ikkieの音楽総研

第292回 洋楽編 ZZ TOP ―― 不動の3人が織りなす、不変のサウンド

2021 / 08 / 03

またしても訃報が届きました。ZZ TOP のベーシスト、ダスティ・ヒル、METAL CHURCH のシンガー、マイク・ハウ、SLIPKNOT MURDERDOLLS などでの活動でも知られるドラマーのジョーイ・ジョーディソンが亡くなったとのこと……。55歳だったマイク、46歳のジョーイはもちろん、72歳のダスティの3人ともが現在も音楽活動を続けていただけに、残念でなりません。……さて、なんとか気を取り直していきましょう。今回はダスティが50年以上も活動を共にしていたZZ TOPをご紹介!

ZZ TOPはビリー・ギボンズ(G,Vo)、ダスティ・ヒル(B,Vo)、フランク・ベアード(Ds)の3人で1970年にデビューし、現在も活動を続けているアメリカのロックバンド。テキサス出身のバンドらしい、ブルーズをベースにしたサウンドは本国アメリカで根強い人気を誇っており、2004年にはロックの殿堂入りを果たしています。また、ビリーとダスティの長い髭とハット、黒いサングラスが彼らのルックス上のユニークな特徴で、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3 』にもカーニバル会場で演奏するバンドとしてそのままの姿で出演したりもしているので、名前は知らなくても「ああ、あのバンドか!」と思い出す人も多いのでは。

zztop_text.jpg 俺がZZ TOPのことを知ったのは、アルバム『Eliminator 』が大ヒットしていた1983〜4年ごろのこと……だから、まだ小学生だったか。MTVアウォードかなにかの中継だったと思うんだけど、司会の女性が「彼らが今このカーテンの後ろにいるだなんて信じられない!」と興奮しながら紹介したのがZZ TOPで、子供だった俺は「なんでこんなヒゲオヤジのバンドに若いお姉さんが興奮しているんだろう」と、不思議に思ったのをよく覚えています。ZZ TOPは、日本で想像する以上にアメリカで人気があるんだよね。そして、当時の俺はDURAN DURANなんかのニューウェイヴがお気に入りだったから、なおさらピンときてなかった。ただ、当時のZZ TOPはシンセサイザーやシンセドラムを取り入れて大幅にスタイルを変えていたから、そこまで泥臭くはなくて、ピンときていなかったとはいえ、ニューウェイヴ好きの俺にも聴きやすくて、なんだか気になるバンドのリストに入ることになったという。

『Stages』
この曲がすごく好きなんだけど、そんなことを言うと、おそらく初期からのファンには叩かれそう(笑)

 


85年に『Afterburner 』が発売されたころには俺もギターを弾き始めていて、ハードロックやブルーズロックに興味が移っていたから、ZZ TOPの凄さも十分に理解。このアルバムはずいぶん聴いたし、コピーもしたよ。あの当時はギターヒーローが群雄割拠していた時代で、ギターも速弾きが出来てなんぼっていう風潮があって、俺も例に漏れずそういうギターヒーローたちのファンだったけど、自分がブルージーなスタイルが好きだと気付き始めたころでもあったから、ジェイク・E・リーロビン・クロスビーなどのブルージーなスタイルのハードロックギタリストたちがこぞってビリーを称賛していたり、WHITESNAKEが『Tush 』をカヴァーしたりしているのを知って、「俺の進もうとしている方向はこっちで間違いなさそうだぞ」なんてことを思ったものでした。

『Rough Boy』
名バラード! 中学生のころにコピーしました。今観てもセンスのいいMV

 


ビリーのギターはメロディアスかつキャッチーで、速弾きをしなくとも、ギターを弾き始めたばかりの中学生にも弾いてみたいと思わせるだけの魅力があった。ピッキングハーモニクスが多めの、独特のねちっこいプレイが好きだったなあ。そういえば、エディ・ヴァン・ヘイレンで有名なライトハンド・タッピング(右手の指でギターの指板を押さえる演奏方法)を初めてレコードに入れたのはビリーだという説があって、80年代には「俺がタッピングを始めたのはエディではなく、ビリーの影響だ」と発言していたギタリストが結構いたのを思い出した。エディの影響を認めたくなくて見栄を張っているようにしか聞こえなかったけどね。真相やいかに。

『Tush』
75年に発表された彼らの代表曲のひとつ。
先に紹介した2曲とはずいぶん違うと思うかもしれないけど、どの曲もやっぱりZZ TOPらしい。
ちなみに、同じアルバムに収録されている『Blue Jean Blues』は スローブルーズの大名曲なので、ぜひ聴いてみてほしいな

 


今になって考えてみると、俺が夢中になって聴いていた『Eliminator』や『Afterburner』は、問題作だったんだろうなあ。それまでのZZ TOPとはやはり違うし、それまでのファンからすれば、「ZZ TOPがシンセ使うなんて!」とか思われていそう。ただ、俺はその"問題作"から入門したファンだけど、それ以前のアルバムを聴いても、そこまで印象が変わらないんだよね。シンセが入っていないとは思うけど。そして、『Afterburner』以降、またシンセが減っていっても、ZZ TOPは変わらないな、と思う。何を聴いても「ああ、これこれ!」と嬉しくなってしまう。それはやっぱり、3人の演奏にしっかりとした芯と不変の個性があるからだ。不動の3人だからこそ、のサウンドだったと思うと、ダスティの不在は本当に惜しい......。

ビリーとフランクは生前のダスティの希望通り、ZZ TOPを続けていくという。彼らなら、二人であってもZZ TOPらしいサウンドをきっと聴かせてくれると思う。期待しています!

 



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