ikkieの音楽総研

第102回 洋楽編 BADLANDS――不器用な男が残した貴重な"名盤"【ジェイク祭り開催中】

2014 / 04 / 15

今回は前回の予告通り、オジー・オズボーンのバンドを脱退後にジェイク・E・リーが結成したBADLANDSをご紹介! 春のジェイク祭り、継続中です。

オジーのバンドを辞めた後のジェイクは、音楽ビジネスに嫌気が差し、様々なビッグネームからの誘いにも返事をせず、何カ月かはギターも弾かずにいたという。そんなジェイクのニュースを久々に聞いたのは、ジェイクの大ファンだったというアン・ルイスのアルバム  に参加した時でした。アンはジェイクを攻略するために、まずジェイクのお母さんを懐柔。自身を「いい子よ」とジェイクに薦めさせるほどになり(笑)、めでたくジェイクはレコーディングに参加。そしてそのレコーディングと同じころ、ジェイクはようやく重い腰を上げ、元BLACK SABBATHのレイ・ギラン(Vo)らとBADLANDSを結成。89年にはアルバム  を発表する。実はレイからのオファーにもずっと応えていなかったというジェイクは、レイのお母さんから連絡があった時にさすがに申し訳なく思って返事をしたらしい。ジェイクと連絡が取りたかったら、お母さんを使うといいのかも(笑)。

Badlands.jpg
左から二番目がレイ・ギラン。
いちばん右端のエリック・シンガー(Dr)は、BADLANDS脱退後なんとKISSのメンバーに!
BADLANDSはオジーとはまったく違う70年代のブルーズロックを彷彿とさせるサウンドで、それまでのジェイクファンからの反応は賛否両論。ただ、『罪と罰  』にもかなりブルージーなプレイがあったし、ブルーズからの影響もよく口にしていたから、俺はそんなに意外じゃなかったんだけど。以前はオジーの好みに合わせて作曲していたというし、実はこっちがジェイクの本質だという声もあった。実際、オジー時代よりも伸び伸びとプレイしているような感じもしたしね。そしてこのバンドは、ジェイクだけではなくシンガーのレイも凄かった! 声域が広く、ブルージーかつソウルフルなレイのヴォーカルは、アメリカンなスローブルーズからLED ZEPPELINのようなドラマティックなハードロックまで難なくこなし、ジェイクのギターとも相性が良い。……ただし、BADLANDSは少々マニアックだったかもしれないなあ。


『High Wire』
デビューアルバムの1曲目。期待以上にカッコよくて嬉しかったなあ

当時のHR/HMシーンはブルージーなバンドが人気を集めていたとはいえ、BADLANDSには(同じくブルージーだった)CINDERELLAGREAT WHITE  のようなキャッチーさはなく、コマーシャルなサウンドを拒否するかのような姿勢は玄人受けが良かったものの、大きなヒットには結び付かず。それがまあ、ジェイクらしいといえばジェイクらしいし、俺はますますファンになったけど、オジー時代の華やかなジェイクを期待した向きには歓迎されなかったかな。ステージングも大人しくなっていて……、俺はBADLANDSのたった一度きりのジャパンツアーでライヴを観ているんだけど、夢にまで見た"生"ジェイクが直立不動だったのにはがっかりしたっけ。プレイは当然素晴らしく、ギターサウンドもいまだに耳に残っているほどなんだけど、あの華麗なステージングが観られなくて、やっぱり残念でした。でも、その後のアメリカツアーの映像を観ると結構動いてるんだよなあ。ジェイク、あれはいったいなんだったの? それにしても、あのツアー以降、まさか25年もライヴが観られないなんて思ってもみなかった。


『Devil’s Stomp』
この曲のリフは、オジー時代を含め、ジェイクが編み出したリフの中でもベストの一つだと思う

続く二作目  では前作よりはキャッチーな楽曲が増えたものの、少々古臭い音作りにさらに戸惑った人が多かったと思う。個人的には、楽曲は粒揃いだし、このアルバムが70年代に発表されていれば名盤として評価されていたんじゃないかと思ってるけど、91年の作品だしね。一般的には時代錯誤とされても仕方がなかったのかもしれない。結局、さほどヒットはせず、たった二枚のアルバムを残しただけでBADLANDSは解散してしまった。そして93年には、HIVに感染したレイが34歳という若さで帰らぬ人になってしまう……。確執もあったようだけど、ジェイクとレイの間には、オジーとの間よりも良いケミストリーがあったと思う。レイの死後に発表された三作目  はデモの域を越えていなかったけど、オジーファンにもアピールし得るキャッチーさを持ったハードロックだったし、これがすんなりと発表されていれば、その後のジェイクの沈黙はなかったんじゃないか。今さら何を言っても、時間は戻らないんだけどね。

どうにもツキが無いというか、不器用な人だと感じてしまうジェイク。頑固だとも、偏屈だとも言えるかもしれないけど、俺はそれだけジェイクが音楽に対して純粋なんだと思っている。そんなに売れなくてもいい、俺が信じた音楽を演るだけだよ、というような姿勢には大いに共感する。でも、ファンとしてはもう少し欲を出してもらって、日本にも何度も来られるぐらいは売れてほしい(苦笑)。俺自身もだけど、もっとたくさんの人にジェイクの音楽を聴いてもらいたいんだもの。そして、願わくはレイが遺した素晴らしい歌声ももっと……。


『Last Time』
BADLANDSにしてはかなりキャッチー。レイが歌うとブルージーだけど、LAメタルっぽさもあるね



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