ikkieの音楽総研

第277回 洋楽編 JELLYFISH ―― 夢見るようなカラフルなメロディ! 伝説のパワーポップバンド

2021 / 01 / 05

あそびすと読者の皆様、謹賀新年でございます! 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のために、とんでもない年になってしまいましたね。まだ収束の兆しが見えないどころか、さらなる感染拡大のおそれもあるわけで、今年も気の抜けない一年になりそうです。一日も早く、気兼ねなくライヴが楽しめる日が来ますように……。そして、皆が明るく楽しく過ごせるようになりますように!  こんな大変な世の中ですが、このikkieの音楽総研が、皆さまの気持ちを楽しくするお手伝いが出来れば嬉しいです。今年もよろしくお願いしますね。……さて、新年一発目の音楽総研は、JELLYFISH をご紹介! ……って、なぜ新年一発目が20年以上前に解散したJELLYFISHなのか。自分でもちょっと笑ってしまうけど、2021年も流行とは真逆、趣味丸出しの音楽総研でございます。

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JELLYFISHはアンディ・スターマー(Vo,Dr)と、ロジャー・マニング (Vo,Key,G)を中心に89年に結成され、90年にデビューしたアメリカのロックバンドです。ロックバンド、というよりはパワーポップと呼んだほうがいいのかな。たった2枚しかアルバムを残していないのにもかかわらず、その完成度と音楽性の高さから、その道の愛好者からは伝説のバンドとして崇められています。THE BEATLES QUEENELECTRIC LIGHT ORCHESTRA あたりを彷彿とさせる、ヴォーカルハーモニーを多用したポップでメロディアスなサウンドが特徴です。

俺が初めて聴いたのはいつごろだったか……、LADIAのメンバーに聴かせてもらって、「おお、いいね」なんて会話をしたのを覚えているけど、あれはファーストアルバム が出たころだったのかなあ。でもね、その時は飲み過ぎていたのか、家に帰るともう忘れていて、ちゃんと彼らの曲を聴いたのはその数年後、セカンドアルバム が出てからだったという。奥田民生 さんとアンディが共作しているのを知って、「このJELLYFISHってのは、前に聴いたあのバンドか」と思い出して聴いてみたんだよね。

『The King is Half Undressed』
ファーストアルバムから。疾走感と焦燥感のあるサビがたまらん。
Aメロのドラムはビートルズの『Ticket to Ride』っぽいね。

 


聴き直してみて思ったのは、前評判で聞いていたTHE BEATLESというよりは、ポール・マッカートニーだな、と。あとは、QUEENっぽさも確かに感じはしたけど、XTC を思い出したりもした。THE BEATLESに影響を受けたミュージシャンを大雑把に分けると、ポール・マッカートニー派とジョン・レノン 派に分かれると俺は思っているんだけど、ジョン派はジョンの歌詞や歌声、そしてジョン自身に影響を受けている人が多くて、ポール派はポールの天才的なメロディや、凝ったアレンジに影響を受けている人が多い気がしています。で、XTCもJELLYFISHもポール派だと思うんだよね。そして、どちらのバンドにもひねくれたポップセンスがあって、トッド・ラングレン なんかとも共通点を感じる。

『Ghost at Number One』
名盤と名高いセカンドアルバム収録。いい曲だあ。

 


まあ、何を思い出したにせよ、当時の俺がやってみたいと思っていたサウンドだったから、やられてしまった! と悔しくてねえ。でも、これほどの完成度でやられてしまうと降参するしかなかったし、「こういうのがやりたい!」ってバンドメンバーに聴かせたりしたよ。ただ、当時のバンドはハードロックをやっていたから、俺がおかしくなったと思われたのか、あんまり相手にされず……、自分で歌う別のバンドを組んでカバーしたりしました。ギタリストとしての俺はHR/HMがいちばん得意でも、ソングライターやリスナーとしてはJELLYFISHのようなポップなサウンドが大好物だし、HR/HMバンドでは満たされない俺のポップ志向をなんとかしたいと常々思っていたのです。

ただ、実際にやってみると、これがまあ、難しいこと、難しいこと! 鍵盤も歌も上手いアメリカ人のベーシストや、スタジオミュージシャンのドラマーなどのテクニシャンが揃ったバンドではあったけど、分厚いヴォーカルハーモニーはとてもじゃないけど再現しきれなかったし、コードやリズムのアレンジも凝っていて、コピーも苦戦した。これに比べたらHR/HMって簡単だ、と思ったもの。ポップに聴こえるバンドって、ポップに聴こえるような工夫がたくさんしてあって、HR/HMばかりやっていた俺には、ぱっと聴くだけで何をやっているのかわからないところが多かったんだよね。勉強になりました。

『Joining A Fan Club』
この曲大好き! バンドでカバーしました。PUFFYもカバーしてるんだよね。
余談ですが、アンディはPUFFYの名付け親でもあります。

 


JELLYFISHはミュージシャンやその筋のマニアからの評価がえらく高いバンドだったけど、90年代初頭という(グランジ・オルタナが世界中を席巻していた)時代に合わなかったのか、セールス的には恵まれず、メンバー間の音楽性の違いなどもあり、94年に解散してしまう。それ以降はそれぞれがソロやバンドで活動を続けているけど、リードシンガーでメインソングライターでもあったアンディはあまり表舞台に立たず、ソングライターやプロデューサーとして活動しているようで少々寂しい。それに、そういった裏方的な活動も最近はあんまり聞かないんだよなあ。アンディはパワーポップシーンの重要人物だったと思うし、当時を知るファンの人たちは今でもそう思っていると思う。俺が知らないだけかもしれないけど、また表舞台に出て、そのセンスと才能あふれるメロディを聴かせてほしいな。



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