インタビュー/記者会見

僕たちはただ、生きるために音楽を聴いた。
映画『サラバ静寂』
企画・脚本・監督の宇賀那健一にインタビュー!!
「メインストリートに立てない人たちを愛おしく見せられたら」

saraba_0124_001.jpg いま大注目の若手俳優、吉村界人が主演を務め、モデルで映画初出演のSUMIREと映画や舞台で活躍中の若手実力派俳優の若葉竜也を迎え、映画『黒い暴動♥』の宇賀那健一監督による、娯楽が失われた世界を描いた、現代社会へ送る静かなるノイズ映画『サラバ静寂』が誕生した。今回は、本作の企画・脚本・監督を務めた宇賀那健一に俳優、映画監督をめざしたきっかけから、映画『サラバ静寂』について話を聞いた。

■ストーリー
「遊楽法」という音楽や映画、小説などの娯楽が禁止される法律が施行された日本。ネジ工場で働くだけのつまらない生活を送っていたミズト(吉村界人)とトキオ(若葉竜也)はある日、偶然根絶されたはずの音楽が沢山保存されている廃墟を見つけてしまう。廃墟に通いつめ、どんどん音楽に魅了されていく2人は、未だに闇ライブが行われているという「サノバノイズ」の存在を知り、そこへいくことを夢見て一緒に音楽を作りだすのだが、音楽を心から憎んでいる杉村(斎藤工)率いる警察、そして、音楽を所持している罪で父親を殺されたヒカリ(SUMIRE)も2人のいる廃墟へと歩みを向けていた…。

saraba_0124_002.jpg ――まずは、俳優をめざしたきっかけからお聞かせてください。
宇賀那:僕は幼稚園を一日で登校拒否しているんです。もう、理由はあまり覚えていないんですけど、みんなが何か「早くしろよ!」みたいな、同調圧力が嫌だったみたいです。幼稚園に行かないと、やることは親の買い物に付き合うぐらい。買い物に付き合うと、帰りに好きなビデオを1本、借りることができて、僕が借りるのはアンパンマンとかなんですけど、同時に母も1本借りて、それがスプラッタ映画だったんです。だから、アンパンマンを1本観た後に、トビー・フーパーを観るとか、ダリオ・アルジェントを観たりとか、そういう生活をしていて、だんだんアンパンマンよりスプラッタ映画が好きになりました。それからずっと洋画ばかりを観るようになりました。
高校時代になって付き合っていた彼女が浅野忠信さんの大ファンで、ヤキモチを妬いて彼が出演するDVDを全部借りたんです。それまで邦画はあまり観ていませんでしたが、彼の出演作品が面白くて、中でも『地雷を踏んだらサヨウナラ』が印象深かったんです。その時ちょうど、その作品の舞台版の出演者を募集していて、募集要項が35歳以上だったんすけど、まったく気づかず、17歳の時に書類を送ったところ、面接を受けることができました。もちろん役はなかったんですけど、とても気に入いられて、なんと新たに役を作ってもらえて舞台デビューをしました。

saraba_0124_003.jpg ――今まで出演された、ドラマや映画の中で印象に残ってるエピソードは?
宇賀那:『着信アリFinal』が、一番印象深いです。撮影は、ほとんど韓国だったので15歳から24歳までの俳優が同級生の設定で、ずっと同じ場所で一緒にいました。僕は当時22歳。それぞれ色んなコンプレックスを抱えたメンバーが多かったことを憶えています。相部屋だったのは森岡龍。彼は俳優でありながら監督もこなします。彼と色々と話をする中で「じゃあ、一緒に映画を撮ろうよ!」ってことになりました。僕が監督を務め、僕と森岡龍でカメラを回して、出演者は全員『着信アリFinal』のメンバーでした。僕が映画を撮るきっかけになった作品が『着信アリFinal』でしたね。

――『着信アリFinal』が、映画監督になるきっかけに?
宇賀那:最初は、プロの映画監督というよりも「自分たちで楽しいことをやりたい」と思っていました。昔の「ぴあフィルムフェスティバル」の自主映画が大好きだったんです。平野勝之さん、園子温さん、中でも緒方明さんの『東京白菜関K者』は、特に印象に残っています。8mmフィルムで撮影された作品が好きなんです。勢いで撮ったというか、僕もそういった作品が撮りたいなと思っています。

saraba_0124_004.jpg ――影響を受けた監督や作品は?
宇賀那:そうですね、平野勝之監督の作品が好きです。彼の8mmフィルムの作品が面白くて、中でも『人間らっこ対かっぱ』は、最高に面白いです。

――人間?らっこ?かっぱ?ですか??
宇賀那:マグロの頭を持った男が、成人式に現れ、その後、川にマグロの頭を投げると、らっこ、かっぱ、ザリガニ、蝶とかのダンボールで作った張りぼてを着た人たちが戦い出すんです。最終的に何故か仲直りをして海に向かって全員で走って行く。それだけの話なんですけど。ほぼセリフが「ギャー!」しかなくて。でも、ちゃんと伝わるしアクションも面白いんです。平野さんの初期の作品は、筋書きがあるようでないようで、でもなにか心を揺さぶられる、憧れの監督です。そういう映画を撮りたいと思っています。作品ではチャップリンの『街の灯』、まったくテイストが違いますが『丹下左膳余話 百萬両の壺』です。

――丹下左膳?
宇賀那:山中貞雄監督の作品です。僕は人を愛おしく描きたいなと思っていて、ダメな人にカメラを向けたいんです。それが『黒い暴動♥』ではギャルで、メインストリートに立てない人たち。今回の作品では音楽が禁止された社会の中でも音楽を聴こうとするノイズと言われる彼らだったり、チャップリンでいえば浮浪者だったり。『丹下左膳余話 百萬両の壺』では、どうしようもない用心棒。カメラを向けることによって、そういう人たちを愛おしく見せられたら良いなと思っています。

saraba_0124_005.jpg ――先ほどお話に出た最初に作られた作品は?
宇賀那:『発狂』というタイトルのホラーコメディ作品です。それこそ幼い頃に観た映画の影響だと思うんですけど。当時、恋愛映画や携帯小説が全盛期で、あり得ないだろうってことが、次々に起こっていくストーリーで、それに対して嫌気がさしていたってこともあって「だったら、もう怖いことが起こりすぎて、笑えちゃうぐらいが、良いんじゃないか!」と思い幽霊が出る廃病院に行ったら殺人鬼が出てきて、殺された人がゾンビになって、その分けの分からない感じを楽しく撮ろうと思って作りました。国内より海外で評価されました。

――次に作られた作品がガングロギャルの映画『黒い暴動♥』ですか?
宇賀那:その前に『クリスマスの夜空に』という作品があります。その時のオーディションでの自己PRの時に「私は中学生の頃はガングロギャルで、顔にシールを貼ってました。ギャルだからシールを貼ったりしますけど、そのシールを取り合って、河原で決闘してました」と答えた女優さんがいました。意味が全く分からなかったけど「なんか面白いな」って思いました。そのことが『黒い暴動♥』を作るきっかけになりました。

――河原で決闘ですか?
宇賀那:そうなんですよ。よく話を聞くと、貼ってあるシールには、全て順位があるんです。それをめぐって決闘になるんです。そのギャルの「楽しけりゃ、何でも良いじゃん」っていう、突き抜けた感じがカッコイイなと思いました。ギャルが日本で独自に生まれた、あの時代あの場所とロックンロールをテーマに作品を作りました。
――作品の反響は、いかがでしたか?
宇賀那:思っていたより長い期間、上映していただきました。劇場公開が初めての作品で、ひとつひとつが想定外の反応でした。僕はもっと若い女の子たちが観に来るのかな?と思っていましたが、わりと年齢層の高い男性の方が多かったり。出演していただいた、馬場ふみかさん、柳英里紗さん、平松可奈子さんが舞台挨拶で地方も含めて参加してくれたことも要因かもしれませんね。

saraba_0124_006.jpg ――その他の出演作品について伺います。
映画『エキストランド』に出演されていました。この作品の内容は、映画の舞台裏の物語でしたが、役者として監督として、この作品はいかがでしたか?
宇賀那:映画で地元を盛り上げたいと思っている市民を騙して、ひどい目に遭わせる内容だったので、けっこう辛い役だなと思いました。監督を務めた『黒い暴動♥』では、石川県の内灘フィルムコミッション、今回の『サラバ静寂』では、群馬県の高崎フィルムコミッションにお世話になりました。フィルムコミッションとの付き合いも多いので、その人たちことも考えるとなおさらです。映画だから許されるってところが僕にも少なからずあって、もちろんこの作品ほど酷いことはしないですけど、助監督が良かれと思って徐々にエスカレートしていくことはあるのかなと思います。そういう意味で辛い役でしたね。だから現場では、監督を始めスタッフは、凄く気使って撮影していました。そういうこともあって、現場自体は楽しかったです。

――今回の作品もそうですが、音楽との関わりが強いように思われます。影響を受けたミュージシャンは?
それから、渋谷センター街に、Alternative Cafe & Bar「VANDALISM渋谷 」という飲食店をオープンさせていますが、お店の名前の由来が、ニルヴァーナのカート・コバーンのギターのボディに貼ってあったシールの言葉だと伺いました。
宇賀那:そうです。フィーダーズというバンドのアルバムタイトルなんです。そのステッカーを、カートが白のジャガーに貼っていて、そこから名付けました。小学校の時に、両親の影響もあってビートルズを好きになりました。赤盤・青盤のリマスターが発売になったタイミングです。洋画好きだったっこともあって、すんなりと洋楽を受け入れることができました。

――Alternative Cafe & Bar「VANDALISM渋谷」についてお聞かせください。
宇賀那:最初に仕事の打合せのできる場所としての店が欲しいなと考えました。場所は、青山学院大学の学生だったこともあって、土地勘のある渋谷にしました。ステージでライブもできて20インチのスクリーンで上映会もできます。メインの料理はハンバーガーとピザですね。

saraba_0124_009.jpg ――それでは、今回の作品『サラバ静寂』について伺います。
今回は『音楽が禁止された世界』ですが、その作品を作ろうと思ったきっかけは?
宇賀那:『黒い暴動♥』では、ギャルである意味はないけどギャルがやりたい。今回も、禁止されているけど音楽を聴きたい、やりたい。その無駄なものに価値を見出す力に魅力を感じるんです。無駄なことをやるのは、人間ぐらいですよね。何かその部分を描けないかな?と思っていた時に、ちょうど風営法の改正があり、そのタイミングで、音楽が今後どうなっていくのかな?と。自分も音楽が大好きで、無駄なものに対して、なにかをやり続ける人のパワーを描きたいという思いがスタート地点です。

――本作では、脚本も書かれていますが、その思いやエピソードなどは?
宇賀那:SFという設定がとにかく大変でした。音楽がない世界の話だけど、じゃあ、他に音楽以外があっても良いのか?と考えて。作品の中では、音楽以外に映画なども禁止されている設定で、フォーカスをしているのは音楽ですけど「そのロケ地って、どこだろう?」って考えたり。何もない場所であれば良いのか?空き地か?住宅街か?昔はあったけど、今はない場所という混在とした感じが説明できなくて……。

――それで、ちょっと廃墟的な感じが……。
宇賀那:そうなんです。でも、あの場所を探すのも大変でした。後は大きなボーリングのピンとか。風俗店跡地は、実際に跡地なんです。だから入った時は、歯ブラシとか落ちてて生々しくて……。

――ロケ地には、どのようなかたちで辿り着いたのですか?
宇賀那:僕の無茶な注文を制作部に伝えて、北関東から東海まで探しにいきました。音楽が昔はあったけど今はないという、そういった雰囲気のある場所がなかなか見つかりませんでした。

――あの家は、あのまま廃墟のような形であったのですか?
宇賀那:そうなんです。建物自体はそのままあって、中身は美術部で全て作り込みました。元々は廃墟だったので、掃除から始まって、古いブラウン管のテレビやオーディオ機材など全て運び込みましたから、あのシーンの作り込みは大変でしたね。

saraba_0124_007.jpg ――過去の映像として、ミュージシャンが登場するシーンが多かったですよね。元スターリンの遠藤ミチロウさんや非常階段など、また本編には元アナーキーの仲野茂さんが出演されたり、80年代の音楽シーンのバンドが多かったようですが……。
宇賀那:単純にその時代の音楽が好きだったんです。町田町蔵さんのINUだったり、スターリン、アナーキー、灰野敬二さんなど。

――実際に、放送禁止になったりとか、音楽に圧力が掛かった時代の人たち。
宇賀那:そうですよね。やっぱり、権力に立ち向かう音楽が武器だった時代というか、本作の内容にあった時代です。そういう時代の意思をもって音楽をやっていた方々に、たくさん参加していただきました。

――80年代の音楽を知ったきっかけは?
宇賀那:一番最初は、なんだろうなあ?スターリンは、映画『爆裂都市 BURST CITY』ですね。それが始まりです。先日、遠藤ミチロウさんのライブに行きましたけど、今でも尖ってますね。

――当時の音楽には、反骨精神がありました。
宇賀那:そうですね。ですから、大貫憲章さん、灰野敬二さん、仲野茂さんは、僕が直接お会いして、いろいろと思いを伝え出演をお願いしました。
灰野さんは、まったく面識がなかったので、ホームページのお問い合わせフォームからメールを送りました。何度もライブに行ってることを伝えました。その後、川越のカフェで会っていただけることになって。その時はとても緊張しましたよっ!3時間も前に着いて、場所取りしてました。
灰野さんは、ソイラテを飲まれていて、それをポンって目の前に置かれて「宇賀那君、これを飲んでみてくれ。これを飲んでどう思うかが、君と僕との最初の共通項だ」って。「うわぁ、スゲーこときた!!」と。ゆっくり考えながらソイラテを飲んで「どう答えようかな?」と思うわけです。カッコつけても、たぶんバレるなと思って「甘いですね」って答えました。そうしたら「僕も、そう思った」と。そこから話が盛り上がって、出演していただけることになりました。映像を含めて出演していただいたミュージシャンは、僕の憧れの人たちです。

saraba_0124_010.jpg ――音楽の話題が出たところで、本編のシーンについて伺います。
ギターをハウリングさせるシーンが、印象的でしたが……。
宇賀那:現場のみんなが凄い盛り上がったシーンで、実は奇跡的に起きたシーンなんです。ハウリングをさせて欲しいということは伝えていましたが、3テイク目だったと思います。偶然、紙が落ちたんです。あのシーンは仕込みではなく、界人君が歩き、紙が落ちたことに、若葉君が反応してハウリングのシーンへ。現場の奇跡をちゃんと若葉君が芝居に活かして反映させてくれたんです。

――あのシーンから彼が音楽に目醒めていきますよね。『2001年宇宙の旅』の、猿がこう骨をカンカンさせて、それが武器になるシーンとオーバーラップしました。
宇賀那:そう!まさに僕は同じことを若葉君に伝えました。「2001年の、猿が武器を得る瞬間だから、大事だぞ!!」って。それが伝わっていたことは嬉しいです。

――そこから録音を始めたり、急に音楽に目覚めていきますよね。
宇賀那:音も、実は凄く重要な要素です。今回、SFということで、アンビエントの音もたくさん入っています。ロケ地は鳥が多かったんですけど、前半は鳥の音を全て消しています。あの目醒めるシーンから鳥の音を出してるんです。世界が変わったということを表現したかったんです。

――目醒めるきっかけとなったカセットテープですが、近未来という設定で、カセットテープをチョイスした理由は?
宇賀那:なにかワン・アンド・オンリーな存在が欲しかったんです。VHSもそうです。何回か観たり聴いたりすると擦り切れ方も違って、結果、ここにしかないものが生まれる。彼が録音したものがパワーがある媒体にしたかったんです。そうなると何度も簡単に複製できるデータは違うなと。近未来で音楽をやろうということ自体がアナログなことだと思うんです。

saraba_0124_011.jpg ――それでは、出演者についてお聞かせください。
キャスティングの経緯とそれぞれの役の印象や撮影中のエピソードなど……。
吉村界人さんは、いかがでしたか?
宇賀那:界人君は『黒い暴動♥』を撮り終わったころから「一緒に何かやろう!」と言われていて、そこからこの作品の企画がスタートしました。当時、彼はヤンキーっぽい役が多くて『獣道』や『セトウツミ』だったり。この作品では、そうじゃない吉村界人を写したいなと思い、前半は寡黙な少年という感じになりました。彼は長く回したほうが良さが出るタイプです。本能に任せた芝居が彼を活かせるので、撮影方法も含めて、そういうところを意識して撮りました。

――最初から彼と作ろうということが始まりなんですね。
宇賀那:そうです。彼はカルチャーの権化みたいなヤツなんです。彼自身、ラップもやっていて、凄く音楽の匂いがするんです。ファッション誌にも登場したり、カルチャーを体現してる人間に、カルチャーに触れてなにかに向き合っていくこの物語の主人公として、説得力が出せるんじゃないかと思いました。

――今回は、全体的に主役であってもサポート的な役ですよね?
宇賀那:彼はシーンを常に引っ張っていく役どころが多いと思うんです。どの作品を観てもそう感じるんです。だから今回は、そうではない吉村界人を写したいという思いもあったので、若葉君・SUMIREさんが引っ張って、彼をサポート的な役の設定にしました。だから、彼自身も演技には相当悩んでいたし、現場ではなにが正解かということを常に自問自答していました。その結果、良い演技に繋がったと思います。

saraba_0124_012.jpg ――若葉竜也さんは、いかがでしたか?
宇賀那:若葉君が撮った自主映画に役者としてメインで出演しています。それが出会いでした。去年、久々に湖畔の映画祭で再会して「また、何か一緒にやろうね」という話になりました。その時、彼が出演していた『葛城事件』を観ました。彼の演技が良かったこともあって、声をかけました。今回の役はキャラクターも強いわけではなく、難しいポジションなんですけど、芝居の安定感はもう抜群なので、軸として据えようと思いました。彼自身も音楽をやっているので、音楽の臭いを感じさせたい部分もありました。

――音楽をやっている人間が、ギターを弾けない演技をすることは難しい気がしますよね。
宇賀那:そうなんです。それはずっと言っていました。どこまでやって良いのかということを、ずっと話し合いました。ちょっとした仕草で、ギターを弾ける人には分かってしまいますから。

saraba_0124_013.jpg ――SUMIREさんは、いかがでしたか?今回、映画初出演ということですが……。
宇賀那:SUMIREさんは『装苑』を読んでいましたので、前から気になる存在でした。今回のSF設定で、女性はとにかく重要だなと思っていたんです。特に、吉村、若葉と並んで、若者は3人と考えていたので、ビジュアルとか雰囲気や空気感も含めて、その部分が出せる人が良いなあと考えていました。彼女の雰囲気がとてもこの作品にピッタリだと思い、オファーさせていただきました。

――初出演ということですが、いかがでしたか?
宇賀那:初出演ということもあって、彼女から事前に「演技のレッスンをさせてほしい」とお願いされました。彼女は、とにかく男気のある人なんです。僕が事前に冗談で「2週間ぐらい現場に入ると、お風呂に入れないけど大丈夫?」って聞いたら「はい、大丈夫です。お風呂に入れなくて困る人っているんですか?」って。それだけガッツがある人でした。レッスン中は、一生懸命に全力で演技に取り組んで、体育会系なノリでした。だから現場では全く困らなかったです。

saraba_0124_014.jpg ――斎藤工さんは、とても奇抜な髪型でしたが、他の仕事への影響は?
宇賀那:ちょうど撮影が年末で、他の仕事が終わっているタイミングだったんです。斎藤さんは、とても協力的で、あのサングラスも自前なんです。シャボン玉のシーンなど、ワンシーン、ワンシーンの小道具を全て自分で用意されて。アクセサリーや衣装もこちらで用意していましたが、それ以外にトランク2つ分ぐらいの衣装を現場に持ってこられて、その中から選んだりしました。ブーツは10足以上ありました。あの髪型も事前の打合せで斎藤さんから「こういうイメージですよね!」ってメッセージが届いて、僕は髪型じゃなくてそういう悪役のイメージだと思って「そうです」と返信したところ、あのサイドを剃り込んだモヒカン頭で現場に現れ「監督、こういうことですよね!」って。僕も思わず「そうです」と答えました。脚本の部分に関してもいろいろ提案していただいて、映画に深みが出る結果になりました。

――今回は、普段のイメージと違い冷酷な警察官の役でした。
宇賀那:凄く楽しんで、振り切って演じていただきました。

――お互いに相談しながらなんですか?あの、舐めたりとか……。
宇賀那:あれはもう、アドリブですね。斎藤さんのシーンはアドリブが多かったです。チュッパチャプスもそうです。

saraba_0124_015.jpg ――森本のぶさんは、いかがでしたか?
宇賀那:ワークショップで森本さんの演技を見て以来、素晴らしい俳優さんだなって思っています。色々な角度から映画のことを見ていただいて、現場の空気も含め、ケアしていただき、良い感じに撮影ができました。

――三島という名前は、何か意味があったのですか?三島由紀夫とか?
宇賀那:そうなんです。三島由紀夫からきています。ひとつの反抗心を示そうという形で名付けました。

――それでは最後に、作品についてメッセージをお願いします。
宇賀那:音楽が題材の作品ですが、音楽だけの話ではなく、なにか自分の好きなことが抑圧された世界というものは誰でも当てはまることだと思うんです。そういったなにか好きなものがある人に観ていただきたい作品です。是非、劇場にお越しください。

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企画・脚本・監督:宇賀那健一
出演:
吉村界人・SUMIRE・若葉竜也・森本のぶ / 斎藤工
内木英二・川連廣明・泊帝・美館智範・カトウシンスケ・影山祐子・?木直子・田山由起・細川佳央
杉山拓也・仲上満・古澤光徳・伏見狸一・南久松真奈・高橋美津子・ミヤザキタケル・ヒス・ソニー
出演アーティスト:
大貫憲章 仲野茂 ASSFORT GOMESS 切腹ピストルズ 今村怜央 / 灰野敬二
渡辺俊美(ZOOT16・TOKYO NO.1 SOULSET)&三星幸紘・COLORED RICE MEN・GOMA・始発待ちアンダーグラウンド
リンダ&マーヤ・羊文学・SMASH YOUR FACE・INU(町田町蔵)・かせきさいだぁ・オキシドーターズ×遠藤ミチロウ
Trinite・桑名六道(ex.LIP CREAM)・仮面女子・藤井悟・笹口騒音オーケストラ・ばちかぶり(田口トモロヲ) Compact Club・Yuji Rerure Kawaguchi・ランキンタクシー・輪入道・jan and naomi・QP-CRAZY(殺害塩化ビニール)
忘れらんねえよ・U-zhaan・山川冬樹・WRENCH・FORWARD・非常階段・ギターウルフ・チバ大三
公式HP:http://www.saraba-seijaku.com/
公開:2018年1月27日(土)より、渋谷ユーロスペース他、順次全国公開予定

©映画『サラバ静寂』製作委員会
 














エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2018 / 01 / 24

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