ikkieの音楽総研

第311回 洋楽編 SKID ROW ―― 北欧の青年がつかんだアメリカン・ドリーム! 完全復活の救世主となるか

2022 / 05 / 02

今年のゴールデンウィークは緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置の適用がないそうで……、まあ、これ以上の規制は難しいだろうと思うものの、ゴールデンウィーク明けにはまた感染拡大、なんてことにならないといいなと思っています。俺? 俺はやることてんこ盛りなので、どこにも行かずに家にこもっている予定です……。さて、今回の音楽総研は、今年の3月に新しいシンガーが加入したSKID ROWを久しぶりに取り上げてみようと思います。ニューシンガーのエリック・グロンウォール 、すごくいいんですよ!

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SKID ROWは1989年にデビューしたアメリカ、ニュージャージー出身のハードロックバンド。デビュー当時のメンバーはセバスチャン・バック (Vo)、レイチェル・ボラン(B)、デイヴ・スネイク・セイボ(G)、スコッティ・ヒル(G)、ロブ・アフューソ(Dr)の5人で、勢いのあるキャッチーな楽曲に加え、ルックスのいいメンバーが揃っていたこともあり、デビューアルバム から大ヒット。セカンドアルバム は、全米チャートにおいてHR/HM史上初の初登場ナンバーワンを記録するなど、当時のHR/HMブームの中でもトップクラスの人気を誇っていたんだけど、音楽性の変化があったサードアルバム 辺りからセバスチャンと他のメンバーとの確執が明らかになり、セバスチャンは脱退してしまう。

セバスチャンの後任として加入したジョニー・ソーリンガー (2021年没)は高い実力を持ったシンガーだったものの、大方のファンが期待したSKID ROWに向いた(セバスチャン的な)シンガーではなく、人気も低迷。音楽性も変わっていたし、バンドには申し訳ないけど、これじゃない、と思っていた人が多かったんじゃないかな。メインソングライターのレイチェルとスネイクはバンドに残っていたし、良い曲もあった。それでも、楽曲にあったはずのSKID ROWならではの魅力が根こそぎ無くなっているように感じちゃってね......。セバスチャンだけがバンドの魅力だったわけではないけど、やっぱりセバスチャンを戻したほうがいいんじゃないの、と思わずにいられなかった。


『18 and Life』
SKID ROW加入前の“カヴァー”動画。エモーショナルな歌声が素晴らしい!

 


2枚のアルバムと数枚のEPをリリースした後にジョニーは脱退し、元TNT トニー・ハーネル や元Dragon Force のZPサートといった名のあるシンガーが加入するも、二人が在籍していたバンドとは音楽性がかなり違うし、外野からはハイトーンが出る(セバスチャン時代の楽曲が歌える)といったことぐらいしか彼らが加入した理由が見つからず、あまりいい選択だとは思えなかった。案の定というべきか、二人とも新作も発表しないまま脱退してしまう。そして、2016年にようやくセバスチャンとバンドの間で再加入についての話し合いがされたものの、実現せず。レイチェルがどうしても首を縦に振らなかったというのがもっぱらの噂です。ファンからすると、もういい歳なんだし、一回だけでも......なんて思わずにいられないけど、いい歳だからこそ、二度とやりたくないのかもしれないよね。

『18 and Life』
SKID ROW加入後のライヴ動画。いや、凄いね。こんなことあるんだね......

 


しかし、ファンはやっぱりセバスチャンを求めている。もっと言えば、せめてセバスチャンっぽい人を入れてくれ、と思っている。シンガーが全然違うタイプに変わって上手くいった例なんて、ほとんどない。パッと思いつくのはVAN HALENくらいだけど、彼らはシンガーが変わっても、とんでもなく個性的な楽器陣が揃っていたわけで、シンガーが変わってもちゃんとVAN HALENだった。SKID ROWは音楽性も変わって、さらに声も違うとなると、以前のファンから受け入れられなくても仕方がないと思う。新しいシンガー、新しい音楽性が、以前よりも段違いで良くなっているのならそれでもいいと思うけど、SKID ROWは残念ながらそうではない......と、もうほぼあきらめていたところに、エリック・グロンウォールが加入ですよ! 

エリックの加入を知らないまま観た、最近のライヴ映像での彼の声を聴いて驚いた。セバスチャンっぽいじゃん! って。声自体はそんなに似ていない。ヴァイブが同じというのかな。短髪でパンクスのようなルックスだけど、情熱的でハイパーなパフォーマンスがセバスチャンを彷彿させる。それでも、けっして物真似ではない......みんな、こういう人を待っていたよね。動画には、俺と同じように感じた人が多いのか、「SKID ROWのために生まれてきたような声だ」といった絶賛コメントが並んでいる。エリックはスウェーデンのバンド、H.E.A.T で活躍したシンガーだけど、なんとオーディション番組でSKID ROWの『18 and Life』を歌ったことがデビューのきっかけになったという。カヴァーバンドで歌っていたのにJOURNEYに加入しちゃったアーネル・ピネダみたいじゃないか。


『18 and Life』
2009年、高校生ぐらいにしか見えない21歳のエリック。この青年が13年後にこの曲を書いたバンドに加入する......!

 


エリックは2020年にH.E.A.Tを脱退し、白血病の治療をしていたことを告白している。SKID ROWに加入したということは、病気も治ったということだよね。エリックならば、昔からのファンも納得させつつ、新しいファンを獲得することも出来ると思う。JOURNEYのように、エリック加入のストーリーが映画になったりはしないかもしれないけど、SKID ROWのファンだった北欧の青年がSKID ROWに入って、世界中に受け入れられようとしている......そんなの、興奮しちゃうよね!

 

 


 

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