サクラ咲くサク桜丘

謎多き街の謎?の店――RAIN FROG

rain_prof.jpg

【今回の桜な人々】
Bar&Kitchn RAIN FROG
岸 浩さん


〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町29-5-101(マップ


年が明け、新たな桜丘のみなさんに登場いただこうと街を歩く。桜通りの麓からグルッと回ってくる感じでJRの線路沿いまで戻ってくるうち、もう当コーナーが始まって1年も歩き回った桜丘なのに、いまも迷っている自分に気が付く。いや、迷っているのではなくて、新しい発見があると言うべきか。そういえば離れたあのエリアには飲食店が立ち並んでいたな、そう思って行ってみたら、そこは道一本を挟んでもう南平台町に入っていたとか。まだまだ把握していないことばかりだ。
“インフォスタワーの裏手”、ここもやっかいである。少々入り組んだ路地がいろいろなところと繋がっている。『nouvelle chinois 一品香』や『ローディ』、『ウッドマン 渋谷店』のあるセルリアンタワー側からインフォスタワーの裏に抜けようとすると、中継点となる『らーめん屋OKZAKI』の前まで3本の路地がある。「あれ、『Miraflores 渋谷店』や『MeWe』がある路地はどっちだ?」などといまだに迷ってしまうわけだが、ひょっとしたらその先には新しい発見も隠されていて――。

rain_01.jpg

「そうなんですよね。碁盤の目のような区画というのはたしかに便利ですが、同じような風景になってしまいがちです。しかし入り組んだ路地なんかだと、思いがけないものに出会ったりします。それがこのエリアはもちろん、桜丘の街全体なのではないでしょうか」
ある日の夕暮れ、迷いながら『らーめん屋OKZAKI』の前を通ったとき、左隣にバーがあることにふと気が付いた。しょっちゅう歩き回っているはずなのに、なぜこれまで気が付かなかったのだろう? あ、昨年末にオープンされたとか……??
「いや、昨年の12月で11年目に突入しました(笑)。オープンが夜7時からで、昼間はシャッターが閉まっているだけで看板もありませんから、気付かれなかったのだと思います。いま来ていただいているお客さまでもそういう方は多かったですからね。ですから当店も桜丘のように、思いがけずに出会う店かもしれませんね(ニッコリ)」
今回の主役は『Bar&Kitchn RAINFROG(レインフロッグ)』、にこやかに迎えてくれたのは店長の岸浩さんである。

店内でまず目を引くのはバーカウンター向こうに居並ぶ洋楽CDの数々。「小さいころから音楽が好きだと、中学校のときにほぼ必ず洋楽を聴いてみるようになるじゃないですか。私も『QUEEN』なんかをよく聴いていて、70年代から80年代が直撃の世代です。やはり店をやるのならばそれを活かして、音楽を聴きながらゆっくり落ち着ける店にしようと思いました」。そう語る岸さん、もともとは出版業界に勤めていたところ、30代半ばで脱サラをしてRAIN FROGを開店。音楽を聴きながらゆっくり落ち着けるという狙い通りに、控えめの照明に映える音楽、そして酒を楽しみにしたお客さんが毎夜集う。

rain_02.jpg

「店のオープン以前はもとより、いまも自分で飲むのは新宿が多いんです。でも、オープンするなら新宿よりも大人の街の渋谷にしようと思ったんですね。そこで探していたら、この場所が見つかりました。立地としては変わっている? いやいや、それがよかったんです。申しましたとおり、この近辺は路地が入り組んでいてふと思いがけないものに出会ったりしますし、桜丘でもここは坂を上がりきった頂上なんですよね。だからまさに“峠の茶屋”のような店になるなあ、そう思って一目で気に入って決めたんですよ」
駅から歩いて5分だというのにこんなに謎な街があって……ウチも謎の街の謎な店なのかもしれませんね(笑)――そう笑う岸さんの目の前では、店名にもある“カエル”の置物も微笑んでいる。
「飲食店で“カエル”って付くのは珍しいかなと思って、トム・ウェイツの『RAIN DOG』という曲を合わせました。また、カエルは水に濡れると元気になりますから、『RAIN FROG』なら元気になれる、そういう思いもあるんです。つまり……みなさん想像される“アマガエル”って意味ではないんですけれど、覚えていただけるからそれでもいいです(笑)」

謎の街の夕闇とともに姿を現す謎の店『RAIN FROG』。にこやかな店長による音楽と酒、そんな“魔法の水”で、今日も桜丘にやってきた“家にカエル”前の大人たちを元気にしている。



Q・あなたにとって桜丘とは?
「裏切られる、と言いますか、思いがけないものに出会う街です」


rain_03.jpg

圧巻のCDラックが迎えてくれる店内。営業中の照明はこれより暗めで、音楽と酒が映える落ち着いた空気が広がります


rain_04.jpg

すでに流れている曲もいいけれど、自分の好きなアーティストを書けてもらいたくなるのが人情。岸さんに聞けばおそらくあなたのフェイバリットが出てきます


rain_05.jpg

「キッチン」の名も輝かしいRAIN FROGは食事メニューも充実。「『酒盗のピザ』なんかもおすすめですが、今日はこれで。名前は......カレーです。"カレーのハーフ"(笑)」(岸さん)。チキンや野菜類、ヨーグルトなどが溶け込みまくったカレーは味わい充分。680円でさらに幸せな時間が味わえます

rain_06.jpg

左)こちらはラムの逸品、ロンサカパ・センテナリオ23y(ワンショット1380円)。サトウキビが原料のグァテマラ産のラムでございます。23年熟成のまろやかな甘味がクセになる一杯、ストレートかロックでどうぞ
右)こちら、なんと世界最古とも言われているケンタッキー・バーボンのエライジャ・クレイグ。「キープボトルとして頼まれて、ゆっくり飲まれる方が多いです」(岸さん)という一本は9980円ショットでいただくと980円ですよ







  エンタメ サクラ咲くサク桜丘   記:  2012 / 01 / 19

あそびすとショップ

美味良品 おとりよせしました

編集長!今日はどちらへ?

アラカン編集長モンブランを行く!

BigUp

asobist creator's file

  1. はいコチラ、酔っぱライ部
  2. ikkieの音楽総研
  3. 旅ゆけば博打メシ
  4. うららの愛♡Camera
  5. Tomoka's マクロビカフェ
  6. 三笘育の登山は想像力
  7. 憎いウンチクshow
シネマピア
おもいでリストにエントリー確実、話題の映画!
【映画レビュー】ザ・タワー

建物の外が突然、暗闇に覆われた&h…

旅塾

▲このページのトップへ