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夏といったら、ビアガーデンでしょ?私なんかは、毎年初日から行って、スーツ姿のサラリーマンと場所取りを競うほどだった……。しかし今年は、闘わずして負けたようなものである。気がつけば開催初日から1ヶ月も経過していたし、今じゃ闘争心なんかも、薄っぺらい紙のようになってしまっていたから。そんな私を救い出してくれたのが、友人のこのひとことだった。
「麹町のビアガーデンに行こう」
半蔵門駅から5分程歩くと「ふくおか会館」というホテルがある。目の前には千鳥ヶ淵があり、各国の大使館が点在しているような場所だ。お目当てのビアガーデンは、そのホテルの中庭。案内されて奥へ入って行くと、正面には小さな噴水、木々にはクリスマスのようなライトアップがされていた。
私の知っているビアガーデンとは、少し様子が違っているようだ。私がよく行っていた場所はビルの屋上にあり、赤提灯がたくさんぶら下がっていた。注文をする場合は、紙の手旗をパタパタとふりながら店員を呼ぶ。もちろん最初は誰もが恥ずかしがって「来ないでと言われた娘の運動会に、木の影からこっそり応援するお父さん」的旗ふりなのだが、酒の力によりそれは一気に国際競技会場か何かのように激しい応援旗と化すのだった。更に大音量のBGMとそれに負けない大笑いに、最後の三本締め。
しかしここでは、それらとは異なるパターンで展開されているようだ。わりと落ち着いたここのスタイルに、私たちも早く溶け込まなければならない。
席に座ると、すぐにビールが用意されてきた。2杯目からは、自分で好きな酒類を樽型サーバーから注げるらしい。これはかなり、ワクワクポイントをついているのですぐにおかわりへ直行。なんといっても、時間制限なしの飲み放題だもの。何度でも注ぎに行ってしまう気持ちは、お分かりいただけるだろう。それでもって、ピザや焼そば等のメイン料理もどんどんすすむのだ。ガッツリ食べてしまうのが最近の私の傾向。これでは「腹の肉成長期、未だ衰えを知らず」は、当然の結果である。敵ながら、天晴れである。いや、自分であったか……。

グラスも私たちも、いい汗をかく。
夜風は涼しくて、歩いてどこまでも帰りたい気分になった。遠くに東京タワーが見える。「ああ、東京に来たんだな」と、しみじみ思う。そして、ふらつく足でまた思う。
ああ、今年も夏がきたな…
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記:磯真理子
特集:世界の夏を食べ歩き!
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