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去年秋に私が発起人となって立ち上げた「阿蘇ペンクラブ」。その会誌の名を『無辺』という。愛し子のように思っている。7月1日付けで通巻第3号に当たる夏号を発行した。発行当日、会員数の3分の1ほどの12人が集まって、祝いの小宴を張った。場所は、高森名物・田楽料理の店「T」。クラブでは最も若手のK会員が2代目を務める、古民家を移築して造った風情あふれるお店である。
熊本市や福岡市から駆けつける会員のために宿泊予約していたペンションが何者かの手によって勝手にキャンセルされていたというミステリーが、開会直前に起こった。それについては調査中なのでまだ書けないが、もうひとつの事件は書いてもよいだろう。
田楽料理というと囲炉裏がある。夏なのに炭火を燃やして、ツルノコイモ(里芋の仲間)や豆腐やヤマメを焼くのだ。所望すれば、お酒さえも青竹の器で燗をつけることができる。ただでさえ暑いうえに炭火で頬を熱し、アルコールでハートをたぎらせ、今後のクラブの運営について、私を含む3人ほどで熱々の議論を闘わせすぎていたらしい。声が無自覚に大きくなっていたらしい。
S会員が持ち込んだカニも肌を真っ赤に染めていた頃。突然、隣りの囲炉裏の30代くらいの女性が近づいてきて、叫んだ。「オメエらの説教を聞きにきたんじゃねえ! 静かにしやがれ!」。一瞬の出来事だった。言葉を返す立場になかったが、それにしても特に私の横にいた60歳になる会員に向かって言ったのだった。ミステリーとヒステリーとが立て続けに生じて、忘れられない打ち上げとなった。 |
記:福田 章 2006/07/05
特派ルポ:九州よかとこばい
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