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ラッパズイセンとともに祝う『春の訪れ』
新年が明け、そしてバレンタインデーなどの行事も終わってしまった後の2月半ば。特にこの時期、何だか虚しいような物寂しいような気持ちになりやすい。

そんな鬱々とした気分を晴れやかにしてくれる救世主が、2月の終わりから3月にかけて出現する。そう、それはラッパズイセンの花。寒く長い冬のアイルランドやイギリスの景色を一転して明るくしてくれるラッパズイセンは、長く待ちわびた春の訪れを教えてくれる花でもあるのだ。

そんなわけで、2月のどんよりとした曇り空の中、日に日に濃緑色の葉を伸ばしてゆく様子を毎日見守るのが一つの日課となる。

3月になると白いスイセンや黄色いラッパズイセンたちが、アイルランドの緑の大地のあちらこちらで咲き乱れるのを目にすることができる。
春の到来を誇らしげに我々に知らせるかのごとく、その太陽色の花をまだ冷たい春風になびかせながら、同時にその爽やかな香りも辺りに振りまいている。

そんなラッパズイセンたちを見るたび、英国のロマン派詩人、ワーズワースの詩『The Daffodils‐ラッパズイセン』の一節を思い出さずにはいられない。
I wandered lonely as cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host, of golden daffodils;
Beside the lake, beneath the trees,
Fluttering and dancing in the breeze.
谷間や丘のはるか上を当てもなく
さまよう雲のごとく我も行けば、
こつぜんと目の前に現れた
一面に咲く黄金色のラッパズイセン――
湖のほとりや木々の木陰で
そよ風になびき舞う
ピークになるスイセンたちの開花と同時に日も更に長くなり、3月の終わりからは再びサマータイムもやって来る。
そういえば、近所の花屋でもラッパズイセンの切花がどっさりとバケツに入って売られてたっけ。ちょっと行って一束『春のおすそわけ』をしてもらおうかな…。


記:小島瑞生
特集:春待ちのころ…

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