久々に、眞理子と食事をした。
20代後半からの友人の荒井眞理子は役者である。大女優ではない。
超一流劇団の養成所を出てから、友人のちいさな劇団をずっと支えてきた。わがままな演出家にして主催者、入れ替わり立ち代り入っては出ていく若手の役者たち、仕事の手配、家賃・光熱費その他諸々を一手に引き受け、黒子として支え続けてきた。だけどある時、自分の人生をつくづく考えて「やっぱり役者をやりたい!」と、役者に戻った。ブランクがあるから、初歩のようなところから出直しである。
ドラマの端役でお店のおかみさんや近所のおばさん。再現ドラマのお母さんやお姑さんなどなど。CMでは野際陽子さんと競演もしている。
若手劇団に毎回客演をたのまれて、健闘している姿は、初々しさとベテランの落ち着きとが相まって、なかなかインパクトがあり、回を重ねるたびうまくなっている。
彼女を見ていると、「継続は力だ」とつくづく思う。20代からずっと途切れることなく、演劇の世界に居続けたこと。そして役者に戻ろうとする思いと情熱の継続。長い間役者のそばにいて、役者じゃなかったことが、かえって演技というものを客観的に見つめることが出来たのだと思う。
長年、恋も仕事も人生も、いろいろあったことだろうが、その紆余曲折を、実生活を、しっかり生きてきたことが今の存在感に繋がってもいるに違いない。
最近は、監督に「お母さん、うまい!!」といわれたりもするらしいから、これからどんな役者になるのだろう。まだまだ型にはまらず成長し続けるんだろなぁ。
50代から可能性を感じさせるなんて、さすがだね。密かに応援してるよ。
そんな眞理子と若手俳優ばかりの舞台「あずみ」を明治座で見て(スーパー歌舞伎ばりの宙吊りがあって「私もやりたい!!」と口走ってしまった)
そこそこ楽しんだあと、人形町の「山葵」へ。まあ、店の作りは普通の居酒屋だが侮ってはいけない。どうしても来ようと思っていた店だ。
突き出しがたっぷり3種。お酒は溢れるほど、いや溢れてなみなみと。呑み助にはうれしい限り。刺身盛りは品数が多くて新鮮その上、その日の旬の魚の中から選べるのがうれしい。ポテトサラダが変わっている。必食!!
生湯葉の雲丹あんかけ、きのこ野菜豆腐もおいしかった。2、3杯づつ飲んで食べて、二人で7、000円強とは、とってもリーズナブル。二人共「また来ます!」と誓って店を出た。残念なのは10時30分ごろに閉まってしまうことだ。
「またね!」と颯爽と去っていく荒井眞理子の後姿は、落ちこぼれてしまった私にはとっても眩しかった。
人形町 甘酒横丁 「山葵」03−3666−6977 ( ぐるなび店舗ページ ) |