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先日はスペインの夏の飲み物をご紹介したが、今回は食べ物のお話。
スペインの名物料理といって誰もがまず一番に思い浮かべるのがパエジャであろう。いつ食べても最高に美味しいのだが、夏の日に海やプールに入った後、たくさんお腹をすかせて家族や友人たちとわいわいと食べるパエジャはなんといっても最高だ。
パエジャの発祥はスペインの米所であるバレンシア。昔々、狩人が狩ったウサギを米と煮込んだのが始まりといわれている。パエジャというと日本では海の幸がたっぷりと入ったシーフードのイメージが強いが、本家本元のバレンシアではウサギや鳥肉、はたまた豆類まで入った肉食なパエジャが元祖なのである。
さて、我が家でよくパエジャを食べに行くのは義母の家。(彼女の作るパエジャはレストランよりもずっと美味しい。)
もしくは、夏季限定オープンの海辺に立つレストランだ。
夏季限定といっても世界に名立たるエル・ブジのような雰囲気は全くもってなく、夏にしか開いていないのはただ単に屋根しかない、つまり壁のないレストランだからなのだと思われる。
前菜、ようするにつまみの小ヤリイカのフライ、小魚のフライなんかもカリッとジューシーで塩具合もかなりの絶品。名物のパエジャはカルルドッソ(吉牛で言う汁ダク)で米の煮込みぐあいもプント(ポイント)である。ここはフィデワも相当美味しい。
パエジャが好きな方には米の代わりに短く細かいショートパスタを使ったフィデワ、いわばパエジャのパスタ版もおすすめだ。パエジャが美味しいところはたいていフィデワも美味しいのでぜひ食べ比べてみていただきたい。最近はアロス・コン・ボガバンテス(ロブスターの煮込みご飯)もパエジャとともに人気のメニューである。レストランのメニューにあったらぜひお試しあれ。
話は変わるが、もうひとつのこの我が家行きつけのレストランの魅力は、窓辺の(壁がないために窓もないので窓辺とはいえないのだが)いわば一番砂浜よりの席を予約しておけば、なかなかやってこないオーダー、そしてなかなかやってこない料理、なかなかやってこないデザートのオーダー、精算、お釣り待ちの永遠とも思われる数々の待ち時間に子どもたちが大人の目の届く目の前のビーチで砂遊びができるので退屈することがなく、大人たちも食事も会話もしっかりと楽しめる。これは子ども連れ、とにかく何事にも時間がかかるスペインのレストラン事情を考えると、とても大切なポイントなのだ。
さて、夏にスペインでよく食べる家庭料理といえば、やはりサラダだ。バールの定番料理であるエンサラディージャ・ルッサ(ロシア風サラダ)。
これはミックスベジタブル(グリンピース、いんげん、人参、ジャガイモ)とオリーブ、ゆで卵、ツナをマヨネーズであえたポテトサラダのようなものである。キンキンに冷蔵庫で冷やして食べるとさらに美味しい。
夏のカタロニアでは、よく水で戻した干しダラをトマトやパプリカ、ピーマン、オリーブと混ぜ、オリーブオイルとワインビネガーであわせたマリネのようなものをよく食べる。xatoというソースをかけたサラダもコンテストがあるほど流行しているようだ。
全国的な夏の定番料理はエスカリバダ。油を引かずに鉄板で野菜(赤ピーマン、なす、たまねぎ等)を丸ごと皮がこげるまでよく焼き、皮を剥き冷やして、にんにくとオリーブオイルにつけこんで食べる。付け合せにもよし、サラダにのせてもよし、もちろんそのままで立派な前菜になる。夏が来ると冷蔵庫に常備の一品である。
最後にスペインでパエジャを頼む時の美味しいレストランの見分け方をお教えしよう。 まず道端つまりレストランの外にパエジャ各種の美味しそうな写真入りのたて看板がある店はご注意を。なぜなら冷凍食品を出しているからだ。
暑い夏がやって来た。アンダルシアでは早くも日中45度を越したそうである、美味しいパエジャをたらふく食べた後はぜひスペインのもうひとつの名物、シエスタ(昼寝タイム)をどうぞ。
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記:宮脇留美子
特集:世界の夏を食べ歩き!
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