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夏目 麻生のなんてことない「えとせとら」 −遊んで、食べて、仕事して−


美味しい空間 21 「ジリオ giglio」 (1)

UPDATED 08-02-09

だいぶ前のこと。そう、5,6年も前になるでしょうか。
母が、「とても良いレストランがあるの。そのうち一緒に行きましょう。」と言うので、驚きました。その当時、母のほうから知っているレストランに行こうと、誘ってくることなど、皆無だったからです。「若い女性が一人でやっていて、さっぱりしたなかなか良い子なの。イタリアンなんだけれど自分の店なんですって、偉いわよね。気に入ったから、持っていた美味しい手作りのお豆腐をあげて来たの。」ますます、ビックリです!そんな、オープンなコミュニケーションがとれるなんて・・・。

表にはあまり出さないけれど、結構人の好みにうるさい母が、初めて行ったレストランで、若い女性のシェフを気に入るとは、どんな方なのでしょう。とっても興味津々です。
実家を辞したその足で、こっそりその店の前を通りました。実は、私も、入り口脇の大きな木がステキな雰囲気をかもし出す、ガラス張りの外観のその店に、ずっと心惹かれていたからなのです。
一度通り過ぎたのですが、我慢が出来ず、思い切って引き返してランチを食べに店に足を踏み入れました。

その女性は、髪を男の子のように刈上げた、スレンダーな人でした。そして、寡黙で、そのそっけないことといったら、小気味よいほど。若く見えるのですが、30代なのかもしれません。カウンターからは厨房が丸見えですが、どこもかしこもぴかぴかに手入れがされていて、今まで見た厨房の中では整理整頓と清潔さではNO1。その広い空間で、彼女は無駄なく美しい動作で、パスタを作っていきます。その動きには魅了されてしまいました。もちろんパスタは美味でした。

カウンターだけの店ですが、中は結構広く、普通の店なら、さらに2人掛けのテーブルを4、5つ入れてしまうでしょう。おまけに天井は梁やダクトが剥き出しのままで、高く、とても清清しい空間になっています。そしていつも百合の花(giglio)が生けてあります。
知人に教えたら、気に入って、すぐに常連になってしまいました。

美味しいんです。シンプルに見えるものばかりですが、家で出来るようでいて、なかなか真似のできない、プロの味です。

(次回に続く)



asobist -mini- : 『BigUp』を更新♪今回はイラストレーターのtomokoさんです! by 編集部
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