編集長!今日はどちらへ?

2017 Sumer in Europe‐1‐ダンデジュアン

2017 / 08 / 01

2017年7月12日
「ダンデジュアン・Dent du Géant(仏):巨人の歯(牙)4013m」と名付けられた岩峰の、さほど広くはない頂には、漆黒のマリア像がうつむき加減の眼差しで迎えてくれた。
登ってくる間中、恐ろしいばかりの風が吹き荒んで、頂きにたどり着いても寒くて歯の根も合わず身体中がたがた震えが止まらない、指先が冷たいを通り越してジンジンと痛いが、その寒さもここまでの道のりの大変さも、何もかも雲散霧消して、ただただもう感動していた。
何しろ3年越しの念願のダンデジュアンだった。
泣きそうだった。
ヨーロッパアルプスの美しい山並みの連なりを一望に見渡し、漆黒のマリア様の愛に包まれ、私はこれ以上はない幸福感に満たされていた。

datin170801_01.jpg 思えば長い道のりだった。
私がダンデジュアンに思いを寄せるようになったのは2014年の夏だった。イタリアの第2峰グランパラディソの登山を終えた帰り道、クールマイヨールの街で昼食を摂った。腹ごなしにだったか街を散策して、山岳ガイド協会のオフィスを見つけて立ち寄った。オフィスにはガイドメニューになっている山行のパンフが置いてあった。その中のひとつ、ちょっと小さ目なパンフではあるが際立って特徴的な表紙の写真が目を引いた。

滑らかに白く輝く雪稜の上を蟻んこほどのクライマーが数名歩いている。その行く手には見事までの尖峰が立ちはだかっている。
手に取って眺めれば眺めるほどに、その山容は私の心を鷲掴みにした。
なんて魅力的な姿なんだろう!
それがダンデジュアンだった。

datin170801_002.jpg 「これって、この岩峰を登るんですか?」「登れるんですか?」
いとも簡単に篠原ガイドは答えた。
「登れますよ」

翌2015年夏
ダンデジュアン山行は計画された。
が…
なんと登攀基地となるべきトリノ小屋が改装のため宿泊できないと!そうなると事情は大きく変わってくる。山行計画は実行されたが、私は参加しなかった。なぜなら…
小屋が営業していないとなると、その日のうちにロープウェイで上がって、登頂してロープウェイで降りてこなければならない。ロープウェイの始発は7:00、最終は16:00。すなわち歩き始められるのは8:00過ぎだから、8時間で行って帰ってこなければならない。普通に体力、脚力があり、歩行スピードに問題ない、少し早目のクライマーなら、できない行程ではないのだが、歩きの遅い、非力な私には到底、無理な相談だった。
結果的には、なんでも改装費用の資金ショート補填のためトリノ小屋は期間限定で再開していた。現地ガイドの到着を待ったために出発が遅れ、行って帰ってで9時間を要したので、下りの最終ロープウィには間に合わず下山後トリノ小屋でもう1泊したという事らしかったが、ともかくも登頂の朗報が届いた。友人らの登頂を喜びながら、私の目は恐らく底の方で緑色を帯びていたはずだ。

2016年夏
ダンデジュアンは依然として胸に棲み続けてはいたが、私の体力低下は著しく、総合的にみてダンデジュアンは無理があるという判断で、代替案でエギュドミディ南壁レビュファールートにトライすることになった。それは素晴らしいマルチクライミングだった。望むらくはもう少しクラックの技術を習得し、どこまでも付きまとう体力問題、持続力、体力、筋力があれば、もっと素敵なクライミングができたには違いないが。
シャモニーの街でご飯していたら、知り合いのガイドさんパーティーが通りすがった。聞けばダンデジュアン登攀をしてきたという。その人らに向けた私の視線は間違いなく緑色をしていたに違いない。
ダンデジュアンに登りたい、私の願望ありきで実行されたことによって、ダンデジュアン登攀が他のパーティーでも実行されるようになったのは嬉しい限りのことには違いないが、肝心の私はまだ登れていない。それ以前にトライする途にもついていない…

シャモニーの最後の夕食をしていて聞かれた。
「来年はどこへ行きたいですか?」
すかさず答えた。
「ダンデジュアン!」











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