フィレンツェ、フランス 迷走の旅!
12.パリ、ちょこっと
コルディアン・バージュのディナーは、ある意味日本の懐石料理のような繊細な味付けと盛り付けの美しさが印象に残る。一品づつがとても少量なので、心して味わう必要がある。泡の口どけ感とか、組み合わせの妙とか…。日本のお家芸を取られたかしら、と思ってしまう。以前はここのソムリエが日本人だったことがあるらしく(?)そんなことも影響があるのでしょうか。例えばボルドーの料理「うなぎの稚魚のワイン煮」を食べたいと思っていたyukiさんにとっては、見た目も美しいテリーヌの中に、ほんの一口入っているのでは、物足りないようだった。インテリアやパフォーマンスも含め、清々しい印象の食事だった。Yukiさんが写真を撮らせてくれないのが恨めしい。
ワインはランシュ=バージュを勧めるのかと思ったら、シャトー・オー・バイイ。樹齢の平均が35年の葡萄の木から、豊かさを蓄えているぶどうを、ろ過処理せずに瓶詰めする伝統的なスタイルにこだわって作られる、オー・バイイ。‘96年はちと早かったのではないかしらと思いつついただく。やはり時間がたってからが美味しかった。
次の日の朝食は、日本的なデザインのダイニングに座り、紅茶は南部鉄瓶に入っていた。パンもジュースも乳製品も非常に美味しく満足。元気いっぱい、ボルドー市に戻り、パリへ。帰りの車の旅もいろいろあったのだけれど、もう食傷気味でしょうから、ここでは書かないことに(道路工事があって交通止めだった。私たちは……。)

ボルドーの駅(パリや大きな都市どこにでもあるのだが)のパン屋「PAUL」のサラダランチセットは美味しかった。新宿京王デパートの地下一階に出店があるので、ぜひサンドウィッチ=もちろんフランスパンのです。をご賞味あれ。でも、フランスの方がボリューム大きかったな!

パリのホテルはイヴ・サンローラの店舗が入ったりしているが、古くて、設備もあまり良くないが、何はともあれサントノーレ通りにあるので、買い物には便利。
お土産を買いに中心部へ出るが、この時期はちょうどセールの時で、どこもかしこも、すごい人だし、パリの人は信号無視で、皆でわたれば怖くないって感じで、実はビックリ。そのせいだろうか、通りではバスとバスが接触事故を起こしていた。そんな中、ぱりっとお洒落をして、腕を組んでゆったり歩く老夫婦がとっても印象的で、そこだけオーラがあった。
パリっ子にはうれしいセールだけれど、ユーロが高くて計算すると日本で買ったほうが安い。買いたい衝動を抑えるのはかなり大変だった。
夜は、モンマルトルのシャンソニエ「ラパン・アジル」へ行く。サン・ラザール駅で降りて、散歩をしながら、ピガール広場を抜けて、モンマルトルの丘を目指す。土産物屋が軒を並べて、ここはまた違った雰囲気で面白いく、ちょうど、繁華な温泉町のみやげ物屋が並ぶ通りのよう。絵葉書やらこまごました置物やらで、ごたごたした店の中も通りも、人で溢れている。まずは、カフェで生ハムサラダとワインのディナーで、お腹を満足させた。

「ラパン・アジル」では熟年の旅行者ばかりがテーブルに着いていて、後から日本人のサラリーマン風や、若いフランス人女性のグループ、フランス人の老年の恋人同士(夫婦って感じじゃないのだ=とyukiさん)も入ってきた。ピアノの前にはかっこいいおじいちゃんが座って練習をしている。こっちを向いてウィンクして来たので、2人とも大騒ぎだ。年齢からいって、対象外だから私は冷静そのもの?!
歌手もみんな熟年ぞろいだけれど、さすがキャラが濃く、一癖もふた癖もありそう。明るく元気なシャンソンが多く、私たちの知っているものがほとんど。「オー・シャンゼリゼ」とかで、促されて皆で歌う。上手に人をそらさず、話もコメディータッチ(多分…)で笑わせる。上品な老婦人も大口をあけて歌っていて楽しそうだった。小屋そのものが歌っているようなイメージが湧く。
あっという間に、11時半を回り、真面目なhiroさんに促されて帰ることに。うん?yukiさんと店の人がもめている。「カードじゃダメって言うの!」さあ大変!!買い物の後だから、ユーロの持ち合わせが少ないのだ。有り金全部はたいてやっと開放される。さあ、それからが強行軍。なにしろタクシーで帰れなくなってしまったのだから、地下鉄の終電車に乗らなければならない。ロープウェイのようなもので一気に丘を下り、人波について地下鉄にたどり着き、最終電車に間に合って無事ホテルに帰り着くことが出来た。モンパルナスで、迷子になったら心細くてたまらないところだった。3婆を売り飛ばそうって輩もいないだろうけどね。

翌日は、朝から並んでオルセー美術館へ。セザンヌ・ゴッホ・ゴーギャン・ピカソの特別展があって、四月に三谷幸喜の「コンフィデント」という、ゴッホ・ゴーギャン・スラー等の友情と嫉妬を中心にした芝居を見ていたので、興味深かった。館内のレストランで昼食。日替わりランチはたいしたことはなかったが、デザートはボリュームたっぷりで美味しかった。アイスクリームはなんと3種類も出たのだ。

さて、今日で旅は終わり、空港についてもうこれで一安心と思っていたら、税関で美味しいチーズの大きな丸い包みを3つとも没収された。ナンデナノ?「爆発物を隠すことが出来るから!」えぇ〜!と唖然としている私たちの前で、チーズはゴミ箱へ、ポイ。
「迷走の旅」の最後らしいといえば言えなくもない。
「ウィンクすればよかったんだよ!」って、yukiさんのフランス語の先生が言ったとか。
ウ〜ン。ホントかしらね!!
「迷走の旅」長い間、お読みいただいた方がいらっしゃいましたら、感謝です。ありがとうございました。

