― ひとり文(ぶみ) ―
たくさんの人とすれ違った
都会には少し遠い
小さな町の片隅
ふるぼけたビルを見下ろす空は
初めてキスした時のこと
いつまで覚えておいででしょうか
Love letter for you
近頃は本ばかり読んでいます
Love letter for you
私は元気です
ひとり芝居に夢中になって
涙のたまる場所さえ
わかり合えずにいたね
ゆく川の水は絶えることなく
いつか浸した手のぬくもり
消えては浮かぶ夢のうたかた
Love letter for you
夜更かしを重ねても答えはなくて
Love letter for you
私は元気です
ため息まじりの日々を数えて
小首をかしげては
何とかなるって信じている
ふるぼけたビルから見上げた空は
初めてキスした時のこと
ほんとに覚えておいででしょうか
Love letter for you
いつの日かもう一度会えますねと
Love letter for you
私は元気です
Love letter for you
ふたりきりもう一度笑えますねと
頬杖つきつつ
今日もまた ひとり文
私は元気です
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メールが普及する前の時代でした。ポケベルが「新しい」と言われていた頃。ずいぶんたくさんの手紙を書きました。当時はまだ実家に住んでいましたので、両親が寝たあと机の灯りだけつけて、まるで日記のようにあれこれと。出さなかったものもいっぱい。出せなかった、のかな。
夜中の手紙は夢うつつ。朝起きて読み返してみたら、「なんだこれは!」
それもまた、青春。 |