インタビュー/記者会見

僕たちはただ、生きるために音楽を聴いた。
映画『サラバ静寂』
宇賀那健一監督×若葉竜也インタビュー!!
「役者の持ってるものを活かすような演出を」

saraba_0126_001.jpg いま大注目の若手俳優、吉村界人が主演を務め、モデルで映画初出演のSUMIREと映画や舞台で活躍中の若手実力派俳優の若葉竜也を迎え、映画『黒い暴動♥』の宇賀那健一監督による、娯楽が失われた世界を描いた、現代社会へ送る静かなるノイズ映画『サラバ静寂』が誕生した。前回に引き続き、今回は、本作の企画・脚本・監督を務める宇賀那健一とトキオ役の若葉竜也に映画『サラバ静寂』について話を聞いた。

■ストーリー
「遊楽法」という音楽や映画、小説などの娯楽が禁止される法律が施行された日本。ネジ工場で働くだけのつまらない生活を送っていたミズト(吉村界人)とトキオ(若葉竜也)はある日、偶然根絶されたはずの音楽が沢山保存されている廃墟を見つけてしまう。廃墟に通いつめ、どんどん音楽に魅了されていく2人は、未だに闇ライブが行われているという「サノバノイズ」の存在を知り、そこへいくことを夢見て一緒に音楽を作りだすのだが、音楽を心から憎んでいる杉村(斎藤工)率いる警察、そして、音楽を所持している罪で父親を殺されたヒカリ(SUMIRE)も2人のいる廃墟へと歩みを向けていた…。

saraba_0126_002.jpg ――二人の出会いについてお聞かせください。
宇賀那:出会いは、若葉君の撮った映画に僕が役者として出演しました。
若葉:自主映画を制作していて、その作品に参加していただきました。

――どんな印象でしたか? 
若葉:撮影に必死だったため、宇賀那さんとはあまり話しができていませんでした。
宇賀那:そうだね。現場が終わってから話をしました。撮影は、若葉君の仲の良いメンバーの中で、僕だけ知らない人みたいな感じだったから、最初はちょっとやりずらさがありました(笑)。
若葉:年齢的にも、宇賀那さんは歳上だったから。
宇賀那:そう、僕だけちょっと上でした。若葉君は僕に気を使ってくれましたが、他の仲間には気使わないんだよね。だから逆に僕がその仲間に気を使う感じで。
若葉:あれは何年前でしたか?僕が20歳くらいの時でした。
宇賀那:その後、連絡を取り合うことはなくて、去年『黒い暴動♥』でカンヌ映画祭に行った時に再会して。「また、何か一緒にやろうね」と。それが今回の『サラバ静寂』に繋がりました。

saraba_0126_003.jpg ――若葉さん、本作の『サラバ静寂』ですが、最初に脚本を読んだ時の印象は? 
若葉:確か、21歳という設定でしたよね。随分と年下の設定だったので「俺、いけるかなあ?」と。それが、一番印象に残ってます。
宇賀那:最終的には、年齢の設定を少し上げたんだよね。
若葉:内容的には、完成され過ぎてる脚本だと、役者としてのブレ方がなくなってしまうけど、ちゃんと余白のある脚本だったので「あ、現場でいろいろ試すことできるな」って感じました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?
若葉:和気あいあいとしていました。
宇賀那:まあ、仲良く。若葉君は大変だったと思います。実際の廃墟で撮影をしましたので、もう埃が凄くて。それが映像的には効果があったんですけど、キツかっただろうなって。
若葉:アレルギーみたいなものが出てしまって。
宇賀那:年末の撮影で、寒さもありました。
若葉:凄く寒かったです。
宇賀那:僕だけダウンを着て「申し訳ない」って思いながら撮影していました。

――お2人とも監督であり役者でもありますが、今回の現場と他の現場と比べていかがですか?
若葉:宇賀那さんがプレーヤーとしていることは、僕としてはプレッシャーで。上手い具合にごまかす瞬間って、役者だったらみんな経験があると思うんですけど。絶対に見逃さないと思うから、嘘はつけないなっていうプレッシャーはありました。別に、他の現場で嘘ついてるわけじゃないですけど(笑)。
宇賀那:僕は「こうやって」って言われてやらされるのが嫌なんです。他の役者もそうじゃないかなって思うので、そういう言い方は絶対にしないで概念的なことというか、もっとぼんやりとした感じで「これだったら、どう思う?」、「これだったら、こうなるんじゃない?」とか、役者の持ってるものを活かすような演出を心がけています。
若葉:いっぱいアイデアを聞き入れていただけたので、トキオとして生理的に合わない部分でないと宇賀那さんには意見をしませんでした。その部分も柔軟に聞き入れてくれました。

saraba_0124_012.jpg ――監督と他のキャストとの関係はいかがでしたか?
宇賀那:どうなんですかね?僕は若葉君も界人君も前から知った仲だったし、SUMIREさんは初めてでしたが、彼女が演技が初めてということで、事前に演技レッスンをしていましたので、やりやすくはありました。あと年齢も近かったこともあります。
――ギターのハウリングのシーンが印象的でした。実際にギターを弾ける人が、最初は弾けない設定でギターを触っていくシーンはいかがでしたか?
若葉:自分が弾けると、見ていて弾けない人って分かるんです。だから逆に弾けない人って、こういう動きするよなって。初めてギターを触った日のことも思い出しながら演じました。
宇賀那:最初は、お互いが完全なゼロベースから、その後は共通認識が上手く合った感じです。一番難しかったのは中間地点で、ギターを触りだして、このぐらいの時期はどうなんだろう?と随分と話し合った気がします。
若葉:そうでした。ギターの上達は、個々のセンスにもよりますから難しいところでした。
宇賀那:何を見て勉強したかにもよるし、だから「このぐらいかな?」っていうところは、探り探りやった気がします。

saraba_0126_004.jpg ――映画の中で見ている設定は、ノイズミュージックでしたが、その意図は?
宇賀那:今まで、ノイズの映像がないなと思っていた事があって、パンクも割とそうですよね。後は、いきなり音楽がない世界でエモーショナルな曲を聴いて“ワー”って感情が高まることも難しいので、人間の感情の根源的な部分に刺さるようにと、ノイズミュージックを選びました。

――役作りについては、事前に話し合はありましたか?
若葉:なかったです。
宇賀那:僕は、あまり話し込むことが好きじゃないんです。読み合わせもしません。お互いに固まってしまうのが嫌なんす。芝居が固まると自分でも飽きてしまうので。その場で何かが生まれて来る感じが好きなんです。

――役者さんからするとやりやすい環境ですよね?
若葉:リハーサルをやり過ぎると、どこにブレるかが見えちゃうっていうか、たとえば声が裏返るとか、そういう人間としてのブレってあるじゃないですか?それが「あっ、このシーンて、これぐらいブレるんだ」っていうところが見えた段階で、もうそれがブレの範囲ではなくなっていますよね。だからリハーサルが少ない現場っていうのは、自分でもビックリするような心のブレとか、ザラザラしたものが意外と映ったりするんです。今回は、良かったなと思いました。

――現在、映画監督と俳優としてお2人は活躍されていますが、意識されていることはありますか? 
若葉:この仕事って、ルーティンワークにしてしまったら面白くなくなってしまうと思うんです。だから自分が何者でもない状態で現場に入ることを意識してます。
宇賀那:映画は体験だなと思っていて、たとえば観る映画館や上映環境によって変わってきます。その映画館に1800円を払って、誰かともしくはひとりで観にいくことは、ひとつの体験だと思うんです。誰かとその場所で観たことは絶対に記憶に残るでしょ。ちゃんと大きなスクリーンで見せることを意識をもって作り手も作らないといけない。音も大切です。受け手としてもその体験を大切にしていきたいと思っています。

saraba_0126_005.jpg ――最後に、自主映画時代からの付き合いがあり、作品もお互いに何本も観られていると思いますが、改めて今現在の印象をお聞かせください。
宇賀那:メチャクチャ演技が上手いからムカつくなって思いますね(笑)。だから次に一緒に仕事した時はもうちょっとボロが出るような……。
若葉:そんな役を?
宇賀那:そう、ボロが出るような役をやってもらわないと困るなあって。みんなが必死な姿が見たいのに、悠々と上手いことやるから、腹が立つなあと思って。
若葉:僕も必死なんですよ。
宇賀那:もっとイジメたい(笑)。界人君が取材でよく「カットがかかるのが遅くて、トラウマみたいになっている」ってコメントしてますが、若葉君はなにも感じてないですから。
若葉:そうですか?そんなことないです。
宇賀那:だからちょっと次は、90分ワンカットかな?
若葉:演劇じゃないですか!
宇賀那:確かに。

――若葉さんから見ていかがですか?
若葉:元々知り合いだったということは大きくて、信頼して現場に入れたのは良かったです。「次も呼んでください!」
宇賀那:不思議だったのが、何年か前に知り合ってそのあとは会っていなかったのに、その間の信頼関係が構築されていたんです。
若葉:モノづくりの現場はその信頼関係を築き上げる力が凄いんだなと思いました。

――本日は、ありがとうございました。



【関連記事】企画・脚本・監督の宇賀那健一にインタビュー!!

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企画・脚本・監督:宇賀那健一
出演:
吉村界人・SUMIRE・若葉竜也・森本のぶ / 斎藤工
内木英二・川連廣明・泊帝・美館智範・カトウシンスケ・影山祐子・?木直子・田山由起・細川佳央
杉山拓也・仲上満・古澤光徳・伏見狸一・南久松真奈・高橋美津子・ミヤザキタケル・ヒス・ソニー
出演アーティスト:
大貫憲章 仲野茂 ASSFORT GOMESS 切腹ピストルズ 今村怜央 / 灰野敬二
渡辺俊美(ZOOT16・TOKYO NO.1 SOULSET)&三星幸紘・COLORED RICE MEN・GOMA・始発待ちアンダーグラウンド
リンダ&マーヤ・羊文学・SMASH YOUR FACE・INU(町田町蔵)・かせきさいだぁ・オキシドーターズ×遠藤ミチロウ
Trinite・桑名六道(ex.LIP CREAM)・仮面女子・藤井悟・笹口騒音オーケストラ・ばちかぶり(田口トモロヲ) Compact Club・Yuji Rerure Kawaguchi・ランキンタクシー・輪入道・jan and naomi・QP-CRAZY(殺害塩化ビニール)
忘れらんねえよ・U-zhaan・山川冬樹・WRENCH・FORWARD・非常階段・ギターウルフ・チバ大三
公式HP:http://www.saraba-seijaku.com/
公開:2018年1月27日(土)より、渋谷ユーロスペース他、順次全国公開予定

©映画『サラバ静寂』製作委員会
 














エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2018 / 01 / 26

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