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夏目 麻生の
なんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−

美味しい空間12 リストランテ濱崎
UPDATED 06-12-08

予約の取れない店として有名。私も「どこか好きな店に…」と言われて、「では、この機会に!」と予約を入れるのですが、2回ともダメでした。先日、ダメモトで、電話をしましたがやはり、満席。行けないとなると、どうしてもと思うのは、ミーハーなのかしら。仕事や恋愛のこととなるとあっさり諦めるのに、こと、食べることになると俄然、頑張るのはどうしたことでしょう。「もし、キャンセルが出たら、ぜひ、お知らせください」

千載一遇のチャンス。キャンセルが出たのです。降る雨もなんのその、興味津々の一つ「濱崎シェフが惚れ込んで、店作りの基本とした、イタリアの最高級の木製家具の『チェコッティ』の椅子」にも出会えると、ワクワクして、バタバタと仕事を終え、事務所を出ました。

リストランテ濱崎青山の路地の奥、「ここでいいのかしら」そろそろ心細くなりかけた、ほぼ住宅街という静かな場所に、こじんまりとした佇まいの店構え。シンプルで、スッとした内装デザインは、京都室町・和久傳 でも話題になった、アシハラ ヒロコ氏で、私の好み。席に案内されて「あぁ、この椅子ですね…」と座ってみる。すわり心地が良いというか、ふわぁっと馴染んで座っているということさえ忘れてしまう(自宅の椅子に座っていると、腰掛けていることを考えもしませんよね)という感じ。さすが!!

 

さてお料理。 コースは、お魚かお肉のどちらかを選ぶ軽いタイプにした。

メニューを見ている間に、パルメジャーノ・レジャーノを薄くパリパリに焼き上げたものがでた。香ばしいチーズの香りと味が、食欲を刺激する。アンティパストは「トコブシとウイキョウの軽いスープ仕立て」ほんの少量だけれどトコブシは味わい深く、ウイキョウとの相性は不思議と良い。印象的。

 

前菜は「季節の素材を生かした 8品の盛り合わせ」(写真左上より)

@南瓜のスープ(スプーンに、砕いたクッキーがほんの少し乗っていてスープに入れて食す。濃厚で、コンソメジュレと相まって美味)
A舞茸のフリット(カレー風味、ちょっと違和感あり)
B江戸前穴子の炭火焼(錦糸瓜とトマト添え。 錦糸瓜を和食以外で食べたのは初めて)
Cミニクロワッサン・タプナード(アンチョビー・黒オリーブなどのペーストを挟んである。ズッキーニとサワークリームのソース添え。連れは非常に気に入ったよう)
D白いんげんの煮込み
E蛸のマリネ(ジャガイモ添え。爽やかな味)
Fヒラメのカルパッチョ(白板昆布包み、千切り野菜添え)
G秋カマス香草パン粉焼

これらが四角い白い皿に並べられている。まさに、懐石の八寸のよう、和食の素材を上手く取り入れていて、評判の高い定番の一品(写真左上から)@BCFが美味しかった。欲を言えば、冷たいものと熱いもののメリハリがはっきりしていると絶品だと、勝手なことを思った。

 

白ワインは数本持ってきてくれた中から、私は「カストリーナ エトナ・ビアンコ 2004」有機栽培の葡萄から作られたシチリア産。香りが非常に強く、甘い熟したりんごのよう。ところが味は爽やかで、上品なワイン。
相手は、「プラネタ シャルドネ 2004」。フルーティでしかも樽熟成の良さもある、シチリア産。美味しいとのこと。

 

一皿目のパスタは、グリル野菜を和えたスパゲティーニ。相手はタリオリーニ 白身魚とドライトマトのラグー和えを選んだ。野菜だけだけれど、蕪、南瓜、ポルチーニなど8種類の素材の味がそれぞれきちんとあって、満足感がある。タリオリーニもとても美味しいらしく、ため息をついている。ここまできて思ったのは、優しい味わいとヘルシー感、和風の取り入れ方(素材やあしらい)、器の可憐さ、ボリューム。さらに丁寧な接客とシェフが挨拶にみえることなどなどが、女性に非常に人気の高い理由ではないかということだ。

2皿目のパスタは、チーズのトルテッリ 魚介のクラムチャウダー仕立て。帆立や魚介類と一緒のラビオリ(リコッタ・マスカルポーネなど3種のチーズ入り)もスープも穏やかな味。あっという間に食べ終わっていた。心持ちメリハリが欲しいかもしれない。

赤ワインも数本の中からチョイス。「バルベーラ・ダスティ・ヴィーニャ・デル・ノーチェ トリンケーロ」トリンケーロのフラッグシップワインだ。1929年に植えられた樹齢70年を超えるバルベーラのある、同名の畑の葡萄から造られたワイン。バルべーラ種のワインは飲んだことがないので選んでみた。ピエモンテ産。長年、有機農法で栽培している伝統的な作り手。香り高い。

メイン。私は鶉(ウズラ)を選ぶ、相手はイトヨリの炭火焼。鶉は美味しかった。炭火焼の良さが際立っている。表面はパリパリと香ばしく、中はしっかりとコクがある。大きいわけではないのに、満足、満足。イトヨリは少し火が通り過ぎていたようだ。

ドルチェは、迷った末、定番のカラメルのプリン アマレットのジェラート添え、相手はチョコレートムースと栗のモンブラン。甘さ控えめだが、コクのある一品。ベリーのシロップがけの酸味が、さらに豊かさを添える。一口奪おうと思っていたのに、チョコレートムースはあっという間に消えていた。濱崎氏ワールドの優しさを最後まで通して、ハーブティにする。

リストランテ濱崎の評価は極端に二分している。大好きな熱烈ファンと、まったく評価しない人。しみじみとした優しさが嬉しい人と、メリハリを好む人。さて、私はどっちだろう。決して嫌いではないのですがもう少しメリハリがほしいかな。ただ、スタッフの取ってつけたような礼儀正しさがいただけない。慇懃無礼に感じてしまうのはどうしてでしょう。誰にでもフレンチ初心者のように対するのではなく、臨機応変にされたら、良いのにと思うのです。 帰りにもまた、シェフが挨拶に出てこられた。連れは感激していた。

内舘牧子氏がいらしていて、話し声が良く通り、目立っていました。(相撲の話でした)。

何はともあれ、念願かなって、ここにご紹介。

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リストランテ濱崎
東京都港区南青山4-11-13   TEL/03(5772)8520 
営/12時〜14時(木・金・土曜のみ)、18時〜21時30分(各L.O.) 休/日曜
アクセス/地下鉄表参道駅より徒歩5分 要予約
席数/テーブル28席個室1(8人)
昼コース3800円、5500円、夜コース8500円、1万円、アラカルトあり




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