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夏目 麻生の
なんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−

きもの
UPDATED 07-01-05

「最低でも年に1度位はきものを着たい」ということで、毎年1月には歌舞伎を観ることにしている。劇場で、他の人のきものと帯と着こなしを眺めるのも堪えられない。残念ながら、着るのが大抵この1回で終わる年が多いのは、とても寂しいこと。

自分のきものは多くはないが、母のところに結構あって、借りに行くのを口実に、彼女のきものを眺めに行くのも楽しみのひとつ。

日本舞踊とかっぽれをいまだ(今年79歳)教えているので、「もういらない」といいながら、1年経つとなにかしら、こっそり拵えてある。それをチェックするのだ。

ずうずうしく、新しいきものを借りたいのだけれど、そこは親子。好みはぴったりだけれど、20歳は離れているので、まだまだ地味。

「この濃茶はこっくりした色で、とても良いわね」とか、「ここの波の線の描き方が粋でしょ」「これいくらで買ったと思う?実はねぇ…」などと、母娘でないと出来ない会話が弾む。

これは、15年後にきっと借りようと心密かに思いながら、これまでのきものを出してもらう。

不思議なことに、毎年似合うものが変わってしまうのが、この年頃。

飽きるほど見ているのに、「当ててみないと分からない」という口実で、あれやこれやとほぼあるったけを羽織ってみる。一応きもののプロだから、高価なものは少ないが、少し面白いものもある。

子供のころ、母が出かける支度をしている横で、寝転んで眺めながら「だぁい好き」と思っていた大柄の唐草模様の浅葱色のきものは、もう派手すぎて着られない。

鏡に映る自分を見て、「なんだか最近、おばあさんが母にすっごく似てきたよ!」と言った次男の言葉に、あらまぁ、納得。

「これとあれはあなたに、それとここのは妹に。覚えておいてね」とさりげなく母が言い、ドキリとして声が出ない。うなずくだけにした。

今年は、薄い薄い柳茶色の地に、小さい大名行列が渋く描かれている縮緬か、緑青(ろくしょう)の地に竹・鳥・花の描かれた紅型にしようかな。

どちらも落ち着いた色合い。これは自分の、臙脂の極細の縞も良いかもしれない。

帯はシンプルに白・黒・箔の3本が定番。京都のきものリサイクルショップで買った、印籠を刺繍した帯も出番を待っている。

どれも、艶やかというのではないが、地味派手というところが私流。

この数年、同じきものを着ていないので、毎年一緒に行く友人たちは、私のことをよほどの衣装持ちと思っているよう。だから黙って、事実は闇の中に…。


今年はせめて、2,3回はきものを着よう。


きものも、日本独特の色(伝統色)も、歌舞伎も、とっても大事にしていきたいものです。日本の伝統色の名前はとても素敵です。
http://www.asahi-net.or.jp/~xn6t-ogr/colors/encoded_colorsframe.html




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