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辺鄙な場所が好きという、変わった嗜好がある。人があまり行かない、行きたがらない場所が好きなのだ。人ごみが嫌いなことの裏返しなのかもしれない。
大阪・南港にあるアジア太平洋トレードセンター(ASIA AND PACIFIC TRADE CENTER)、略してATCも、そんな私が気に入ってるスポットのひとつだ。ご存知の方も多いと思うがここは大阪市の第三セクターで、西日本最大のウォーターフロント施設としてオープンした。が、たいていの第三セクターがそうであるように、ここも救いようのない赤字にあえいでいる。平日に行くと人影はまばらで、飲食店やアウトレットなどの店舗は経営しているがどこも閑古鳥が鳴いている。
そんな殺風景なところがたまらなく気に入っている。だから人手の多い週末や祝祭日には行かない。正確に言うとATCは辺鄙な場所にあるわけではない。施設そのものが辺鄙なのだ。
撤退したテナントが多く空き家だらけの施設内でも、ここでしか手に入らない輸入雑貨やアウトドアショップなど、ある分野に特化したお店はけっこう頑張って営業している。しかも客が少ないので、商品をじっくり見て回ることができるという利点がある。しかも海に面しているので眺めが良い。港を出入りする船を見ながら、6階のカフェで一息つく。客は私1人なんてことも珍しくない。窓から見下ろす港には時折、大阪市が所有するセイル・トレーニング帆船「あこがれ」が停泊していることもある。「あこがれ」は平成12年に、日本の帆船で初めてヨーロッパ経由の世界一周航海に成功した。小さいけれど、美しい姿の船だ。
そんな辺鄙なATCにも、変化が現れてきた。昨年の夏ごろから「南港アーチストフェス」と銘打ったイベントが開かれるようになり、毎週土曜日には地元で活動するアーチストや音楽家たちのライブが行われている。ここからメジャーデビューを応援・プロデュースしようという試みだという。
人が集まるようになれば赤字も少しずつ解消されるだろうが、そうなると私の好きなスポットがひとつ無くなってしまう。そのときはまた、どこかに辺鄙なスポットを探そうか。 |
記:平藤清刀2006/04/27
特派ルポ:大阪おもろいでぇ
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