|
|
|
 |
|
夏といえばお祭り。一時帰国中の1ヶ月間に、正しい日本の夏を満喫しようと、何年ぶりかの浴衣姿で近所の夏祭りに行ってきた。若い女の子の色とりどり浴衣に混じって、りりしい男性の浴衣姿が目につく。日本人の男性はやっぱり着物が一番だわと実感していると、人ごみの向こうから懐かしい匂いがしてくる。
樟脳(しょうのう)の匂いをかき分けて、屋台に向かうと、たこ焼き、焼きそば、綿菓子、カキ氷など昔から変わらない屋台があった。ソースの焦げる匂い、いちごシロップの甘い匂い、浴衣や帯の樟脳や汗、打ち上げ花火の後の煙と薬莢(やっきょう)の匂いが暗闇の中に混ざっている。懐かしく、変わらない日本の夏のにほひだった。
カナダに戻ってくると、こちらでも夏のお祭りであるカントリーフェアが真っ盛りだった。
毎週のように近隣の町で独自のカントリーフェアをやっている。だいたいは週末の3日間で、お決まりのようなパレード、馬の競技に人が集まる。朝一番のプログラムとして朝食に無料でパンケーキ(ホットケーキ)を振舞って、客寄せをするカントリーフェアは多い。
パンケーキはカナダ人に人気のある朝食メニューである。一枚ずつフライパンで焼くので、時間がかかる。普段の朝は忙しいが、週末は家でパンケーキを焼いたり、レストランで食べたりする。パンケーキに欠かせないのがメープルシロップ。でも日本では有名ではないが、コーンシロップの方が好きだという人も意外に多い。
さて、カントリーフェアは夏の短いカナダの収穫祭も兼ねていて、食べ物をテーマにしている所が多い。コーンと林檎のフェスティバル、蜂蜜とガーリック、メープルシロップのフェスティバル、向日葵(カナダではローストして食用)、ポテトなどこの辺りの名産品の名前がついている。
中でもコーンと林檎のフェスティバルは私の一番のお気に入りだ。
近所の畑で採れたばかりの新鮮なとうもろこしをゆがいて、バター、塩でいただく。老若男女、美醜かかわりなく、列に並んで茹で上がったコーンをもらい、立ったままで、がぶりとかぶりつく。
このお祭りは入場料が無料で、コーンもアップルジュースも無料で振舞われる。町の人々もとてもフレンドリー。そのせいか、親戚の家にやってきたような、古き良き時代のホスピタリティーのようなものを感じる。
茹でたてのコーンにバター、パンケーキにシロップを野外でというのが、カナダの代表的な夏の味覚だろう。
|
記:椋本百合子
特集:世界の夏を食べ歩き!
|
|
|