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なかつりょうこの Time is... タイトル

Essay 昔のこと、今のこと巣(1)

ベランダによく巣を作られます。8年の間に5回です。

初めはクモです。「クモぐらいどこだって」と思われるかもしれません。そうじゃないんです。一般的なクモの巣ではなく、正真正銘の巣。つまり、卵を産みつけられてしまったんです。 「最近よく子グモを見かけるなあ」とふとベランダの天井を見上げると、いるわいるわ。米粒の先にも満たないサイズの赤茶色の“生き物”がウジャウジャ。

「○△☆☆〜!!!」 “一寸の虫にも五分の魂”などという教えは大空の彼方に消えうせ、懸命に殺虫剤を吹きかけた結果、一匹また一匹と、ブラーン、ブラーン。

大人のクモなら、死んでぶら下がってもその体重でちゃんと地面まで着地してくれます。しかし子グモの場合、軽すぎて途中で止まってしまうんです。それらが風に吹かれて揺れる様といったら。しかもその数、ハンパではありません。放っておくこともできず、考えた末はさみで一本ずつ切り落としていくことにしたわけですが、よほど目を凝らさなければ、いったいどこに糸があるのか。「この辺かな?」と狙いを定めてチョキン。そうしている内突風が吹いて…。まったく悪夢のようなできごとでした。

当時は姉とふたりで暮らしていましたので、ひと段落ついてから姉にベランダを点検してもらったところ、天井と壁の境目に小さな隙間があるのが見つかりました。その中には、さらに今かえらんとする卵の姿が。危ない危ない。速やかに撤去し(もちろん姉が)、ようやくひと安心することができました。

一年ほどたって、お次は蜂です。

やはりベランダの天井に、今度は何やら土の塊のようなものが。いぶかしんでいると、どこからともなく蜂がブーン。詳しくないので種類はわかりませんが、少なくともミツバチの3倍はあるように思われました。

「おいおい、勘弁しておくれ」 それでも“しばらくは”と様子を見ていたところ、その蜂、両足(6本足?)で土の塊をしっかりと挟み込み、忙しく頭を動かしている内に、はじめはただの灰色の塊でしかなかった物体が、見る見る美しい筒型に変貌していくではありませんか。

「ああそうか、外から土を運んできて、お、口から何か出しているぞ。なるほど、ああやって形を造っていくんだな」 その作業は鮮やかというより他はなく、観察し続けていたい気持ちもあったのですが、蜂の巣は放っておくと手に負えなくなると聞いたことがありました。このままでは洗濯もできませんし、何より全部できあがってから壊すのは、それまでの蜂の苦労を台無しにしてしまうことになります。(クモに比べてずい分優しいです)少々残念な気もしましたが、“筒”が3つに増えた時点で、やはり姉に取り除いてもらいました。

その後引越しをしまして、ひとり暮らしをはじめました。そこにやってきたのは…。(次回に続く


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