっぽど重要。ピッチが悪いということは、つまり音痴なわけで、どんなに速く弾けても、音程が悪かったらその演奏は音楽的じゃないもの。早口言葉が得意だからといって、歌も上手いわけじゃないでしょ。もちろん、音程だけが重要なわけじゃないよ! リズム感や、感情表現のための演奏方法(アーティキュレーションともいいます)、いろんな要素がすべて揃って、ようやく良い演奏が出来るようになる。それは耳を鍛えることによって身に付くし、耳を鍛えるのは耳コピがいちばん! 音楽なんだし、やっぱり聴いて覚えることが重要なんだよね。

耳コピが出来るようになると音感が良くなってくるし、音程以外のことにも気が付くようになる。たとえば、ギターはピアノなんかとは違っていろんなポジションで同じ音が出る楽器なので、どのポジションで弾くかでかなりニュアンスが変わるんだけど、こっちのポジションで弾いているな、ってわかるようになるし、こうピックを当てているとか、リズムの微妙なタメなんかも手に取るようにわかるようになります。太い弦を使っているとか、弦高が高めだとか、ギターのセッティングまでわかったりするよ。ほんとだってば! そして、そうなってくると、自分がこのニュアンスを出すには、オリジナルと違ってもこう弾いたほうがいい、なんて意識も芽生えてくるわけだ。楽譜を見ることが悪いわけじゃないけど、楽譜を見ているだけじゃわからないこともたくさんある。それって、耳が悪いと気付かないんだよね。

『Livin’ on a Prayer』
ワタクシikkieによるBON JOVIのコピーです。
リッチー・サンボラとはちょっとポジションが違うところもあるけど……、
雰囲気は似せられたんじゃないでしょうか。
ちなみに、ドラムやキーボードも含めて全部耳コピね。
 


……なんて、偉そうに書いてきたけど、俺はある程度ギターが弾けるようになったらオリジナルの曲を作り始めたので、それ以降はあんまりコピーしなくなっておりまして……。それでも、自分なりのフレーズを作ったり、自分なりの演奏をすることだったりに磨きをかけていたから、演奏自体はそれなりに上手くなっていたと思うんだけど、コピーはあんまり得意じゃなくてねえ。ただ、プロアーティストのバンドでギターを弾くことになると、そのアーティストの曲をコピーしなきゃならないわけで、もの凄く苦労しました。4日間で20曲コピーしたりもしたよ。演歌歌手のバックなんかだと、その場で楽譜を渡されて、この通り弾いて、なんて言われることもあるらしいけど、俺の場合は楽譜をもらえないこともあったし、もらえてもコードだけ書いてあるとかでね。結局は耳コピするしかないわけですよ。あれでだいぶ鍛えられたなあ。

『Carrie』
こちらはEUROPEのコピー。
これは本家のポジションにかなり近付けたと思うんだけど、
思いっきりikkie節で弾いちゃったから、
ジョン・ノーラムっぽくはないねえ。
 


読者の方の中で、もしもプロのミュージシャンを目指している人がいるなら、とにかくたくさんコピーをすることをおススメします。耳も鍛えられるし、フレージングの幅も広がる。とくにバックバンドをやる場合には必須! たとえ初見で楽譜通りに演奏出来ても、耳コピが出来ないと仕事になりません。楽譜がなかったり、その場でアレンジが変わったりすることなんてザラだし、楽譜通りにしか弾けないと、そういう場合に対応出来ないからね……と、書いたところで今回はおしまい。もっと書きたいこともあるから、次回も続けちゃおう! お楽しみにー!


※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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