ikkieの音楽総研

第230回 洋楽編 WHITESNAKE―― 1984年の発売から35年! 世界制覇の足がかりとなった名盤『Slide It In』

2019 / 03 / 19

このところお知らせしていた友人のシンガー、accoちゃんとのライヴですが、おかげさまで盛況のうちに終了しました! QUEENの『Love of My Life 』やシンディ・ローパーの『True Colors 』などの懐かしい名曲をaccoちゃんの素敵な歌と一緒に演奏出来たのは、とても幸せな経験でした。彼女とまた一緒にやるかどうかはわからないけど、その時はまたここでお知らせしますね! ……さて、今回の音楽総研は、35周年記念の豪華版が発売されたWHITESNAKEの名盤『Slide It In 』についてあれこれと! WHITESNAKEは40年を超えるその長いキャリアの中で数々の名盤を発表していますが、このアルバムが俺のフェイヴァリットです。

slideitin1903.jpg 『Slide It In』が発売されたのは1984年のこと。当時のWHITESNAKEはマネージメントとのトラブルなどもあり、デイヴィッド・カヴァデール(Vo)は心機一転を図ったのか、曲作りの重要なパートナーだったはずのバーニー・マースデン (G)を解雇したほか、イアン・ペイス (Dr)とニール・マーレイ (B)のリズム隊も脱退し、ほぼ違うバンドになったと言ってもいいほどのメンバーチェンジが行われた後にレコーディングされている。デイヴィッドの他にバンドに残ったのは、ミッキー・ムーディ (G)と、ジョン・ロード (Key)の2人で、新たに加入したのはメル・ギャレー (G)と、コリン・ホッジキンソン (B)に、数々のバンドを渡り歩いていたスタードラマーのコージー・パウエルという3人でした。

WHITESNAKEはもともとブルーズベースのハードロックバンドだったけど、『Slide It In』には産業ロック的な要素が加わり、それまでよりもキャッチーで一般受けしそうな楽曲を多く収録。それにはデイヴィッドやアメリカのレコード会社の「アメリカで成功する!」という思惑が絡んでいたようで、ヨーロッパ盤(日本もこちら)が発売された後に、録り直しとリミックスが行われたアメリカ盤が発売された。ヨーロッパ盤は先に書いたメンバーでレコーディングされたものだけど、アメリカ盤が作成される頃にはミッキーとコリンが脱退、出戻りのニール・マーレイがベースを弾き直し、ミッキーの代わりにジョン・サイクス(G)がいくつかのパートをダビング、さらにアメリカ受けするように曲順も変更し、サウンドもリミックス。そして、彼らの思惑通り、『Slide It In』はアメリカでダブルプラチナム(売上200万枚超)を獲得、のちのアメリカでの大成功を掴む足がかりとなったのです。

『Slow an’ Easy』
ミッキー・ムーディ作の名曲! 
コージー・パウエルのドラムありきで書かれた曲じゃなかろうか。
ちなみに、アルバム盤よりもソロが短くなっています。 このビデオではジョン・サイクスが弾いてる(ふりをしている)けど、オリジナルはたぶんミッキーのはず。

 


俺が『Slide It In』を聴いたのは84年ではなく、856年ごろのこと。WHITESNAKEの曲を初めて聴いたのが日本で行われた『スーパーロック‘84 』というロックフェスのビデオで、そこで彼らが演奏していたのが『Slide It In』の楽曲でした。デイヴィッドのような迫力と色気のある歌声はそれまでに聴いたことがなかったし、大人の男の哀愁を感じさせるような、ブルージーでソウルフルなサウンドに完全にやられてしまい、すぐにレコードを借りてきたんだよね。そして、今に至るまでWHITESNAKEの大ファンです。

『Gambler』
こちらはメル・ギャレー作。
この映像はジョン・ロードのWHITESNAKE最後のライヴだそう。
作曲したメルはすでに脱退……。

 


「スーパーロック‘84」当時のメンバーはデイヴィッド、サイクス、ニール、コージーの4人で、WHITESNAKEがシングルギターだった唯一のラインナップ。今考えると、奇跡のようなメンバーだなあ……。『Slide It In』でデイヴィッドとともにソングライティングの中核を担っていたメル・ギャレーは腕の怪我のために、ジョン・ロードはDEEP PURPLEの再結成のためにすでに脱退していたんだけど、そんな事情を何も知らずに観た俺にとっては、この4人こそがWHITESNAKEでね。そんなわけで、最初にヨーロッパ盤の『Slide It In』を聴いた時は、「ジョン・サイクスはどこ?」と、少々肩すかしを食ったような気分になったけど、それでも楽曲の魅力が半減するようなことはなく、ライヴとはまた違う渋さや深みがあって、聴き応え充分。レコードはレコードで凄かった!

『Love Ain’t No Stranger』
こちらもメル・ギャレーが作曲(ソロもたぶんメル)、そして俺のフェイヴァリットソング! 
俺にとってのWHITESNAKEはやっぱりこういう哀愁あふれるブルーズロックなんだよなあ……。
ちなみに、35周年記念盤に収録されたデモを聴くと、この曲はもともとロバート・ジョンソンが歌いそうなほど、どブルーズな歌メロだったことがわかります。ちょっと驚いた。

 


ただ、今にして思えば、この『Slide It In』からWHITESNAKEのアメリカナイズが始まっていて、オールドファンからは、このアルバムから興味を失ったという声も聞こえてくる。でも、俺は『Slide It In』を入口にしてミッキーとバーニーがいた時代にさかのぼり、より深くファンになったわけで、俺にとっては凄く重要なアルバムなんだよね。『Slide It In』がなければWHITESNAKEに出会うこともなかったかもしれないし……。

『Slide It In』が発売されてから、既に35年もの月日が経過し、ジョン、コージー、メルの3人は亡くなってしまった。……あまりに早く、無常ともいえる時の流れに寂しさを覚えずにはいられないけど、当時の俺がWHITESNAKEに出会ったように、この記念盤で初めてWHITESNAKEに出会う人もいるかもしれない……·、なんてことを想像すると、なんだか嬉しくもなるかな。皆さん、ぜひ聴いてみてくださいね!


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