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北国にしては暖かいバンクーバーでも、冬の屋外は結構寒い。それでもバンクーバーの人々は屋外が好き。冬の雨の日でもカフェのオープンエアの席はいつも賑わっているほど。
そんな人たちが、夏に戸外で過ごさないはずがない。夏のパーティーはもちろん屋外、当然料理はBBQということになる。
夏が近づくと、デパートやホームセンターの広告には、大小さまざまなBBQグリルの写真が載り、スーパーの食品売り場には、どれを買って良いか迷うほどたくさんのBBQソースが並ぶ。
また週末の夕方、道を歩くと、どこからともなく肉の焼ける匂い、また時にはトウモロコシの香ばしい香り、それと共に風に乗って賑やかな談笑のざわめきが伝わってくる。我家のアパートの住民も小さなグリルを持っている家庭が多く、週末になると、けして広くないバルコニーで内輪のBBQパーティーを開いている。その匂いを嗅ぐと、カナダの人々の食文化・食生活にBBQが不可欠だということが実感できる。
今年は夏の来るのが遅かった。それでも7月に入り、陽射しに力強さを感じる日が続いている。朝から強い陽射しの土曜日、新しくグリルを買った友人宅でBBQパーティーがあった。集まった人たちはほとんど日本人。牛肉やイカや秋刀魚、トウモロコシ・なす・玉ねぎ・じゃがいもなどの野菜、そして日本式のBBQにとって欠かせないソース焼きそばも準備された。焼くのは男性の役目、汗だくになってグリルで肉を焼く人、大きなフライパンで焼きそばと格闘する人はすべて男性。女性はテーブルにお皿や箸、前菜などを並べながら、肉や野菜が焼けるのを待つ。
宴は肉や魚が焼ける前に始まった。その家のお庭で取れた苺入りのパンチや、ポットラックで持ち寄ったサラダや枝豆などの前菜が並び、女性たちは肉や野菜や魚が焼ける前に、苺のパンチで喉を潤し、前菜をつまむ。肉が焼けると、好きな場所でビールやワインなどを飲み、談笑しながら食べる。お腹がいっぱいになると、色とりどりのフルーツが盛られた大皿に足を運び、好きな果物やデザートを取ってくる。そんなことを数回繰り返していると、おなかもいっぱい、眠気も催すほどくつろいだ気分になり、アルコールの効果もあって話にも花が咲く。

夜10時頃まで陽が沈まないカナダはいつまでも明るい。ふと空を見上げると、真っ青な夏空に雲が浮かび、清涼な風が心地よい。この爽やかさと心地よい満腹感!今何時ごろ?と思ったが、時計を見るのは止めておこう。極楽に時計は似合わない。
バンクーバーの夏は、陽が射しているところだけ暑く、日陰に入ると、肌寒いほど涼しい。夏の陽射しをいっぱい浴びて、汗をかきながら肉を焼き、日陰で冷えたビールと共に食するのは、短い夏の大きな楽しみなのだ。
やっぱりカナダの夏も、BBQ抜きには語れない。
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記:藤野美津子
特集:世界の夏を食べ歩き!
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