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食べたいものを食べたいだけたらふく食べちゃう。
これって最高に「幸せ」感じませんか?

いなかのご飯

ナガナス8月12日
最終便ででかけた。毎年「お盆」ごとをしにこの時期には田舎へ行く。今年はおばあちゃんの3回忌もある。

とうちゃんの実家は島根県。出雲空港から車で10分ほどの斐川町にある。おばあちゃんが独りでは暮らせなくなって横浜でアタシらと一緒に暮らすようになってからは、ひと月に一度ハウスクリーニングの業者が風を通す以外住む人のない家だ。それでも仏壇があるから、お寺がそちらだからというので、夏は田舎へ行くというのがお決まりなのだ。

晩ご飯はとおちゃんの実家からいくらもない義叔母のところでご馳走になった。
「なんだいなえわ」

と義叔母は言うが、チャブダイの上には油揚げ、高野豆腐やしいたけ、こんにゃく、ごぼう、なす、ささげなどの煮物が所狭しと並べられている。
「盆だけえ、精進だよ」

そのわりに刺身もちゃんとついてる。
そこそこ加減しながら、腹7分目にセーブ。デブ対策。


8月13日
4時から義叔母(おばあちゃんのもう1人の妹)の初盆。ゴエンギさん(和尚)にお経をあげてもらい、墓参り、お寺参りした後、6時前からお料理やさんで落とし。数え切れないお皿を「残すのもなんだし」なので、朝昼2食抜きでおいたので、ビールもいただいてなんなく立派に完食。


8月14日
朝からとおちゃんは親戚回り。もらって帰ってきたのが手作り豆腐とタイトルのササゲマメとなす(画像・上)。ササゲはもっとも長いので70センチはある。なすも40〜50センチ。

とおちゃんは午後からも親戚回り。アタシは早や目にササゲとなすをしかける。ササゲは端をきれいにして、なすはヘタをとってお尻を落として4〜5センチほどに切る。切ったものから鍋にほり込んでダシと砂糖、醤油を加え火にかける。水は加えない。洗った時についた水と材料が持つ水分だけで煮上げる。これがおばあちゃんから習ったやり方なのだ。最初は強火。2、3回鍋を返したら弱火にして、材料が煮あがり、水分がほどよく飛んだらでき上がり。いたってシンプル。でき上がったのが下。

ナガナスも煮たもの


とおちゃんが帰ってきて買い物に出かけた。焼サバを買った。
もう何十年も前、初めてとおちゃんの実家に行った時、おばあちゃんがこの焼サバを出してくれてビックリたまげた。5、60センチもあろうかというサバがはらわたを出しただけの丸のままに竹串を通して塩焼きしてある。

それをそのまんま串も抜かずお皿にドカンと入れたのがちゃぶ台の真ん中に鎮座しているのを見て驚いたのだった。

めいめいが菜箸でサバの身をほじって取り皿に取って食べるのだが、初めての訪問というだけでも緊張なのに、「どこをほじっていいやら」で、なかなか手が出せなかった。今も焼サバを見るたびにその時のことを思い出す。

この日の晩ご飯は焼きサバ、ササゲとなすの煮たの、冷奴。なすは短い種のものに比べニチャッとして甘味があって旨い。ササゲは横浜辺りで売れているインゲンよりむしろ歯あたりは柔らかく、なすと同じように幾分ニチャッとしていて、至極旨い。

手作りのもめん豆腐の薬味には新ショウガの針千本に万能ねぎ。いずれも旬の香り豊かでどっさり付け合せて、これまた結構。
スーパーから帰るなりそそくさとご飯にしてしまったので、焼サバを撮りそこなった。ザンネン!




キュウリ8月15日
昼過ぎ、運転手で義叔母の親戚回りに付き合ってきたとおちゃんがキュウリとスーパーのビニ袋いっぱいの葉っぱをもらって帰ってきた。
キュウリは横浜辺りのと比べるとだんぜん太い。色は幾分緑が浅く、イボイボも少ない。

葉っぱは最初正体がわからなかった。桑の枝先の新芽を摘んだもののようでもあり、大葉の若葉のようでもあった。葉を一つ摘んで手でもんでみて、香りでモロヘイヤとわかった。

お昼がまだというとおちゃんにソバを茹でた。どうしてもモロヘイヤを食べたいと言うので、茎から葉をはずすのを手伝ってもらった。葉をちぎるたびに濃い香りが立つ。見る間に指先がヌルヌルしてきた。

とおちゃんは薬味代わりにツユにモロヘイヤを落としてソバを食べた。一口食べた途端「こーりゃ、うめーや!」。アタシもつられて食べてみた。強烈なネバネバはまるで長芋ばり。殻ごと挽いたそば粉から打ったソバとよく合ってとても旨かった。

おそ昼の後、用事でまたまたとおちゃんが出かけた後、キョウリの浅漬けをしかける。シマシマに皮をむいて縦に半分に切り、スプーンで種をかき出す。斜めにスライスしたのを浅漬け器に入れて塩を回して押す。後はほっとけばよい。

晩ご飯は残り物のなす、ササゲの煮たのに冷奴、イか刺しと浅漬け。

浅漬けはおろし新ショウガ醤油で食べる。クリクリした歯ざわりでキュウリというよりウリの感じ。なかなか旨い。

余談だが、この時期にスーパーでシマシマ模様のその名もシマウリをよく見かける。70リットル容量のビニールゴミ袋に詰め詰めにしたのが、どうかすると300円ぐらいで売ってたりする。買って横浜へ送ろうかと思ったり、「あんなには使い切れない」と思い直したりということが何度かあった。

島根のブドウ「赤嶺」デザートはブドウ。スーパーでは島根ブドウ「赤嶺」とあったが、薄緑と薄紅色のステキなマッチングの色合い。プリッとした面長な形。一目見て山梨特産の「甲斐路」を感じた。最も好きなブドウなのだ。しかも大きな房が298円だって!

味はやはり「甲斐路」と同じ、身がクリクリしていて、甘味と酸味のバランスが絶妙。ただちょっと「甲斐路」よりかは皮が硬いかもしれないが、甲斐路と同じく皮と身が密着しているので皮ごとガシガシ食べる。それが結構好きなんである。申し分なく旨かった。



アジウリ8月16日
午後2時からおばあちゃんの3回忌法事。朝食抜きはいつものことながら、4時からの料理屋さんのご飯に備えてお昼も抜いたので、料理は全て平らげた。





8月17日
午後4時20分の便で帰れるかと思うと、朝からウキウキ。使った布団を干したり、冷蔵庫の中の余り物の整理、かなりの量のゴミの処理など、帰る準備に余念がなかった。
昼前ごろ、とおちゃんの知人がやってきてアジウリを持ってきてくれた。子供のころよく食べたマクワウリと呼ばれていたもののシマ入りだ。同じく頂き物のメロンと合わせてマゴらのいいお土産ができた。

昼過ぎ、洗濯物を取り込んでいたら、隣家の奥さんが通りかかり、型どおりの挨拶を交わしたりしていたら「奈良漬食べられます?」と尋ねられた。「食べないことはないですけれど…」など、実は荷物はなるべく増やしたくなくて答え淀んでいたんだが、そのうち余り固辞するのも角が立つしなど思って「それじゃ、ほんの少し」と言って頂いた。前述のシマウリの粕漬けだ。その昔はおばあちゃんも漬けていたように思う。

羽田から家へ向かう途中、横浜屋ラーメンでニラモヤシラーメンと餃子を食べて、ちょっと早めの晩ご飯とした。



8月19日シマウリの奈良漬
奈良漬を切った。酒粕は手でざざっと落とす程度、水で洗ったりはせず、ほどほどに薄く切る。隣家の奥さんいわく「2年もの」で、すっかり赤くなって身がグニャグヤにもなっておらず、しゃきしゃきした歯応えを残しつつ、酒粕の風味が浸透していて旨かった。

これの、まだウリの緑色がしっかり残っている、ほんの漬けたばかりの浅漬けがほんとうは最も好きであったりはするが…。

長男宅に2個次男宅にも2個あげて、1個残ったアジウリはまだ食べずに冷蔵庫に入れてある。

法事が二つ重なったこともあり、今度の田舎行きでは晩ご飯の支度をしたのは2日だけだったが、料理屋さんで出たたいそうなご馳走よりずっと美味しかった。ただきざむ、煮るだけで料理というものでもないのだが、その地でその時期に育った新鮮な素材は特段手を加えたりする必要もないのだった。

後日アジウリを切った。
メロンほどズルズル甘ったるくないほの甘さと、ガリガリ、クリクリほどではないが、ウリの歯応えも少し感じさせる食感があいまって、なかなかに美味。


記:小玉 徹子 2005.08.20

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