ikkieの音楽総研

第118回 洋楽編 EUROPE――
存続? 脱退? 多種多様な評価が出来る希有なバンド

2014 / 11 / 25

いやー、毎日寒いですね。今年は暖冬だなんて天気予報で言ってたけど、今からこんなに寒くて本格的に冬になったらどうなることやら……。さて、今回の音楽総研はおそらく日本よりももっと寒いであろうスウェーデン出身のバンド、EUROPE をご紹介! 来年1月に2年振りの来日公演が決まっております。

europe.JPG EUROPEは83年にデビュー  、ジョーイ・テンペストの透明感のあるハイトーンヴォーカルが乗るメロディアスな楽曲と、ジョン・ノーラムのエモーショナルなギターでデビュー当時から本国やここ日本で人気を博し、86年発表のサードアルバム、『The Final Count Down  』の大ヒットにより世界中でブレイク。一躍世界的な人気バンドへの仲間入りを果たしました。バンド名は知らなかったとしても、勇壮なイントロが印象的な大ヒットシングル『The Final Count Down』は知っているって人も多いんじゃないかな。俺はその曲のヒットよりも前からEUROPEの事を知っていたんだけど、当時、なぜか彼らには垢抜けないイメージを持っていて、さほど興味がなくてねえ。北欧出身だからなのかメンバー達の頬が赤かったりして(笑)、あんまりカッコ良く思えなかったんだよね。スウェーデンのバンドだからってヨーロッパってバンド名はどうなのよ、とも思っていたし(ASIA  なんてバンドもいますが)。

それでも、サードアルバム『The Final Count Down』を聴いてEUROPEに対する印象がガラッと変わった。シングル曲の『The Final Count Down』は言わずもがな、それ以外の曲もメロディアスな佳曲ばかりだったし、何よりジョン・ノーラムのギターが物凄く俺好み! ゆったりした泣きのメロディと勢いのある速弾きとのバランスが良くてね。ストラトキャスターの生々しいサウンドも素晴らしかった。そしてすっかりジョンとEUROPEのファンになった俺は、以前の作品も改めて聴き直してみたんだけど、サードアルバムよりもハードかつドラマティックで(クサいとも言えるけど)、ヴォーカルメロディの叙情性もより高く、こちらのほうが断然好みでした。聴かず嫌いを反省……。初期のEUROPEの楽曲にはどこか物悲しく美しいメロディが多くて、そのメロディセンスはアメリカやイギリスのバンドとは明らかに違う。いわゆる“北欧メタル”サウンドだね。サードアルバムはかなり洗練されていたけど、北欧っぽさは薄まってしまったかもしれない。


『The Final Count Down』
言わずと知れた大名曲。
この頃のジョンのシングルコイルのストラトサウンドが大好きなんだけど、
これ以降はストラト弾いてないんだよね……

『The Final Count Down』はそれ以前の作品よりも完成度が高かったけども、オーバープロデュース気味とも言えるし、少々ソフトな印象もある。だからこそ世界中で大ヒットしたんだろうけど、それはロック度の低下にも繋がり、バンドのハードサウンド面を担っていたジョンが不満を覚えて脱退してしまう。後任にキー・マルセロを迎えて発表された『Out Of This World  』は、ジョーイのソウルフルなヴォーカルを前面に押し出したさらに洗練されたサウンドで間違いなく良いアルバムではあったけど、俺はアメリカナイズされてキャッチーというよりはポップになってしまったEUROPEに興味が無くなっちゃった。当時は俺だけじゃなくて、HR/HMファンからはちょっとナメられていたような記憶があるなあ。一般受けは良くなっていたはずだけど。一方、脱退したジョンは大きなヒットには恵まれなかったものの、ドン・ドッケンバンド  に参加したり、元DEEP PURPLEのグレン・ヒューズとアルバム(名盤!)  を作ったりするなどの玄人受けする活動をしていて、そのどちらでもジョンらしいプレイを披露、HR /HMファンの間で自身の株を上げた。成功し始めていたEUROPEから脱退してまで、音楽的充足感を選んだ(ように見えた)ジョンがとてもカッコ良く見えたっけ。


『Storm Wind』
セカンドアルバム収録。
どうにも垢抜けない感じはあるけど、そこがいいんだよね。
ジョンのギターはゲイリー・ムーア+リッチー・ブラックモアって感じ(笑)

その後も完成度の高い作品  を発表しながらも、サウンドの変化や折からのグランジブームのせいか、少しずつ人気が低迷していたEUROPEは92年に長期間の活動休止を発表する。メンバーはそれぞれがソロ活動を開始、長らくの間、事実上の解散状態に。しかし、99年のジョンとキーのツインギター体制という一度きりの再結成を経て、04年には『The Final Count Down』発表当時のメンバーで完全復活を果たす(ギタリストはジョン一人)。それ以降は順調にアルバムを発表、現在に至っています。再結成後のアルバム  も良いんだよね。ただ、EUROPEらしさを保ちつつも、ジョンが戻ったからか以前よりもヘヴィになっていて、ちょっとヘヴィ過ぎじゃない? なんて思う俺は勝手だよね(笑)。ともあれ、見た目もさほど変わっていないし、何より以前と変わらぬ魅力的な演奏を聴かせてくれるバンドはもはや貴重な存在。今後も一緒に活動を続けてほしいものです。


『Not Supposed to Sing the Blues』
2012年発売の現時点での最新アルバムから。
北欧メタルって感じはしないけど、これはこれでありかな。
ジョーイの歌声には相変わらず艶があるねえ



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とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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