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夏目 麻生の
なんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−

ふたりで暮らせば
UPDATED 06-08-29

長男が独立をしてから、我が家は次男とのふたり暮し。
ふたりになって、「ふーん!」と思うことがたくさんある。
ふたりという人間関係はこんなにも密なものか、と思った。

息子がふたりのときは、仕事をしながら、それぞれに合わせた心配りや家事労働をしているつもりでも、こちらの心のひとりに係わるウェイトは、2分の1づつとは言わないまでも、なんとなく3分の2位になっていたのかと、いまになって思い当たる。
「やだな、冷やし中華嫌いなのは、にいさん!」あれ、そうでしたっけ??

ふたりっきりだと、人間関係がすっきり単純で、お互いがまっすぐ向かい合うから、分かり合える。そのかわり衝突することも度々。なんだか親の権威は薄れて、互角の勝負となってしまう。よく話すようになったかわり、ジェネレーションギャップも手伝って議論沸騰。おまけにチャンネル争いまでも…。
もしかして、ふたりっきりになった熟年夫婦って、きっとこんなのかしら。

半年前からようやくほんの少しづつ仕事の話が来るようになって、「やった!これで履歴書にフリーターって書かなくてよくなった!!」と喜んでいる、漫画家のたまごのたまごの次男との生活は、やっぱりちょっと普通じゃない。

漫画家とは完全な夜行性らしい。夜中中パソコンの前に座り、カタカタ、ごそごそ、ぶつぶつ。携帯がなる「おぉ、なに、・・・・」。果ては、思うようにいかないのか、ドン、ドン!隣の部屋の私は飛び起きること頻繁。「いい加減にしなさい!」寝不足もいいところ。いずれ防音装置が必要だ。
お隣の老夫婦には申し訳なく、お会いすると平身低頭米つきバッタのようになってしまう。

仕事をもらうようになって、驚いた。シャイで友人は極端に少ないはずが、インターネットで漫画家仲間との交流が広がり、会ったこともない人たちに誘われて花見や飲み会に参加する。前はバイトの振込みが遅れていても、催促の電話もかけられなかった人が、「仕事をください」と出版社の担当に電話をしている。やっぱり好きなことをやれるのが幸せなことなのだな。よかったよかった。

とはいえ、収入は雀の涙。アンソロジーというマイナーな分野で、一冊を10数人で描くので、ひとり6〜12ページ。1〜2ヶ月かかって収入は10万円を切る。駆け出しだから、実力からいっても掛け持ちは受けきれない。涙を呑んで断わることも。あぁ、もったいない。けれど私が描くわけにもいかないし。

「25、いや27歳までにはひとり立ちします!」と宣言している。が、どうですかねぇ。
でも、もしかして、もしかして、万一にも売れるようになるかもと思うのは親バカかしら…。
そうだ、そのときのために、「そういえば、小さいときに君、大きくなったらお母さんにお家を買ってあげるって、言ってたよね」「あっ、あれ。子供のたわごとと忘れてください」
そうですか。まっ、少しは現実が見えるようになってきたと喜びますか。

「それより、誰かお金持ちと再婚したらどおぉ。ぼくも同居させてもらえる位の大金持ちがいいな」「冗談でしょ。10年前ならいざ知らず、無理、無理!」
はぁー!やっぱり、ぜーんぜん、分かってない。
かじれるスネは、もう、ほとんど残ってないんですが・・・!




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