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夏目 麻生の
なんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−

湯めぐり たんげ温泉 美郷館
UPDATED 06-06-06

「今年は1日から出かけるからね」とKから連絡があった。 5月の連休は毎年、Kたちと温泉に行く。
「ごめん。もしかして仕事で1日からは難しいかも」 「なんとかならない!」「う〜ん、がんばってみる」
とは言ったものの、仕事は共同作業。クライアント側のスケジュールや、ライター、デザイナーの仕事の進み具合でスケジュールは流動する。しかも、納品日は延ばせない。

やはりどうにもならず、平身低頭、延ばしてもらって2日に出発。 2日だってやっと。鞄にはこっそり、仕事の資料を詰め込んである。だからいつも、私の鞄は人のより重たい。

まず、新潟県のKのスキーマンションで1泊。 冬に娘や息子たちが友人とスキーで楽しんだ、後片付けをするためだ。 1人で片付けるのはつまらないから、友達同行。皆でわいわい、あっという間に片付ける。 そこで今度は、上げ膳据え膳と露天風呂のごほうびという訳。 主婦の生き方の知恵はすごいなぁー。脱帽! と言うことで、たんげ温泉 美郷館にいざ行かん。


有名な群馬四万温泉はご存知だろうか。その近く、山合いの奥に旅館が1軒だけある。
鄙びた旅館を想像していたのだが、これがまったく違う。建物は新しく、ロビーは吹き抜けの豪快な作りで、ちょっと圧倒される。なんでも日本最後の木曳職人が手掛けた総欅造りで、300年〜500年級の欅を使っているそうだ。

早めについたので今がチャンスと、さっそく露天風呂へ。露天風呂の他に小さい貸切露天風呂が2つ。ここがなかなか良い。誰も入ってこないから外側のすのこに寝そべった。目の下は川、対岸は山で、開放感があり、瀬音が心をほぐしていく。湯気と一緒に仕事は、頭の中からさっぱり消えうせた。露天風呂も大浴場もマル。

部屋には掘りごたつがあった。今年はちょっと寒めだから、これがなんともちょうど良い。寝ころんでも良し、窓から川をながめるのも良し、足元ほんわり、風呂上りなのも手伝って、おしゃべりな3人ともそろってボーっと無口。 う〜ん幸せ!この感じがたまりません。

うるい、山葵、ふきのとうといった山菜や岩魚などを中心の料理も高感度。

ここへ来たら、裏山の散策がお勧め。自然に、上手に手を加えてあって千手観音堂や展望台もある。白根葵、いかり草、が美しい。気が付くと驚くほどそばにニホンカモシカが!(シャッターチャンスは逃がしてしまった!!)



新潟に戻って恒例の山菜(ふきのとう)取り。今年は寒かったので私たちの秘密の穴場は、雪がたくさん残っていてびっくり。それでも雪を踏み、崖を上り、執念でいつもの5分の1ほどを摘む。さっそく天麩羅にして熱々を頬張る。どこで食べるより濃厚な、春の薫りとほろ苦さがしみわたる。ずっと忘れない、認知症になってもきっと体が覚えている、私の5月の記憶。

雪が残り、湖が凍り、桜が満開の、いつもとちょっと違う今年の5月。 あぁ、鶯が鳴いた。




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