ikkieの音楽総研

第295回 邦楽編 Gacharic Spin ―― 覚醒を続けるGacharic Spinが待望のニューアルバムをリリース!

2021 / 09 / 14

先日、YouTubeに新しくENUFF Z’NUFFのカバー動画をアップしたところ、なんと、バンドの公式アカウント と元シンガーのドニー・ヴィー がコメントをくれました! ドニーは以前にもTwitterにコメントしてくれたことがあったし、もしかしたら……、なんて淡い期待を抱いてはいたんだけど、まさか本当に俺の演奏を観てもらえるとは思っておらず……、今でもなんだか信じられないです。今回カバーした『Down Hill 』は世紀の大名曲だと思っているので、ご存じなかった方は、ぜひこの機会に聴いてみてくださいね。うちのバンドのカバー動画もあわせてぜひ! ……さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回の音楽総研は先日ニューアルバム を発売したばかりのGacharic Spin! ニューアルバムは期待通り……いや、期待以上に凄い内容です!

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Gacharic Spinは2009年に結成、数度のメンバーチェンジを経て、現在はF チョッパー KOGA(B)、はな(Vo,G)、TOMO-ZO(G,Vo)、オレオレオナ(Vo,Key)、yuri(Dr,Vo)、アンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー)の6人で活動しています。yuriは出産のために一時的に活動を休止しており(無事に女の子を出産、10月8日のライヴから少しずつ復帰予定とのこと)、本作ではyuriの加入前にはドラムもプレイしていたはながドラムを担当。前作『Gold Dash 』で示された、それまで以上にロックバンド然としたサウンドに驚いたファンは多かったと思うけど、満を持してリリースされた今回のニューアルバム『Gacharic Spin』は、初のセルフプロデュースであることにくわえ、結成12年にして初めてバンド名をタイトルに冠したアルバムでもあって、そこには彼女たちの並々ならぬ意気込みを感じるし、先行して公開されていた『MindSet』と『I Wish I』の2曲が、前作を上回る迫力と完成度を持ち合わせていたので、ファンの期待値もどんどん上がっていたんじゃないだろうか。かくいう俺も、CDが手元に届くのをものすごく楽しみにしていました。

9月7日、店頭発売日より1日早く届いたCDを開封する手ももどかしく、急いで聴いてみたところ、まあ、これが凄かった。先行リリースされているオープニングの2曲はインパクトも強いし、あらためて衝撃を受けたんだけど、それ以降もテンポ速めでテンションも高めの曲が続くこともあってか、勢いがとてつもない。アルバムの前半はまさに畳みかける、といった印象だ。どの曲も素晴らしいけど、『ミライ論争』における、ベースの激しいスラップによるイントロからのタッピングを使ったギターリフや、アンジーのスペイン語のラップがとんでもなくカッコいい。Måneskinのイタリア語ロックもカッコよかったし、もしかすると今後、世界中で英語以外(日本語も含めて)のロックが流行るかもしれないね。

『I wish I』
ニューアルバムのリードトラック。カッコいい!

 


アンジーが歌う、19歳ならではの歌詞が印象的なヘヴィブルーズ『Forever 9teen』からの後半戦は、それまでのハイテンションから一転して、TOMO-ZOのメルヘンワールド全開(でもギターソロはえげつない)の『マジックアンブレラガール』で和まされ、はなの切ないヴォーカルが胸を打つ『Days』、パンキッシュな疾走感が心地よい『1GAME』、そしてコロナ禍でなければライヴでの大合唱必至の『365日』でラストを締めくくる。的外れかもと思いつつ、個人的にはアナログレコード時代のA面B面のような構成だな、と感じた。10曲という、今となっては少なめの曲数の影響もあるかもしれないね。押しまくるA面に圧倒されてレコードを裏返し、一息つきながらも、B面アタマの『Forever 9teen』のアンジーの歌声に「おおっ!」となっている自分が容易に想像できる(『マジックアンブレラガール』がB面アタマで、驚いてひっくり返るのも面白そう)。サブスク全盛の今でも、1曲目からラストまで曲順通りに聴きたいアルバムだ。

『MindSet』
この曲、初めて聴いたときはほんとに衝撃を受けました

 


アルバムを通して、はな、アンジー、オレオの三声の掛け合いの印象が強い。バンドとしては成長著しいアンジーと(アルバムのスタートがアンジーの歌声!)、はなのツインヴォーカルという体制が中心ではあるんだろうけど、その二人とは違う個性を持ったオレオの歌唱も良いアクセントになっている。それがより色濃く出ているのが、アルバム前半のハイライト(全曲ハイライトに成り得るが)、『何者にもなれなかった僕たちへ』だ。それぞれが歌うからこそ、意味のある歌詞を歌い、一緒にも歌う......。この曲は、何者にもなれなかったけど、とりあえず50代にはなれそうなオジさんの俺にもグッときます。ポジティヴなメッセージを持った応援歌のような楽曲が多いイメージのGacharic Spinだけど、本作はネガティヴな感情や怒り......、そして、『何者にもなれなかった僕たちへ』のように、虚しさや哀しさも感じる曲もある。新しいGacharic Spinは、サウンドはもちろん、歌詞の面でも様々な表情を見せてくれる。

『「MindSet」ここが好き!!』
メンバーがMVを観ながら感想を言い合う、ゆるゆる動画。
MVのカッコよさとは真逆のこういった一面も、Gacharic Spinの魅力!

 


本作のアイディア豊富なアレンジには感心しきりだし、熱い演奏や歌声にはただただ、胸を打たれる。このアルバムの楽曲は、ライヴでこそ、より真価を発揮するだろう。一緒に歌うには少々ハードルが高い楽曲が揃っているけど、思いっきり声を上げて、一緒に歌いたい。そんな日が一日でも早くやってきますように......。





※おまけ

ENUFF Z'NUFF 『Down Hill』
わたくしのバンド、AntlionによるENUFF Z'NUFFのカバー動画です。
GSのMVとは比ぶべくもない完成度ですが、とってもいい曲です! ぜひご覧になってください

 


※ikkieのYouTubeチャンネルです!
https://www.youtube.com/channel/UC-WSajndNhq0tu7K7-MBEmQ?view_as=subscriber 













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