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4月20日頃、Kさんの畑にナスが植えてあった。早い!早すぎる。他の畑はまだ植えていないが、時間の問題だ。誰かが植えると、それが合図となって一斉に植えられる。連休には近所の花屋にも苗が並ぶのだが、気持ちは待てない。Kさんにお願いすれば、たぶんすぐに買いにいってくれるとは思うが、それはしたくない。だってわたしたちってプチライバルなんだもん。
Kさんはドイトで苗を買っているときに、わたしのことが頭をよぎらないのかなあ。カワイソーなわたし。ならば自力でビバホームまで歩くぞと思い立ち、「わたしも苗を買いにいってきまーす」と元気にKさんに挨拶をして、出かける。坂を上がったり下りたりしながら30分ほど。チカレタビーなのだ。

しかし、ビバホームにはまだ苗がなかった。代わりにジャガイモの肥料を購入。ちゃんと有機肥料と明記してある。苗は連休を待つしかないかと諦めつつ、帰り道は裏道を通って帰る。途中竹やぶを通りかかると「奥さん筍持っていきなよ!」と竹やぶからおじさんの声。「今、掘ってやっからよ」と素早く作業。この場合プレゼントと思ってはいけない。
「二つじゃ足んねえべ」「いや、それで充分」「こればっかでいいんかい」こんなやりとりをしながらも、いったいいくらと言うんだろーとか考える。スーパーで買うと一つ400円位。二つだから・・・。
「じゃ、サンビャクー」「うん、サンビャクエンね!」決まりである。安い場合は、すかさずOKを出す。
おじさんはちょっと安かったかなという表情をしたが、放っておいてもどんどん生えてくる筍だし、まあいいかという感じ。おつりを貰うためにおじさんの畑に移動する。おじさんは大地主だ。南斜面に広がる畑はかなり広い。それにあの大きな竹林も所有しているわけだ。よく見るとこのおじさんすごいハンサム。わたしが悪い女なら騙したくなる条件かもしれない。
「あのさ、みかん狩りにおいでよ。ウチのみかんうまいんだぞ」
広い畑と竹林だけじゃなく、みかん林もあるんだ。
「みかん狩りっていつ?」
「そりゃーみかんの季節さ。11月ころだべ」
「11月?憶えていたらね。たぶん忘れちゃうけどね」
「看板出しといてやるよ。オクサンのためにさ。ホレ、そこの角に」
おじさんは、わたしが畑をしていることを言うといろいろ教えてくれた。ジャガイモの連作はOKとか。買ってきたジャガイモの肥料は有機肥料なんかじゃなくて、ただの化成肥料だとか・・・。・・・。・・・。
ウウッ、騙された。ただの化成肥料の倍の値段を払ってただの化成肥料を買ってしまった。しかも、30分も坂道歩いて・・・。苗も買えず、Kさんに自慢もできず。
でも、おじさんと友達になれたことはよかったかなー。
「この車が停まっているときは、いつもいるから声をかけてよ」
「分かったー。また教えてねー」
もしも、今の畑が取り上げられたらおじさんに貸してもらおう。空き地を使い切れないって言ってたものね。聞いちゃったもんね。ちょっと家から遠いけど、おじさんとトラクタ付きだから作付け面積も増やせるかもしれないし・・・。
こういう考えって、獲らぬ狸の皮算用ってのに属するのかなー。
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