ikkieの音楽総研

第78回 ライヴレポート編 WHITESNAKE
――渋谷で観た素晴らしきステージ、素晴らしき観客

2013 / 05 / 14

5月6日、快晴のゴールデンウィーク最終日にWHITESNAKEのライヴを観に行ってきました! 会場は渋谷AXという大きめのライヴハウス。前回、スタンディングの会場でWHITESNAKEを観るという楽しみを知った俺は(後編はこちらへ)、「これは見逃がしてなるものか!」と鼻息を荒くしてチケットを取りましたよ。

定刻より5分程遅れて客席が暗転、THE WHOの『My Generation 』が大音量で流れると、スシ詰めのフロアから大合唱が起こる。登場前のSEから大合唱なんて、やっぱりHR/HMファンは素晴らしい……、なんてことを考えているうちにメンバーが登場! 前回も感じたけど、やっぱり近い。あのデイヴィッド・カヴァデールが、手の届きそうな距離にいる……! なぜかこの人の事になると感激屋になってしまう俺は、それだけでもう目頭が熱くなってしまった。そして、お馴染みの「Are You Ready !?」の雄叫びの後に始まったのは大ヒットソング『Give Me All Your Love 』。一曲目からフロアは大騒ぎ! 

whitesnake4.jpg俺はステージ上手寄りの7列目ぐらいにいたから、下手側のギターの音があんまり聴こえなかったものの、サウンドバランスは概ね良好。耳鳴りするほどの大音量ながら、それぞれのプレイがよく聴き取れた。デイヴィッドは高音が少しキツそうだけど、それでも前回より声が出ているのでは? 引き締まった体型も含めて(顔のシワは増えたけど)、今年62歳になるとはとても思えない。一曲目が終わると、間髪入れずに『Ready An' Willing 』。この日AXに集まったのは筋金入りのファンが多いのか、大ブレイク前のこの曲(代表曲だけどね)でのデイヴィッドの「ウタッテー!」にも、当然大合唱で応える。

その後、新旧三曲はさんで、「コージー・パウエル、メル・ギャレー、そしてジョン・ロードに捧げる……」との言葉の後に聴こえてきたキーボードのイントロには自分の耳を疑ってしまった。亡くなった三人がいた『Slide It In』アルバムの『Gambler 』! 初めて観た90年から来日の度にライヴを観てるけど、この曲を生で聴くのは初めて。地味な曲ではあるけど、男臭くて色っぽい、これぞWHITESNAKE! という隠れた名曲。残念ながらフルコーラスはやってくれなかったけど、それでも大満足! 俺はもう、泣けて、泣けて……。


『Gambler』 残念ながらメル・ギャレーは脱退後

最新アルバム収録の『Love Will Set You Free 』の後は、ダグ・アルドリッチとレブ・ビーチのギタリスト二人によるソロタイム。二人とも呆れるほど上手い。この二人の加入が決まった時は違和感があったけど(特にレブ)、二人とも、プレイスタイルはもちろん、ギタリストにしては控えめなのがWHITESNAKEには合ってるのかも。今となっては、もっと早くこの二人が加入していたらあの解散(90年に一度解散)はなかったのでは……と思ってしまうほど。『Steal Your Heart Away 』を挟んで、大ベテラン、トミー・アルドリッジのドラムソロ。毎度お馴染みの素手で叩くパフォーマンスに客席が沸く。トミーもデイヴィッドも60歳を過ぎているというのに、いまだ衰えぬこのパワー! そしてアコースティックバージョンでの『Ain't No Love In The Heart Of City 』、『Guilty Of Love 』。正直言ってエレクトリックバージョンで聴きたかったけど、音量が抑えられた分、デイヴィッドの歌が堪能出来たかも。

ほのぼのとしたアコースティックタイムから一転、重厚な『Forevermore 』、さらに『Fool For Your Loving 』、『Here I Go Again 』。問答無用の名曲が続いた時は、もうすぐ終わるのか……と気付いてしまい、寂しくなった。何度も観てるとね、パターンがわかっちゃって。それでも当然、飽きてしまうなんてことはない。何度聴いても新鮮だし、何度聴いても感動する……。そして案の定、本編が終了。当然、すぐにフロアからはアンコールを求める声が上がる。お約束だろうとなんだろうと、皆もっと聴きたいのだ!

アンコールにはやはりこれ、『Still Of The Night 』! 日本人にはちょっと難しい早口の歌詞だと思うけど、それでも歌の半分は観客が担当。この日のファンは素晴らしい! メンバーたちもその歌声には満足そうだ。タメにタメたエンディングでライヴは終了。1時間半ほどのライヴはあっという間だった。もっとやってほしい、あの曲をやらなかった……と不満はあっても、前回の記憶を大きく上回る、素晴らしい演奏と歌を聴かせてくれたからそれでいい。充分に堪能した! デイヴィッドのソウルフルな歌声はいまだ健在だ! ……でも、デイヴィッドはもう62歳なんだよね。またすぐ来てほしいと思いつつも、あんまり無理しないでね、なんて、ロックスターには似合わない言葉も頭に浮かんじゃいました。


新旧バランス良く並んだ今回のセットリスト。キーが高い曲はもうやらなくてもいいと思う。
  1 Give Me All Your Love
  2 Ready An' Willing
  3 Can You Hear The Wind Blow
  4 Don't Break My Heart Again
  5 Is This Love
  6 Gambler
  7 Love Will Set You Free ~ Guitar Solo
  8 Steal Your Heart Away ~ Drum Solo ~ Steal Your Heart Away
  9 Ain't No Love In The Heart Of City
10 Guilty Of Love
11 Forevermore
12 Fool For Your Loving
13 Here I Go Again

En1 Still Of The Night




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