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雪の舞うポスク
スウェーデンのイースターはポスクと呼ばれ、クリスマスやミッドサマー同様にとても大切な伝統行事です。この時期は4連休で、家族や友人で集まり食事会を開き、テーブルには卵、ラムステーキ、ニシン、サーモンなどの伝統的なポスク料理が出されます。今年はこの時期には珍しく久々の雪に見舞われてしまい、暖冬といわれた今冬は最後のひとふんばりとばかりに、街を白いベールで包んでしまったようです。

さて、スウェーデンのポスクの特徴的なモチーフといえば、魔女とポスクリス(イースターの枝の意)です。
子ども達はポスクの始まる前日の木曜日に魔女に扮します。頭からスカーフをかぶりエプロンをつけるというなんとも素朴でかわいらしい魔女の姿で、手作りのカードと引き換えにお菓子をもらいに近所を回ったり、家ではしゃいで過ごしたりします。
何となくハロウィンを思い起こしますが、この習慣は20世紀に入ってから広まったもので、魔女たちがドイツのブロッケン山へとホウキで飛んでゆき、ポスク前の木曜日に悪魔が開くといわれるパーティに参加したと信じられていたためです。

もうひとつのスウェーデン特有のモチーフであるポスクリスは、白樺の枝にカラフルな羽根をつけたデコレーションです。
伝統的には、キリストのイルサレム入城の際に用いられた木の枝を表しているのだそうで、街や家庭の庭などに飾られます。これらは市販でもありますが、身近に森のあるスウェーデンでは手作りするのも楽しみのひとつです。森からとってきた枝に、市販の羽根やエッグオーナメントで飾り付けすれば、あっという間にポスクリスのでき上がりとなります。
先日、ヨーテボリで開かれたフィギュアの大会で、優勝した浅田真央さんが手にした花束には、ピンクの羽根がしっかりと巻かれていたのが印象的でした。
ポスクは、古くからの慣習や宗教的な由来などから、伝統色の強い行事ですが、子どもも大人も肩肘はらずに楽しんで過ごしているようです。

私の今年のポスク休暇は、無宗教ながらにも教会にて締めくくられることに。
礼拝の最後に、一人一つずつ持たされた石を、心に溜まった重荷とともにバケツの中に投げ捨てるようにと言われました。できることなら、この石と一緒に長い冬にもそろそろ別れを告げられないものかと、つい願ってしまった私は、北欧一年目の初心者だからなのでしょうか。
教会を後にして見かけた、暗闇にひっそりと佇む街の広場のポスクリスが、雪の残るしんとした空気に美しく映えていました。


記:向後芽久美
特集:春待ちのころ…

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