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夏目 麻生のなんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−


フィレンツェ、フランス 迷走の旅!

UPDATED 07-12-07

11.ポイヤックのシャトービジット

まずは、ホテルと同経営の、5級ながら、「スーパーセカンド(2級)クラス」とさえ言われている、シャトー・ランシュ・バージュに歩いて向かう。ランシュ・バージュは小さいシャトーだけれど、落ち着いたおおらかさがある。ほど良く整ったシャトーは、昔のままの空間に、展示された木製の設備・道具類や、古い地下の貯蔵倉から、当時のワイン造りの様子が眼に浮かぶ。今は、収穫は全て手摘み、という昔ながらの方法に、ステンレスタンクを使うなどの近代的方法も取り入れて、最後まで徹底した管理を行っている。
もちろん、ガイドはフランス語。Yukiさんの要望だ。一緒に回る人たちは6人位、フランス人とアメリカ人らしく、それもワインやレストランの関係の人のようで、どうも専門的な質問が多いらしく、ガイドは熱が入って、ことさら詳しく説明をしているようだ。

ランシュ・バージュ

回りながら、Yukiさんが私たちに、通訳してくれることになっていたのだが、待てど暮らせど、まったく訳してくれない。所々、わかるらしく笑っているので、「なんて言ったの」「なんで、笑ってるの!」と聞くのだけれど、「うーん・・・」といったまま、答えられない。「かき回してね、それをここで、なんか、ある方法で絞って・・・」って、たどたどしく通訳してくれるのだけれど、まったくだめ。その、「ある方法」というところが知りたいのだもの。シャトーの中を先へ進むほど、私の欲求不満はどんどん膨らむ。イライラして、その内、悲しくなって(だって二度と来れそうもないのにちっとも分からない)、ついには、私にしては珍しく、諦めてふて腐れてしまった。

とはいえ、ガイドをしてくれる女性たち(別のグループともすれ違うのだ)は、みんな熱心に説明をしていて、なかなか好感が持てる。そしてすごくお洒落がうまく、それぞれ自分に合った服装をしていて、フランス女性のセンスの良さに思わず見とれてしまった。
膨れていてはもったいない。気を取り直して、にっこり笑ってわかったような顔をして、熱心に聞いたり観たりしているうちに、見学は終盤。しゃれた試飲室で、シャトー・ランシュ=バージュとセカンドワインのシャトー・オー=バージュ・アヴルーの飲み比べをさせてくれる。

オー・メドック好きだから、美味しくない訳がない。ランシュ=バージュはどっしりと豊かだ。タンニンと酸味のバランスが良い(と思う)。カシスなどの黒果実と、あとは複雑な香りがする。その場でコルクを抜いたから、まだまだ開いていないのがもったいない。シャトー・オー=バーュ・アブルーは、バランスの良い飲みやすいワインだった。Hiroさんもyukiさんも、こっちのほうが美味しいという。お土産に買って帰ろうと思ったが、パリで売っていると聞いて、もって歩くよりは、パリで買うことにした。

ランシュ・バージュ カフェ

お腹がペコペコなので、シャトー内の小洒落たカフェでお昼を食べる。本日のランチを頼んだが、思い違いでロニヨン(腎臓)が来た。それもたっぷり。味はそんなに悪くないけれど匂いがあるので、yukiさんもhiroさんも、手を出そうとはしない。彼女たちのステーキなんかは、とっても美味しそうだった。ワインとインテリア小物の売店もあった。

かって、メドックの格付けは1855年以来100年以上も変更されることのなかった。それを覆した唯一のシャトーが、シャトー・ムートン=ロートシルト。かの大富豪ロートシルト(英語読みではロスチャイルド)家が1853年にこのシャトーを買収。メドックの格付けで2級に格付けされてことに奮起したロートシルト家は、畑、醸造技術などの改良を重ね、1973年に念願の1級昇格を果たした。それだけに、その実力は並外れたものなのだ。

シャトー・ムートン=ロートシルト

このシャトーのワインの人気の要因に、著名なアーティストの手による「ラベル」がある。
ダリ(58年)、ミロ(69年)、シャガール(70年)、ピカソ(73年)、ウォーホル(75年)など、豪華なアーティストが描いたラベルの数々は美しくコレクターも多い。男爵の知略には脱帽する。ちなみに、日本人では堂本尚郎氏と、バルデュス(93年)の妻のクロソフスキー・ド・ローラ・セツコ(出田節子)氏の2人が描いている。

シャトー・ムートン=ロートシルト

さすがに大富豪。シャトーの敷地の入り口から建物に着くまで、に車でもずいぶんかかった。それに、ランシュ=バージュと違い、一般的な観光客で溢れかえっている。施設・設備は整備されていて広く、新樽の貯蔵されている倉庫は、徒競走が出来るほど。所々に、古い石像や、美術品が飾られているのも特徴だ。ここではワインは試飲できなかった。残念(やっぱり、一杯の価格を考えれば無理もないかしら・・・。)

シャトー・ムートン=ロートシルト 美術館美術館を見せてもらったが、私設の美術館としてはなかなかなものだった。見る場所によって絵柄が変わる、ゴブラン織りのタピストリーや「アウクスブルクの羊」もある。最後に、ラベルやポスター、記念年のワインなどを販売するスペースに着く。ガイドの女性はお釣りを「イチマイ、ニマイ。・・・・ハチマイ」と数え、「サヨナラ」と言った。
それでも、なんだかムートン・ロートシルトよりラッシュ=バージュにいとしさを感じてしまったのは、貧乏人のヒガミかもしれない。

 



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