サクラ咲くサク桜丘

LOUNGE CLUB jun――大人の街・桜丘にjunがある必然

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【今回の桜な人々】
LOUNGE CLUB jun
西田幸永
さん

〒150-0031
渋谷区桜丘町2-8 B1F  マップ


久しぶりに“夜の桜丘”に行ってみよう。

その店は以前から、お昼どきにカラオケ歌い放題、いわゆる“昼カラ”のお店として目にしていた。なんとなくのイメージとして、そういうお店は砕けた印象のお店が多い。夜、軽い気持ちで再訪してみた。
「あーなるほど……でもウチのマスター、取材とか受けないですよ。会員制のお店ですしね……。会員制の昼カラ? あ、あれはまた別の方にお昼、貸していて会員制ではありませんよ。サービスもよくて結構な人気で、なんでもネットの“日本の昼カラ店”ランキングで三本の指に入っているとか……」
と、バーテンダー女史に話を聞いていると、バリッとした背広姿でそのマスターがやってきた。
 

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お店の女性からの信頼も厚い西田さん

「どうも、ようこそいらっしゃいました。私どもの店は“ラウンジクラブ”と呼ばれるもので、お酒を召し上がりに来たお客さまを女性がお持て成しをするお店です。近頃の渋谷などにあるキャバクラとかとは違いまして、落ち着いて楽しんでいただく必要があります。失礼な言い方ですが、一組一人でもおかしなお客さんがおられるとその雰囲気は壊れてしまう。そのために会員制……まあこのご時世もあるので、完全に会員制とは言いませんが、それは私が30年間やって来た目で、一見のお客さんをお通しするかお帰りいただくかを判断しています。それ故に、女性を前に出しても出さなくても宣伝をしたり取材などはお受けしていないのが現状です。
……ですが、あなた方のこのコーナーでの取り上げ方などを拝見していると、どうも宣伝ばかりではなさそうですね。少しお話をうかがいましょうか」
お話しすること30分あまり。「うん、桜丘で30年間やって来たこのお店のことを聞いてもらい、掲載していただける。桜丘の歴史の一ページとしてならば、読んでおかしなお客さんも来ないでしょう。失礼をいたしました、喜んで出させていただきますよ(ニッコリ)」
目の前の紳士、マスターの西田幸永さんがそう微笑んだ。ここは『LOUNGE CLUB jun(ラウンジクラブ ジュン)』。バックにはピアノの生演奏が流れていた。



今し方も申し上げましたが、このお店というのはラウンジクラブ、女性がお客さんに付いて接客をさせていただくお店です。再三例にして申し訳ないですが、キャバクラなども女性が付いてのお店ですけれども、騒がしい……というもまた申し訳ないですが(笑)、あまり賑やかにやって、また女性も入れ替わり立ち替わり……というお店とは違うのですね。ゆっくり落ち着いて、リラックスしてお酒と時間を楽しんでいただく。流れているのはこの生演奏のピアノと、それとカラオケだけです。カラオケはお客さんも好きですけれども、私も好きなものですからね(笑)。ただ、あまり好まれないお客さんももちろんいますから、フロアによってスピーカーを切り替えて、音を小さくしたりはするんですよ。
そういう考えで営業をしていますから、わずかおひとりでも場にそぐわないお客さんがいると、すべてが崩れてしまいます。なので、昔からのお客さんやその紹介の方々の会員制という形を取っています。ただ、厳しいご時世なのはどの業界でも同じですからね。一見のお客さんでも私が見て、「ああ、この人は大丈夫だな」という方にはお入りいただけますね。それでおかしなことになったお客さんはほとんどいませんよ。やっぱり30年間見てきておりますからね(ニッコリ)。
 

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この30年間、ずっと桜丘でやっています。今この目の前の坂(中央通り)を上がっていった途中にホテル……『グリンベルホテル』ですか。以前はそこで営業をしていたのですが、ホテルができることで立ち退きになったんです。そしてこの場所に移ってきたのが03年です。この約10年……どころか30年間、変わらないお客さんに来ていただいていますね。(マスター、電話ですよー!)あ、すみません、少々お待ちください………………失礼いたしました、ありがたくもお客さんからの予約の電話でした。遠方から予約できていただけるお客さんも多いですから、嬉しいですね。
30年間、桜丘を見ていますけれども、このような業態のお店もひとつなくなりふたつなくなり……で、いまや桜丘には、いや、渋谷を眺めてもこの『jun』くらいになってしまったのではないでしょうか。桜丘では本当にここだけでしょう。寂しい話ですが、不景気という現状もありますし、また、女性の方がされているお店はなかなか長くはできないのでしょうね。たとえば30年……身体の具合の面もありますが、ママ目当てに来られるお客さんがおられますが、その面で引き際を考えられる方も多いのではないでしょうか。その点、男性であれば、私を例に取れば身体の面でもお店に出続けられますしね。私がいることでお店に来てくれるお客さん……それはたとえ女性がいても、私目当てが8割以上だと思いますが(笑)、それに応えてお店に出ることは女性よりも男性のほうが長くできる、その結果の30年でしょうね。

こういったお店が渋谷全体でもなくなる中で、桜丘に残っているというのは意味があることなのかもしれません。このように賑わう前、それこそ桜並木もなく、インフォスタワーもセルリアンタワーもなかった時期から見続けていますが、渋谷駅前と言っていい場所なのに、商業地も住宅地もあってまた静かというのは変わっておりません。その場に静かに、というか落ち着いて楽しめる、大人の店が残っている。これは必然だったのかもわかりませんね。
30年間のうち、この場所に移って10年。再開発の話も進んでいるようですが、また10年変わらず、元気にこのお店でお客さんを迎えられるよう頑張りたいですね(ニッコリ)。



話は尽きぬまま、開店時間と同時に先ほど予約したお客さんが到着したようだ。「すみません、お客さんが来てしまいました。また今度は遊びにいらしてください。ゆっくりいろいろとお話ししましょう」
そういう西田さんに「私たちは迎えていただけるお客さんですか?」と聞いてみた。すると30年間をここで過ごすマスターはこぼれるような笑顔でこう言った。
「当たり前じゃないですか。今日この取材での撮影やお話しをしていればわかります。またぜひいらしてください」
かすかにまた、ピアノの演奏が聞こえる――。

あなたもきっと、歴史を紡ぐマスターのお眼鏡に適うことだろう。酒を楽しむもよし、そしてマスターの話を聞くもよし。
大人の街に残る、大人の店。『LOUNGE CLUB jun』に、乾杯――。


Q・あなたにとって桜丘とは?

「大人の店が残る、大人の街ですよね」

 

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シックな佇まいの店内。営業中は各テーブルにセットされたグラス類が静かに踊り出す――
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お店の象徴でもあるきらびやかなバーカウンター。
生演奏のピアノが店内を潤します
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「当店はトイレも自慢ですよ」と西田さんが教えてくれたトイレ。
きれいなトイレは入って落ち着きますよね





  エンタメ サクラ咲くサク桜丘   記:  2012 / 06 / 11

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