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第315回 洋楽編 サウンドトラック ―― 80年代、憧れのハリウッド映画を彩った数々の名曲たち
2022 / 06 / 28
2010年の6月15日に始まったこの連載も、前回の更新でなんと丸12年となりました。今回からは13周年イヤーに突入ですよ。すっかり忘れてた。12年って、連載開始時に生まれた子がもう6年生になっているってことだよね。我ながらほんとに長いこと書いているなあ。たいしたもんだ。子供の12年とおっさんの12年とではずいぶん意味合いが違いますが、こんなおっさんでも成長なり進化なりをしているはず、と自分に言い聞かせつつ、今後も精進していく所存でございます! これからもよろしくお願いしますね。......さて、13周年イヤー1発目の今回は、80年代に大ヒットした映画のサウンドトラック(以下サントラ)についてあれこれと。先日、映画館で『トップガン マーヴェリック 』を観てきたんだけど、大音量で流れる懐かしい名曲にちょっとグッときちゃってね。
『トップガン マーヴェリック』を観ながら、それこそ俺が12歳くらいだったころは世代を問わずにヒットしていた洋画がたくさんあって、サントラもすごくヒットしていたし、普段あんまり洋楽を聴かない層にも浸透している曲がいっぱいあったなあ......、なんてことを考えていました。洋画自体も、映画館に行かなくてもテレビで毎週のようにやっていたし。もちろん、最近でも大ヒットしている映画はあるんだけど、浸透度合いが違うというか、以前とは流行り方が違うような気がしています。誰でも知っている曲、誰もが観ている映画、が減ったな、と。俳優にしても、誰もが知っているトム・クルーズとかジョニー・デップみたいな若手のスター俳優って今いるの? ......って、いかんいかん、"昔は良かったおじさん"みたいになってきたな。
Michael Sembello 『Maniac』
フラッシュダンスの挿入歌のこの曲はシングルカットされ、全米ナンバーワンを獲得。
もともとセッションギタリストだったというマイケル・センベロのギターソロがカッコいい!
サントラのヒットはたぶん50年代や60年代からあったんだろうけど、80年代はいわゆる映画音楽ではなく、ヴォーカルもののヒットが目立ったように記憶しています。これはおそらく1981年に始まったMTVの隆盛とも関係があったはず。だって、映像と音楽の融合なんて、映画がもっとも得意とすることなわけで、MTVと相性が悪いはずがないもの。『フラッシュダンス 』とか1作目の『トップガン 』なんて、映画自体もミュージックビデオみたいな感じだし、内容もさほど深くない......なんて言うと怒られそうだけど、まあ、当時流行ったハリウッド映画は、今思えばアメリカのプロパガンダだったのかもしれないねえ。アメリカは夢と希望に満ちた国、ソ連なんかに負けないぞ、みたいな内容が多かったように思うし、俺と同世代のアラフィフにはそんなアメリカに(まんまと)憧れていた人も多かったんじゃないかと思う。イギリスやヨーロッパではなく、アメリカ。MTVだけでなく、84年に行われたロサンゼルスオリンピックとかも関係があるのかも。80年代の前半はまだイギリスの音楽が強かったよね。
80年代にサントラが流行っていた映画というと、先に挙げた『トップガン』に『フラッシュダンス』、『フットルース 』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』、『ゴーストバスターズ 』、『グーニーズ 』、『ビバリーヒルズ・コップ 』、『ロッキー 』シリーズに、ライオネル・リッチーの『Say You Say Me 』が大ヒットした『ホワイトナイツ/白夜 』、『ダーティ・ダンシング 』、『ストリート・オブ・ファイヤー 』......、『愛と青春の旅だち 』も80年代か。『ラ・バンバ 』なんてのもあったよね。ベン・E・キングの『Stand By Me 』がリバイバルヒットした『スタンド・バイ・ミー 』も80年代。ざっと挙げてみただけでもこれだけあって、それらの映画に使われた楽曲は聴いたことがあるって人が多いはず。最近ヒットしたサントラって......、『アナと雪の女王 』とかぐらいしかすぐには思い浮かばないけど、これも10年くらい前だよね......。
Huey Lewis & The News 『The Power Of Love』
バック・トゥ・ザ・フューチャーのサントラに収録された問答無用の大ヒットソング。
MVにはドク役のクリストファー・ロイドと例のデロリアンも登場。この曲もギターソロがカッコいい!
このサブスク全盛の今の時代にサントラが大ヒットするなんてことはあんまりなさそうだけど、80年代当時は、サントラからシングルカットされた曲がヒットチャートにずらっと並ぶ、なんてことがあったんだよね。当代きってのヒットメイカーたちがこぞって参加したサントラは、さながらヒットソングばかりを集めたオムニバスアルバムのようでもあったし、映画の名シーンに使われた印象的な楽曲ばかりが収録されているとくれば、ヒットするのも当然といえるかも。姉が聴いていたDURAN DURANやCULTURE CLUBで洋楽に目覚めた俺だけど、同時に『フラッシュダンス』の『Flashdance... What a Feeling 』や『Maniac 』もふたりの姉がよく聴いていたのを覚えている。姉さん、あれってサントラをダビングしていたの? それともエアチェックしたやつ?
Fire Inc. 『Tonight is What It Means to be Young』
ストリート・オブ・ファイヤーに登場したFire Inc.という架空のバンドの楽曲として劇中に登場。
ダイアン・レインは実際には歌わず、吹替だったようです......。
ちなみに、『今夜は青春』というとんでもない邦題がついています
『トップガン マーヴェリック』のオープニングにはケニー・ロギンスの『Danger Zone 』が使われていて、「おおっ!」と声が出そうになった。もろ80年代のアレンジなのに、なぜか古臭くは感じず、あろうことか、映像にかぶさる『Danger Zone』のあまりのカッコよさに泣きそうになってしまった。80年代当時は単純すぎてカッコ悪いと思っていたくらいなのに。ノスタルジーなのかなんなのか......、映像と音楽とが合わさると感動が倍になるよね(家に帰って音楽だけ聴き直すとそれほどでもなかったんです)。
Kenny Loggins 『Danger Zone』
この曲カッコいいけど、ケニー・ロギンスが歌ってなかったらここまでカッコよくはなかったのでは......
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