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ここんとこ、吉岡七郎さんとの縁が切り離せない。
こんどは、ウクライナの「キエフ・ナイチンゲール合唱団」が、吉岡さん所有の施設「風流(かざる)」にやって来た。各地を巡って全12回行なわれるコンサートの皮切りだった。
主催は「チェルノブイリの子どもたちの幸せを願う仲間『ドゥルージバ』」、後援がウクライナ大使館、日本ウクライナ協会となっている。

チラシを見た時から10〜17歳という10人の少女たちのにこやかさ、民族衣装の愛らしさが鮮烈に焼き付いていた。裏面の説明は、というか事実は重い。
〈1986年4月26日ソ連のウクライナチェルノブイリ原発事故により、広島長崎原爆の400倍の放射能が環境を汚染しました。(中略)この事故の最大の悲劇は、遺伝子が傷つけられたことによって、事故後生まれた子どもたちにガンやアレルギーや脳障害等の深刻な健康被害が続いていくことです。〉

コンサートに入る前に現状報告があった。「免疫力が低下……」という言葉を裏付けるように、当日は10人のうちの1人が環境の変化に対応しきれずコンサート不参加というのであった(翌日分は出ていたことが、熊本日日新聞の写真でわかって、ひと安心)。


それにしても澄んだ、心をさらにしてくれるような歌声だ。時々入るフリもおとなしめで愛らしく、ほっとけない気持ちを抱いてしまう。めばえる前の子、めばえかかっている子、めばえの季節を通過した子。
何のめばえかと突き詰められても困るのであって、そこにいることの中にしか、答えはない。声はいのちそのままの楽器である。そんな印象も持った。ウクライナ民謡とか日本の「ふるさと」とか、次々に歌った。

歌い終わって、観客と自由に記念撮影の時間。
2人の少女がよく似ていたので「姉妹か?」と聞いたら、違っていた。息子たちも舞台に上げて、いっしょに撮らせていただいた。ウクライナの少女たちがこの阿蘇の西原村に今いることを、奇跡の巡り合わせのように感じている人が多かったようだが、私は、彼女たちがいつもこことよく似た風景を眺めているのだと思った。そう思いたかった。現地のアクセサリーを一つ、みやげに買った。



記:福田 章 2006/10/26
特派ルポ九州よかとこばい

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