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大庭照子さんという熊本出身で大ベテランの童謡歌手がいる。NPO日本国際童謡館(阿蘇郡西原村)館長でもあり、全国的に童謡コンサートを展開している。ずっと以前から列島津々浦々の小学校などへ足を運び、スクールコンサート活動で童謡普及の地ならしをしてきた。私は13年前に初めて取材でお会いして以来のご縁だ。大庭さんはコントラルトのある種、荘厳な声の持ち主。その横顔についてはいずれ詳しく紹介する時が来るだろうから、ここでは愛弟子筋の「DOYO組」について、語りたい。

DOYO組は、20代後半の矢部清子さんと同前半のそがみまこさんによる童謡デュオである。2人とも童謡を歌うために生まれてきたような清廉無垢な歌声を発する。けれど、それにしては「外観」が違いすぎる。戯画的なほど違う。折れそうにスリムな清子さんと赤ちゃん体型を維持したまま成人したかのようなみまこさん。
今月11日、高森町総合センターで「移動ライブ DOYOコンサート」があった。2人は5月に行なわれた「南阿蘇えほんのくに誕生祭」で女王として出演した際の豪華なドレスで登場した。みまこさんは当日よりもかなり高いハイヒールを履いて出てきたらしく、お足がのぞいていた。ステージ上で、それを目ざとく、大庭さんが指摘する。言わなきゃ、そこまで気にならなかったのに。
だが実はこんなことを、牡の物書きらしい切り口で語るのは、2人にそぐわないのだ。「浜辺の歌」「みかんの花咲く丘」「おもちゃのチャチャチャ」……。清らかな歌声に、聴く者がいつしか、いつか来た道へ誘われている時、歌手の身体性は消えてしまっている。そこへ連れていってくれるのが、童謡歌手の技だと思う。DOYO組には、それがある。
去年4月から、DOYO組の歌はNHK熊本放送局発の夕方の番組で定期的に流れてくる。安田・由紀姉妹よりは親子のように若いので、先人の道を継承しつつも、独自のきらめきで、いずれは例の大晦日の全国放送に乗っからんことを。 |
記:福田 章 2006/08/15
特派ルポ:九州よかとこばい
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