棒ノ折〜黒山
ゴンジリ峠着12:17
立て看の後ろをのぞき込んだら名栗湖がのぞいてた。きれー!3月の時には気がつかないで通り過ぎてた。降りていきたい衝動にかられるけど、稜線を境に名栗湖側は埼玉県飯能市。降りてから家にたどり着くまでの電車時間を考えると、できない相談。

ゴンジリ峠から黒山へ向かう途中ヤマツツジをみつけて大喜びした。
ここまでは、全て、順調。
ところが、黒山のちょい手前ぐらいからポツッときた。ええーっ!あめーっ!!
黒山到着のころには、すっかり雨脚は強くなってきていた。「登りはじめたら、降りるまでは吸わない」の決意も虚しく、とりあえず荷を降ろし、木の下で一服。覚悟してゆっくり雨具をきっちり上下着込み、歩き出す。もう二つ、山を越えないといけない。
黒山〜岩茸石山
幸い風がないこともあって、歩いてみれば雨もまた楽しい。雨滴のそれぞれが山道に散り敷く枯葉の上に落ちる瞬間の音が違ってたりする。上空で持ち堪えられなくなった水分の粒の大きさと落ちるまでの高度落差なのかな、など思ったりする。
不思議と恐れは全く感じない。むしろ山懐に抱かれ、雨に包まれた「独り」を楽しみながら、ただ前進。
という間にさらに雨は激しくなり、帽子のひさしやゴアテックスの雨具の肩先に当たる雨滴が大きな音を立てる。自然と急ぎ足になる。脇とうち腿のところでゴアが発する摩擦音がヤカマシイ。

ピッチを上げて歩いたので、岩茸石山まで0.7km地点でへたった。
目の前に岩茸石山の頂上。「なんだよー、ここからが案外長いんだよなー。ずーっと回り込みながら結構登るんだよなー。ウンザリ〜」思わず独り愚痴をこぼす。たまらず、一休み入れることにした。ゴアヤッケは雨から身を守ってはくれるが、内側が蒸れる。汗だく。のわりにヤッケの前を開けると瞬時に体が冷えてくる。結構、体力を消耗していると気づく。保温ボトルに残った白湯をたっぷり飲み、チーズをかじる。アーモンドチョコがことのほか旨い。20分ほど休んだらまた、元気がモリモリ湧いてきた。
岩茸石山〜惣岳山
14:47岩茸石山着。黒山で雨具装着と頂上前0.7km地点での休憩で35分タイムロス。
タップリ休んだので、先を急ぐ、だし、雨に煙ってお山は真っ白、白。ゆっくり眺めるワケもない。前回は軍畑へ降りたが、今回は御岳へ降りるツモリなので、まずは惣岳山を目指す。雨につれてモヤも出てきた。
怖くはない、いたって元気。ただ…ちょびっと寂しくなってきちゃった〜。早く降りたいよ〜
だったら、止めときゃいいものを惣岳山へ上がらずに、巻き道を行けば早道なものを、道標をみれば、やっぱり「上がる!」になる。アタシってば、どうかしてる?ドMか?いや我からをかりたてるドSの我もある。まあ、ド極?!
いえば、後に奥多摩山域の地図を眺めて「うん、ここも上がった」と独りごちしたさ、そんなものだね。バカか?うん、そー。
ものすごい急登。しかも岩。雨で滑りそう。日ごろのオッチョコチョイはどこへやら。一歩ずつ足場を確かめながら登る。
15:10惣岳山着。かなりのハイペースで登ったことになる。雨をついてのこのペース。「アタシもツオクなったよね〜」頂上に小さな社が。見れば誰か?いる!
なんか、誰でもいいから「口ききたい」気分だった。社のひさし下で雨宿りしていたおいちゃんも恐らく同じだったろう。たわいもない山話を、2人ともケム吐きながら20分もしちゃった。おいちゃんはアタシが来た道をゴンジリ峠まで戻り、名栗湖へ降り、飯能市に帰るのだとか。
「お互い気をつけて下山しましょうね」声をかけあって、それぞれの方向へ。もう一目散に歩く。雨脚は一向に弱まらず、歩く道は雨水を集めてせせらぎと化す。自分の身体にあたる雨滴の音とヤッケのこすれる音しか聞こえない。なまじ、おいちゃんとの邂逅が呼び水になったのか、やけに人恋しい。
「どーしゃぶり〜♪」なんて歌を歌うどころではぜんぜんなく、かけ降りるように歩く。眼下に街並みが近づいて見え出すとしまいに、かっ飛んで降りる。
下山16:10 どんだけ急いだんだ?ぐらいのスピードで歩いたねー。ずぶぬれで歩くアタシにカッパを着た工事?のおいちゃんが「お疲れ様です」。アタシも負けずに「お疲れ様です」ってなんだー?笑っちゃった、思わず。
線路沿いに桜。そうか、ここらは、ようやく山の下で花が盛りなんだ、と今さら。ただ誰かと話がしたくて、御岳駅からわざわざ二駅戻って鳩ノ巣駅で降り、喫茶「山鳩」のドアをくぐる。
「あらら、コダマさーん。降られたねー」
「そうなの。ヤマザクラ、まだ咲いてなかったよー」
そしたら、主の原島さんがテラス席へ案内してくれた。
「うちで、ヤマザクラのお花見してってください。特等席ですよ」

生ビール!甘露!!1杯目は、どこに入ったんだかのイキオイで。2杯目はちょっとゆっくりサクラを眺めながら。
「人はなぜ山に登るのか?」言えばたくさんあるかもしれない。「そこに山があるから」「心震わせるため」「独りを愛するために」…。
少なくともそのひとつを得た気がする。最後に「人恋しいと思いたいがために」。
やっぱり人は人が好き、なんだよね〜
*喫茶山鳩 0428-85-2158
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